1971年10月に「COM」に発表された短編です。
三保の松原の「羽衣伝説」の天女を未来人に変えて、核戦争などの文明批判を展開しています。
「羽衣伝説」は「鶴の恩返し」などのような異類婚姻譚の変形なのですが、女性を未来人に変えることによって、SF的なタイムパラドックスや放射能汚染などを加味しています。
すべてのコマを同一の横長に統一して舞台劇のように描いた実験作ですが、その分動きがなくなって手塚漫画の特長である映画のようなダイナミズムが失われています。
また、どうしてもセリフに頼ってストーリーが展開されるので、風刺や文明批判が生な形で提出されています。