無ら里 カジュアルな風日記

メニューとかイベント紹介とか店内の気がつくまま。

居心地のいい場所で旅ランチ~岩手県・花巻温泉郷~

2015年02月01日 | Weblog


プロフィール写真
石井宏子(いしい ひろこ)

温泉ビューティ研究家・トラベルジャーナリスト
温泉旅で心も体もきれいになる
“ビューティツーリズム”を提唱。
トラベルジャーナリストとして取材執筆・
温泉の講演などで、年200日全国を旅する。



旅をする時には泊まる宿だけでなく、ランチはどこで何を食べようか?途中にステキなカフェはないかしら?と、ちょっと出かける前にリサーチ。ガイドブックやインターネットなどで情報を集めることもありますが、何といっても頼りになるのは、現地の友人。そして、旅先で実際に現地の方に教えていただく情報。今回の旅は岩手県・花巻温泉郷です。


現地の友人と合流して湯めぐり。わたしの好みを知る友人がランチに連れて行ってくれたのが「無ら里」です。
石井hana1
テラコッタの床に淡いピンクの壁。手仕事の雑貨が可愛いインテリアになっています。窓から差し込む光と真っ赤な薪ストーブがアクセント。女性のオーナーシェフのお店らしい優しい空気が流れています。

石井hana2
日替わりランチの前菜はクリーミーで熱々のキッシュと、ぴりりとパンチの利いた豆のチリコンカン。
石井hana3
もう1品は冬の根菜揚げ。とろりと添えられているのは柿ドレッシング。爽やかな甘さと酸っぱさが絶妙でさくさくの蓮根や牛蒡、もっちりとボイルしたカボチャなどとの相性が抜群です。寒い冬を乗り切るには体を温める根菜類は積極的に摂りたい食材。生野菜や葉野菜ばかりでは体を冷やしがちですが、土の下に育つ野菜は冬にうれしい体温め野菜なのです。



石井hana4
メインのマグロの西京味噌焼きと一緒にでてきたのが、玄米酵素入りごはん。岩手県は雑穀の名産地ですが、今日のごはんには古代米も入っています。アサリの出汁が効いた味噌汁やサラダと一緒に主食をいただきます。冷えが気になる季節はこのように、サラダは後半に主食やスープ類と一緒にいただくというのは内臓を冷やさない食べ順のポイントでもあります。



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花巻教室のこと その1

2015年02月01日 | Weblog
 



ポカポカと陽のあたるテラス側の壁には髙橋静子さんのストールやショール、そして柿渋をつかって染めたバッグなどが展示されています。
 私の花巻での教室としてお借りしているB&Bレストラン「無ら里」さんです。
 鎌倉を夜にたって、着いた翌日には打ち合わせでお邪魔してオーナーの滝さんと近況報告やらサロンのお客様の状況を把握します。
 無ら里さんの店内の壁には季節に合わせて絵がかけられているのですが、時折こうして県内の作家さんの作品が展示されることもあり、私はもちろん、いらしてくださるお客様も楽しみにお食事をされています。偶然ですが、髙橋静子さんとは高校の先輩後輩の関係であることが判明、ご自宅で機を織りながら、県内のショップやイベントに出品されているそうです。そして嬉しいことに、その静子さんも花巻教室に参加してくださいました。 

  

 サロンの日、実はボタ雪に始まり、粉雪、そして時折吹雪いたりの変りやすい天候でしたが、丁度レッスンの始まる午後2時には陽も差してテラス席はこんな感じで外の寒さが想像できないほど暖かい時間を過ごせました。テーブルには折形用の奉書と紅柾という赤い紙、そしてお持ち帰り用の懐紙が用意されています。予告通り、懐紙でポチ袋と箸袋を作り、奉書と紅柾で花包みの折形体験をしていただきました。案外水引きの結び方で戸惑う方や、懐紙の使い道が広がったと喜んでいただいたり、みなさまの反応もいろいろで、私自身気づきの多い時間でした。

 

 こちらはお母様とご一緒にお二人で毎回参加されるお嬢さんの花包みです。
 1月はまだまだ花のない季節。東北の春はちょうどゴールデンウィークあたりに、木の花が一斉に咲きます。それまでは庭も畑、道も公園もすべて真っ白な世界で土さえ目にすることができません。1月と言う新しい年の始めに、ちょっとだけでも華やいだ空気を感じたいものです。そこで選んだのがシンビジウム。花巻の農協にお一人だけこの花を育てて出荷をしている方がいるとお聞きし。サロンのために特別にご用意していただきました。どの花も活き活きして蕾もたくさん付いています。こうして包んで差し上げたら、いただいた方も喜んでくださるでしょうし、しばらくこのままテーブルに置いても、待ちわびる春を目で楽しむことができます。今月のテーマ「テーブルに春を」は、陶器の菓子鉢やガラスのサラダボウルなどに低く生けるアレンジをご紹介し、皆様お一人お一人にこの花包みでシンビジウムをお持ち帰りいただきました。 


 

 レッスンが終了し、オリジナルスイーツのプレートが運ばれる頃には、外はまた雪が降り始め、時折ゴーッという風の音も聞こえます。遠くお隣の秋田県に近い所からいらした方は無事帰宅されたかなあと心配になるほど、吹雪いてきました。除雪された路肩の雪は腰ほどまで積もり、轍も吹き付ける雪ですぐに覆い尽くされます。蝋梅や椿の咲く北鎌倉ですと、梅春の一月は香りも付いて来る季節ですが、ここ岩手の花巻は、まだまだ春は遠いのだと改めて雪国の暮らしの大変さを感じた一日でした。

 ※次回の無ら里サロンは、3月は13、14日の両日です。テーマは「春の模様替え」として、季節の草花と色彩や素材にこだわったファブリックのご紹介、ちょっとだけチクチク(縫い物かな?それは当日のお楽しみ)?です。

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花巻教室のこと その2

2015年02月01日 | Weblog



無ら里には真っ赤な薪ストーブがあります。この煙突から白い煙が出ているのですが...写ってないですね、風が強かったせいでしょうか。
 花巻市の中心部からはちょっと離れていますが、周囲を田んぼとハトムギ畑に囲まれたカラ松林の中にあって、とても静かな隠れ家のようなレストランです。 


 冬の間も宿泊のお客様がいらしたり、親しい作家さんたちの作品を展示するギャラリーになったり、食事にいらっしゃるお客様はオーナーの滝さんの温かい人柄に魅かれ、まさにぶらっと立ち寄りお茶をのみながら世間話をしていくような方も。思えば滝さんご自身があの真っ赤なストーブのような方なのかもしれません。 



 メニューも地元野菜をふんだんに使った家庭料理がメインで、お腹がいっぱいになるようなボリューム。デザートもサプライズな食材を上手にアレンジしてお皿いっぱい並べられるのです。この日、私がいただいたランチをご紹介しましょう。

 










                 チリコンカンと生ハム、ペンネにはカブの葉のソースを。

                 温野菜(絹ザヤ、長芋、レンコン、人参)、ゴボウの素揚げには柿のソース
 


                                                                 ロールキャベツ




                 酒粕のジェラード、クリームチーズと黒豆の最中、


 撮り忘れましたが、これに五穀米のご飯と野菜たっぷり入ったアサリの味噌汁、ポテトサラダと香の物が付きます。そしてデザートと一緒にコーヒーか紅茶も選べます。どうですか、ボリュームがありますよね。どれも美味しくて心がこもったやさしい家庭料理ばかり。熱々のロールキャベツは寒い日にぴったり。温野菜にかけられたオレンジ色のソースは渋抜きした柿で作ったそうです。食欲をそそる色彩と季節感のある素材選び。デザートの酒粕のジェラードやクリームチーズと黒豆の最中は、サクサクして美味しかった。。。クリームチーズが最中の餡になるとは思いもしなかったです。 





子供の頃雪が降り夜中に冷え込んだ翌朝は、軒先にツララができたものです。屋根の雪が溶けながら滴ごと凍ってできるツララは、日の光を受けて美しく輝いたものでした。最近は温暖化のためでしょうか、なぜかツララをみかけなくなったのです。雪国の象徴であるカマクラや雪だるま、もっと降ると雪を積み重ねてスロープを作り、家の周りでスキーやソリ遊びをしたものです。どんなに寒くともへっちゃら、長靴の中に雪のかたまりが入ろうが、吹雪いて前が見えなくなっても雪合戦をして遊ぶ日もありました。犬は喜び庭駆け回ると言いますが、子供こそ犬のように駆け回って遊んだのです。手足がしもやけで真っ赤な子供がいっぱいいましたからね。




 
 パチパチと音をたてて燃え盛る薪ストーブの火を眺めていると、そんなことを思い出したりします。熱いコーヒーを飲みながら、窓から見える景色と風の音に耳をすませてみてください。もしかしたらあのカラマツの木の上に又三郎が。。。
 
  どっどど どどうど どどうど どどう 
  青いくるみも吹きとばせ
  すっぱいくゎりんもふきとばせ
  どっどど どどうど どどうど どどう
  どっどど どどうど どどうど どどう
                          「風の又三郎」
  


  無ら里は、そんなことを想像しながらゆったりくつろげる空間なのです。

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岩手のみなさまへ 無ら里サロン『 テーブルに春を...』のご案内

2015年02月01日 | Weblog
http://flowermiki.exblog.jp/23991703/23991703/  来週16日、17日は岩手は花巻での「暮らしのエッセンスサロン」がございます。昨年の秋から始まり隔月での開催ですから今回で3回目になります。前回は遠く徳島からお越しいただいた方も...私がブログを始めた頃から読んで下さっている方でした。他にも気仙沼から車でいらっしゃる方、盛岡から、青森からと、会員の方は花巻に留まらず集まってくださっており、毎回ありがたく心から感謝しております。
  私は毎回月曜日のラジオの仕事を終わらせた足で花巻に向かうのですが、できるだけ草花もお伝えするコンテンツも地元岩手花巻にこだわったものをセレクトしています。身近に素晴らしいものがあるのに、案外気付いていないことがあるものです。まずは岩手の野草や木の花に目を向け旬のものの力強さを感じて欲しい、今そこにあるものにはきっと意味があるのです。そんな思いからなるべく早めに花巻入りをしてあちこち歩き回ります。無ら里さんをお借りしての二日間、2時間という短い時間ですが、暮らしに役立つコンテンツをご紹介したいと思っています。




 花巻の1月と言えばあたりは真っ白な銀世界でしょう。子供の頃は、雪が降る度に犬のように駆け回って外で遊んだものです。寒さなど関係なく空から降りて来る白いものに分けもなく期待をしていたのかもしれません。大人はそうゆうわけにもいかず、雪国ならではの苦労もあり、まただからこそ厳寒の長い冬を辛抱して越す工夫がありました。ネコヤナギの銀色の花穂が膨らむ頃、春先の小川のせせらぎの音の清らかさと、雪解けの土手の真っ黒な土の暖かさは格別であり、うぐいす色のバッケ(ふきのとう)がいっそう愛おしく思えるのです。 



 
 いまや都会と地方との距離的なギャップは解消されていると言っても過言ではないくらい、情報は寸時に伝わり、都会との差も感じなくなりました。しかし気象の違い、天候の差は消えません。長い冬をどう越すか、1月のサロンは、暮らしに役立つ折形のご紹介と『テーブルに春を...』と題して、蘭の花を低く生けて楽しむ方法をご紹介しようと思っています。長い冬の間、丹誠込めて育てられたシンビジュームが花巻の市場に並ぶのを私は知っています。黄色に桃色、そしてうぐいす色の蘭たちがモノクロの冬を暖めるかのように咲く姿は、厳寒の東北だからこそ愛おしさと厳かさを感じます。また『折形』はお正月だけのものではありません。普段の暮らしの中で生かせるものを実際にご案内し、体験していただこうと思っています。当日お使いいただけるよう、みなさまには蘭を木の花包で、また鳩居堂の懐紙をお土産にご用意しております。
  1月11日は鏡開き、そして15日は小正月(女正月)...そして2月の節分を過ぎても東北の春はまだまだ遠いのですが、新しい年を迎えて心身ともに清々しく、また自分なりのスタイルを少しずつ作り上げてゆく楽しみをこのサロンでご紹介してゆければと思っています。 花巻での「暮らしのエッセンスサロン」、ご予約はB&Bレストラン無ら里0198-24-2026まで。どうぞよろしくお願いします。
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