現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

シンデレラマン

2018-12-12 16:21:29 | 映画
 1920年代から30年代に活躍した実在のボクシング選手を題材にした、2005年公開のアメリカのスポーツ伝記映画です。
 かつては世界チャンピオンにあと一歩まで迫ったものの、その後は怪我などで精彩を欠き、ライセンスも剥奪され、蓄えた財産も1929年に起こった世界恐慌のためにすべてを失い、家族のために食料の無償配布や貧困者救済のための給付まで受けていた元ボクサーが、代理出場(当時は、ライセンスがない選手でも出場させるほど、興業優先の時代だったのでしょう)をきっかけに再びチャンスをつかみ、世界チャンピオンまで上り詰めるという、「ロッキー」も真っ青なシンデレラストーリーです(シルベスター・スタローンも、少なからず影響を受けていたかもしれません(一般的には、無名ながらモハメド・アリに善戦したチャック・ウェブナーが、ロッキー・バルボアのモデルだと言われています))。
 彼の出現は、世界恐慌後の長引く不況に疲弊していたアメリカ国民を熱狂させたようです。
 コメディー的な要素もあった「ロッキー」と違って、エンターテインメントながらシリアスな雰囲気を漂わせているのは、主人公がイタリア系アメリカ人ではなくアイルランド系アメリカ人だったせいかもしれません。
 それに、「ロッキー」で主役のカップルを演じたシルベスター・スタローンとタリア・シャイアに対する、ラッセル・クローとレネー・ゼルウィガーの持ち味の違いも大きいと思われます。

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マージョリー・ワインマン・シャーマット「野の花」ソフィーとガッシー いつもいっしょに所収

2018-12-12 08:40:39 | 作品論
 ソフィーとガッシーが森を散歩していると、きれいな花を見つけました。
 二匹ともその花が欲しくてたまらないのですが、互いに譲り合って結局そのままそこに残すことになりました。
 二匹が水をやりすぎたり、そばで見すぎて日陰にしたり、花瓶をかぶせたりしたので、花は元気がなくなってしまいます。
 そこで、二匹は花をそっとしておいて、時々一緒に見に行くだけにしました。
 花が元通りに元気になったので、二匹は大喜びします。
 しかし、最後のソフィーの次のセリフは、言わずもがなという感じがしました。
「すてきな物って、自分一人の物にしないで、友だちと一緒に楽しむと、もっとすてきになるのね。」
 その前までで、読者には作者が言いたいことは十分に伝わっているのですから。

ソフィーとガッシー いつもいっしょに
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