ケパとドルカス

『肝心なことは目では見えない』これは星の王子さまの友達になったきつねの言葉。

台風の夜

2014年07月10日 | 自然

 今日は台風8号が首都圏に近づいた夜で、風だけが激しい。九州や西日本各地は大雨で、土石流の発生などたいへんだ。しかし関東に来て思うのだが、ほとんどの台風は今回の8号に限らず、日本列島を沖縄Photo・九州・中四国とやってくるので、その勢いが関東に来る頃にはすでにその勢力は弱まり、西日本に居た時ほどのすごさを感じない。東北、北海道に至っては、もっと感じないだろう。

 子どもの時から台風と言えば、何度も自宅の浸水やすさまじい川の氾濫などを見
てきた。光景を言えば、全面が川となり、普段通る道がわからない。そんな一面の泥水の上を、いろいろな生き物が浮いては流れていく様が面白かった。今は車があるからたいへんである。8年前の洪水ではわが家の貸し駐車場で、ドイツのBMWなどが水没してまことにお気の毒であった。私の車? ちゃんと高台に避難させていたので事なきを得た。

 悲惨なのは犠牲者が出ることである。ふだんのおとなしさからは信じられないほど水かさが上がった、ものすごい奔流。その高さはすでに目線を越え、今にも堤防を乗り越えようとしている。圧倒的な迫力だ。目前を大木が根こそぎ流されて行き、橋の橋脚に激突する。大岩がゆっさゆっさと転がっていく。泥水の比重は非常に重く、相対的に岩が軽くなる現象だ。

Photo_2  このように見とれていると、ふしぎなことに何だか水の中に引き込まれそうになるのだ。少なくとも近寄って、よくよく見たいという思いにかられる。そんな時、誰かが上流の方から叫んでくる。「流された、助けてあげて!」・・・・普段なら飛び込んで助けてあげられそうだが、実はこの洪水時の泥流は非常に危険で、渦巻く流れは誰にも逆らえないし、まともに泳ぐことができないと聞かされている。つまり飛び込むのは、自殺行為なのだ。ロープや竹竿の備えがない者は、助けることが出来ない。

 いつ堤防が決壊するか、不安と緊張の中、電灯もつかないので懐中電灯とかローソクを頼りに夜を過ごした・・・・・そんな台風の夜は忘れることは出来ない。今夜の船橋の台風は、余りにもその緊張感がないのだが・・・・・ ケパ

 
コメント
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