今日も快食、快眠、快便!

「快食、快眠、快便」を座右の銘として実行すべく、その達成度と日々の記録やあれこれ。

親の責任

2008-05-28 10:10:23 | NEWS

妹殺害・切断、次兄に懲役7年 東京地裁判決 死体損壊は無罪(産経新聞) - goo ニュース

このニュースを聞いて一番びっくりしたのは、判決ではなく裁判での家族の証言だ。

報道では、家族は被害者の悪口を並べ立て、加害者を強力に擁護したとのこと。
あたかも兄である加害者を犯行に駆り立てた原因のすべてが被害者にあって、被害者がどれほど家族の頭痛の種であったかということを家族全員が証言したらしい。
そのうえで被告には寛大なる判決を、と。

それぞれの家庭にはそれぞれの事情があるし、他人にはとやかく言えないことはわかっている。
あくまで推測の域を出ない野次馬的感想ではありますが…

諸悪の根源のように言われている亜澄さんだけど、反抗期にあるこの世代の子ってみんなこんな感じじゃない?
ましてやこの家庭は全員歯科医のエリート集団。
いい子である、成績優秀である、親に従順である、周囲からうらやまれるような地位を確立する使命がある、それを親も子も当然あるいは運命として日々過ごしている。
亜澄さんは女の子だからというのもあるかもしれないけど、親の望む学校に進学していないし、おそらく以降は自我に目覚めて家族に反発していたんだと思う。
成長過程としてはフツ~のことだけどね。
親の思惑から外れたということは、親に自分の生き方を認めてもらえない、存在を認めてもらえないということを亜澄さんは敏感に感じ取っていたと思うんだよね。
だから彼女は自分の家庭の中に居場所がなかったんじゃないかな。
女優になりたい、というのもちょっと見お金持ちのお嬢様の安易な選択に見えるけど、実は歯科医じゃないけど別の道で有名になって親に認めてもらいたかったんじゃないかって気がする。

一方、加害者の勇貴被告は歯科大受験に失敗して三浪もしてるよね。
今度は4回目の受験だ。後がない。
こちらもエリートの家庭にあって、歯科医になることが家族でいることの絶対条件としてあったに違いない。
普通の家庭だったら、まず三浪させるだけのお金がないってのはあるけど、「この子には他の道もあるんじゃないか」って考えるんじゃないだろうか。
でも他の選択肢は許されなかったんだよね、きっと。
受験には失敗してるけど、親には従順でいい子だったから親は被告のことが大好きなのだ。

この事件、被告が受験勉強合宿中に遺体が発見されて警察に通報し、事件が発覚したけど、もし勇貴被告が妹の殺害を親に打ち明けていたらどうなっていたかな…と、判決を聞いて考えた。
家庭内で殺人が起こったことは家族にはショックなことだろうけど、頭痛の種がいなくなって、しかも優しい息子が家族のためを思ってしたことだ。
もしかしたら娘は家出したまま音信不通になったとか言って、隠ぺい工作をするんじゃないか…なんて恐ろしいことも頭をよぎった

結局被害者も加害者も親の犠牲になった、と思わざるを得ない事件。

勇貴被告が刑期を終えて家に戻ってきたとき、この家族はどうなるんだろうね。
少なくとも家族が亜澄さんのことを悪く言い続けているうちは、変化も進歩もないような気がする。
自分たちの輝かしい成功人生の邪魔になるものは排除せよって。
子供たちの人生は子供たちのもので、世の中にはいろんな生き方があって、日が当らなくても一生懸命生きていて、そこにも希望がある、ということを理解できなければ勇貴被告の7年間、亜澄さんの死も無駄になる。
合掌

 

 

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする