現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

蔡 宣静、安 智史、岡村民夫「パネルディスカッション・質疑応答」

2016-09-22 08:45:25 | 参考情報
 宮沢賢治学会イーハトーブセンター冬季セミナーin東京「宮沢賢治と映画」で、それぞれの講演後に行われたパネルディスカッション・質疑応答です。
 各発表者が他の講演に対して発言し、最後に会場からの質問に答えました。
 「映画が発明された時期の文学者への影響はどうなのか。」という発言がありましたが、これに関しては安が発表以外に資料にまとめていて、萩原朔太郎、室生犀星、谷崎潤一郎などについて述べられています。
「映画では、失われたものを引きずる者が、賢治を引用することが多い。」という点では、全員が合意していました。
 岡本によると、90年代の日本のインディペンデント系の作品には喪失した物(者)を描くことが多いとのことです。
 これは、バブル崩壊後の社会の動向の影響が表れているのでしょう。
 賢治の作品では、童話よりも詩の方がモンタージュしやすいので、映画に反映することが多いようです。
 会場からの「賢治は日本の映画は見たか?」の質問に対しては、女優が出ない1918年までの日本映画は馬鹿にしていたようだが、その後の作品は見ていたでしょうとのことでした。

宮沢賢治―驚異の想像力 その源泉と多様性
クリエーター情報なし
朝文社
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