2008年下半期の芥川賞を受賞した作品です。
新卒で入社した会社を上司のモラルハラスメントによって退社し、現在は手取り13万8千円の契約社員として工場に勤めていて、それ以外に友だちのカフェの手伝いやお年寄り相手のパソコン教室の講師などをして、懸命に働いている29歳の女性が主人公です。
彼女を中心に、様々な境遇の大学時代の女友達などの周囲の女性たちが描かれています。
工場に貼られていたポスターの世界一周旅行の料金163万円が、彼女の工場の年収とほぼ同じだということに気づきます。
彼女は、一年間の生活費(実家なので家賃はかかりません)を他の収入で賄って、工場の賃金はすべて貯金しようと決意します。
働きすぎと倹約のせいか、彼女は体調を崩しますが、かろうじて貯金の目標を達成します。
現代の非正規労働で働く若い女性の姿を、鮮やかに描き出しています。
津村の一連の作品は、同様のワーキングストーリーが多いのですが、かなりの部分で実体験(モラルハラスメントや両親が離婚しているなど)に近いので、この作品が一番リアルに読者に迫ってきます。
児童文学の世界でも、実体験に基づいた作品はリアリティが保証されているので、優れた作品が多いようです。
新卒で入社した会社を上司のモラルハラスメントによって退社し、現在は手取り13万8千円の契約社員として工場に勤めていて、それ以外に友だちのカフェの手伝いやお年寄り相手のパソコン教室の講師などをして、懸命に働いている29歳の女性が主人公です。
彼女を中心に、様々な境遇の大学時代の女友達などの周囲の女性たちが描かれています。
工場に貼られていたポスターの世界一周旅行の料金163万円が、彼女の工場の年収とほぼ同じだということに気づきます。
彼女は、一年間の生活費(実家なので家賃はかかりません)を他の収入で賄って、工場の賃金はすべて貯金しようと決意します。
働きすぎと倹約のせいか、彼女は体調を崩しますが、かろうじて貯金の目標を達成します。
現代の非正規労働で働く若い女性の姿を、鮮やかに描き出しています。
津村の一連の作品は、同様のワーキングストーリーが多いのですが、かなりの部分で実体験(モラルハラスメントや両親が離婚しているなど)に近いので、この作品が一番リアルに読者に迫ってきます。
児童文学の世界でも、実体験に基づいた作品はリアリティが保証されているので、優れた作品が多いようです。
![]() | ポトスライムの舟 (講談社文庫) |
クリエーター情報なし | |
講談社 |