戦後の一時期に人気作家であった「きだみのる」の最晩年(75歳から亡くなる80歳まで)に、編集者として取材旅行にも同行した著者が書いた評伝です。
著者が出会った時、「きだみのる」は幼い娘(7歳)と国内外を放浪している時期で、その未就学児の娘も取材旅行に同行しています。
社会学者、翻訳家、人気作家、アナキスト(?)であった「きだ・みのる」の人生も驚異的ですが、その娘と彼女を引き取って「きだみのる」との内幕をネタにして直木賞作家(!)や教育評論家としてのし上がった三好京三との確執もすさまじいものがあります。
しかし、一番驚いたのは、四十年以上も昔の話を、昨日の話のように生き生きと再現させてみせる、著者の驚異的な記憶力(ある程度はメモは取ってあったのでしょうが)と若々しい文体(この本が出たとき73歳です)です。
他の記事にも書きましたが、児童文学作家として一番重要な資質は、この子どものころを鮮明に再現できる記憶力と文体なのです。
年を取るにつれて若いころのことを忘れたような作品を書く作家が多い中で、この作品と作者には大いに励まされました。
著者が出会った時、「きだみのる」は幼い娘(7歳)と国内外を放浪している時期で、その未就学児の娘も取材旅行に同行しています。
社会学者、翻訳家、人気作家、アナキスト(?)であった「きだ・みのる」の人生も驚異的ですが、その娘と彼女を引き取って「きだみのる」との内幕をネタにして直木賞作家(!)や教育評論家としてのし上がった三好京三との確執もすさまじいものがあります。
しかし、一番驚いたのは、四十年以上も昔の話を、昨日の話のように生き生きと再現させてみせる、著者の驚異的な記憶力(ある程度はメモは取ってあったのでしょうが)と若々しい文体(この本が出たとき73歳です)です。
他の記事にも書きましたが、児童文学作家として一番重要な資質は、この子どものころを鮮明に再現できる記憶力と文体なのです。
年を取るにつれて若いころのことを忘れたような作品を書く作家が多い中で、この作品と作者には大いに励まされました。
![]() | 漂流怪人・きだみのる |
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小学館 |