躁うつ病研究の大家である森山(1934年生まれ)に、高岡(1953年生まれ)がインタビューしています。
森山は四十年以上前から躁うつ病の論文を書いているようなこの学界の権威なのでしょうが、お年(この本が出た時点で75歳)のせいか新しい事例に対する知見には乏しいようで、ともすると古い話になってしまっています。
また、高岡も大先輩に対する遠慮があるのか、新しい双極Ⅱ型障害などが中心になっている時代に即したインタビューになっていません。
特に、現代を「消費社会」、「情報化社会」、「共同体の崩壊」といったざっくりとした捉え方でしかしておらず、バブル崩壊以降の特に若年層を取り巻いている過酷な経済状況が、現在の双極Ⅱ型障害の背景にあるという視点が欠けていて(本来の高岡はこの本の「はしがき」(その記事を参照してください)で彼が示したように、その視点を持っていると思われます)物足りませんでした。
児童文学の世界でも、1950年代の「現代児童文学」のスタートに寄与した面々(もう亡くなられた方が多いので名前は書きません)が、1990年代や今世紀に入ったころに、新しい作品群や時代認識にそぐわないとんちんかんな文章を発表していたことがありました。
もちろん年齢が問題なのではなく、それぞれの分野で新しい動向やその背景にある社会の動きを理解することに対してたゆまぬ努力を払い続け、過去の持論に固執するのではなく、柔軟な発想や思考を持つことが重要なのだと思われます。
森山は四十年以上前から躁うつ病の論文を書いているようなこの学界の権威なのでしょうが、お年(この本が出た時点で75歳)のせいか新しい事例に対する知見には乏しいようで、ともすると古い話になってしまっています。
また、高岡も大先輩に対する遠慮があるのか、新しい双極Ⅱ型障害などが中心になっている時代に即したインタビューになっていません。
特に、現代を「消費社会」、「情報化社会」、「共同体の崩壊」といったざっくりとした捉え方でしかしておらず、バブル崩壊以降の特に若年層を取り巻いている過酷な経済状況が、現在の双極Ⅱ型障害の背景にあるという視点が欠けていて(本来の高岡はこの本の「はしがき」(その記事を参照してください)で彼が示したように、その視点を持っていると思われます)物足りませんでした。
児童文学の世界でも、1950年代の「現代児童文学」のスタートに寄与した面々(もう亡くなられた方が多いので名前は書きません)が、1990年代や今世紀に入ったころに、新しい作品群や時代認識にそぐわないとんちんかんな文章を発表していたことがありました。
もちろん年齢が問題なのではなく、それぞれの分野で新しい動向やその背景にある社会の動きを理解することに対してたゆまぬ努力を払い続け、過去の持論に固執するのではなく、柔軟な発想や思考を持つことが重要なのだと思われます。
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