中学一年生のまり子は、両親ともうすぐお嫁に行く七つ年上のねえちゃん、そしてばあちゃんと暮らしています。
「泣きびそまり子」と呼ばれていたまり子を、たくましいばあちゃんはいつも励ましてくれていました。
まり子が小学四年生の時に、ばあちゃんはころんでひざを痛め、それを契機に急速に弱っていきます。
今では、ばあちゃんはトイレにも一人で行かれず、ねえちゃんが手を引いて連れて行きます。
ねえちゃんがいない時には、ばあちゃんはおまるを使わなくてはなりません。
ばあちゃんはおまるを使うのが泣くほど嫌なのですが、まり子はばあちゃんが元気でたのもしくないのが受け入れられず、どうしてもばあちゃんをトイレへ連れて行く勇気が出ません。
そのため、ねえちゃんがお嫁に行ったら、ばあちゃんはいつもおまるを使わなければならなくなります。
ねえちゃんの結婚式の打ち合わせの日に、ばあちゃんはみんなに迷惑をかけないようにおまるを隠して、水分をとらないようにしています。
それに気づいたまり子は、とうとう勇気を出してばあちゃんをトイレに連れて行こうとします。
ばあちゃんの意外な重さになかなか前へ進めないまり子に、ねえちゃんが声援をおくります。
その声に励まされて、まり子はなんとかばあちゃんをトイレまで連れていくことができます。
1983年7月発行で1984年に日本児童文学者協会の新人賞受賞した短編集「かむさはむにだ」の巻頭の短編です。
苦しい戦争の時期をたくましく生き抜いたばあちゃんの生き方を、ねえちゃん、そしてまり子がこれからも引き継いでいくことを、短い枚数の中で見事に描いてます。
理性的で簡潔な文章が、作品が感傷に流されるのを防いで、庶民の生きるたくましさを表すことに成功しています。
この作品には特に目新しい現代的なテーマはありませんが、より普遍的な人間が生き抜く力を表現して、読者に生きる勇気を与えてくれています。
1980年代に入ってからの狭義の「現代日本児童文学」(定義などは他の記事を参照してください)の行き詰まりを打開する一つの方向性を、この作品は示したと思います。
「泣きびそまり子」と呼ばれていたまり子を、たくましいばあちゃんはいつも励ましてくれていました。
まり子が小学四年生の時に、ばあちゃんはころんでひざを痛め、それを契機に急速に弱っていきます。
今では、ばあちゃんはトイレにも一人で行かれず、ねえちゃんが手を引いて連れて行きます。
ねえちゃんがいない時には、ばあちゃんはおまるを使わなくてはなりません。
ばあちゃんはおまるを使うのが泣くほど嫌なのですが、まり子はばあちゃんが元気でたのもしくないのが受け入れられず、どうしてもばあちゃんをトイレへ連れて行く勇気が出ません。
そのため、ねえちゃんがお嫁に行ったら、ばあちゃんはいつもおまるを使わなければならなくなります。
ねえちゃんの結婚式の打ち合わせの日に、ばあちゃんはみんなに迷惑をかけないようにおまるを隠して、水分をとらないようにしています。
それに気づいたまり子は、とうとう勇気を出してばあちゃんをトイレに連れて行こうとします。
ばあちゃんの意外な重さになかなか前へ進めないまり子に、ねえちゃんが声援をおくります。
その声に励まされて、まり子はなんとかばあちゃんをトイレまで連れていくことができます。
1983年7月発行で1984年に日本児童文学者協会の新人賞受賞した短編集「かむさはむにだ」の巻頭の短編です。
苦しい戦争の時期をたくましく生き抜いたばあちゃんの生き方を、ねえちゃん、そしてまり子がこれからも引き継いでいくことを、短い枚数の中で見事に描いてます。
理性的で簡潔な文章が、作品が感傷に流されるのを防いで、庶民の生きるたくましさを表すことに成功しています。
この作品には特に目新しい現代的なテーマはありませんが、より普遍的な人間が生き抜く力を表現して、読者に生きる勇気を与えてくれています。
1980年代に入ってからの狭義の「現代日本児童文学」(定義などは他の記事を参照してください)の行き詰まりを打開する一つの方向性を、この作品は示したと思います。
![]() | かむさはむにだ (偕成社の創作 (18)) |
クリエーター情報なし | |
偕成社 |