現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

宮沢賢治「めくらぶだうと虹」校本宮澤賢治全集第七巻所収

2020-07-30 06:04:04 | 作品論
 1918年(大正7年)の作だとされている初期作品時代(「注文の多い料理店」出版以前)の作品です。
 賢治の宗教的な作品系列に属し、地にあるめくらぶどうと天にある虹の対比により、生きていくことの意味を考えさせてくれます。
 ややセンチメンタルな感じも受ける、若者らしい清新な情感のこもった美しい作品です。
 自然描写と共に、賢治の心の内部を写し出しています(いわゆる心象スケッチですね)。
 真理の追求、自己犠牲、真理を美に見いだす、など、賢治の創作理念が、かなり生な形で現れています。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする