現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

マンロー・リーフおはなし ロバート・ローソンえ「はなのすきなうし」

2016-09-23 09:28:03 | 作品論
 物語絵本の古典です。
 仔牛のころから、花のにおいをかぐの大好きで、他の仔牛のように角突きあったりしないフルジナンドの話です。
 フェルジナンドは、ひょんなことから大闘牛に出場する牛に選ばれてしまいます。
 でも、生来の花好きが幸いして、闘牛士たちと闘わずに、無事に元の牧場へ戻ることができました。
 ややあっけない展開ですが、読者の子どもたちは、それぞれの個性を大事にすることを感じ取れることでしょう。

はなのすきなうし (岩波の子どもの本 (11))
クリエーター情報なし
岩波書店
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津村記久子「十二月の窓辺」ポトスライムの舟所収

2016-09-23 08:44:33 | 参考文献
 上司や周囲の同僚からの激しいモラルハラスメントにあった新卒の女性社員が、精神的なバランスを崩しそうになりながらも、何とか耐えながら辞表を提出するまでを描いています。
 この作品でも、かなりの部分が津村自身の体験を下敷きにしているのでしょうか、非常に生々しく現代の働きづらい会社環境が描かれています。
 バブル崩壊、男女雇用機会均等法、非正規労働の規制緩和などによって、労働者(特に若年層)が職場でバラバラにされて孤立化を深めています。
 こういった状態を作り出したのは、政府に後押しされた経営者側の責任であるとともに、形骸化されて自分たちの既得権を守るだけに汲々としている労働組合側の問題でもあります。
 このままでは、若者たちは、安心して働ける職場を求めて、いつまでもジョブホッピングを続けなければなりません。

ポトスライムの舟 (講談社文庫)
クリエーター情報なし
講談社
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