最近抜歯したことをお伝えしたが、できるだけ残しておいたその歯と接していた両側の歯が、重大な影響を受けていた。接触面がすべて虫歯になっていたのである。自分の歯は出来るだけ残しておきたい。それが仇になってしまったのだ。ブリッジにするには脆弱な歯の状態であり、入れ歯も同様である。もはやインプラントしか選択肢がない状態であった。
インプラントはまるで救世主のようだが、今回、はからずとも盲点があることがわかった。それは埋め込まれるあごの骨がしっかりあることが前提だが、それだけでなくその骨量、骨密度も大きなポイントなのである。医院にある最新の機械は、あごの全周をCTスキャンで測定し、そのすべてを立体画像化して、インプラントの挿入方向と深さまで設計してしまう。コンピュータの画像解析の結果、1mm以下の誤差内で指示された手術が行われるという。
今回の私の場合、すぐに細部の施術計画は出力されたのだが、ちょうど目指すその部位の骨密度が周囲に比べ異常に低いことがわかった。これは非常に重要なことで、もしこれに気づかず普通通りにドリルで切削していたら、石膏ボードみたいなスカスカの骨のため、ボルト(真ん中図)がうまく固定できない重大なミスが発生していたはずである。特に上あごのインプラントの場合、失敗例としてよく聞くケースであって、インプラントに頼るしかない私にはぞっとする恐ろしい話である。
かかりつけのY医師は確かに名医であって、やたらインプラントを薦めないし、その術数が多いのに施術に当たっては慎重である。私のスカスカ骨でも、これに対応した手術があり、問題を回避して成功出来ると言う。
インプラント手術は保険外適用で値段が気になる。しかし、値段だけで決めると重大な過誤に陥るかも知れない。一生付き合う歯、きちんとした医師にかからないととんでもない後悔をするようになるという、体験実話である。
インプラントはなくした歯がもう一度よみがえるのである。両側の歯を削らず傷めず、しっかり噛めて食感も味も、そしておしゃべりもすべてOKである。しかし手術後の定期的なメンテナンスも欠かせない。それにはやはり、Y医師のような、普段から歯全体をすべてお任せし、定期的に通い続けられる医院が良いに決まっている。私は医師の手を通しても神はいやしてくださると信じ、また祈っていた。その結果神に示されて行ったY医院である。神さま、心から感謝します。 ケパ