午前中、インドの写真のRAW現像など。
午後から京都三条のギャラリー射手座へ吉田重信さんの作品展「臨在の海」を見に行く。
吉田さんは福島県いわき市在住で、今回の震災と原発事故によって一時は避難していたが、現在は自宅へ戻っているという。
会場には白菊がびっしりと敷きつめられ、中に入ることはできない。
ああ、この菊の花は震災で亡くなった人への慰霊なのだな。
じっと見ていると、奥の方に10センチほど背の高い菊が並べられていることに気づく。
それが押し寄せる津波のように見えて不気味だ。
だが左隅に赤いライトがあって、それが会場内の唯一の照明となっているのがこの作品のポイントだと思う。
本人さんがいらしたので少し話をする。
じつはこの作品は震災前からすでにこういう形にすることは計画されていて、慰霊のつもりで考えたのではないという。
でも震災のあと、赤いライトが付け加えられたそうだ。
なるほど、やはりあの赤い灯は希望の光なのだな。
ギャラリー射手座はきょうで閉廊する。
さいごの締めくくりという意味も含めて、メタファーの効いたインスタレーションであった。
つづいてニュートロン京都で西川茂さんの作品展「in between」を見る。
ここはギャラリーではなくカフェの奥に設けられたスペースを使った展示会場だ。
そのなかに入って見ることもできるし、カフェの方からお茶をのみながらゆったりと見ることもできる。
西川さんの作品は1辺40センチくらいの正方形のカンバスに、きれいなグラデーションの彩色がされている。
離れて見ると、その1枚1枚がタイルのように壁面を飾っていて、とても気持ちのいい空間になっている。
作品にどんどん近づいていくと、カンバスのなかに小さなトンボが2匹飛んでいた。
いや、待てよ、1匹はトンボじゃなくてヘリコプターだ。
あまりにも小さい(1センチくらい?)のでちょっと離れるともう見えなくなるのだけど、たしかに1枚1枚に2つずつ描かれている。
近づいて1枚のカンバスを1つの作品として見ると、それは夕焼け空に飛ぶトンボとヘリコプターの具象画なのだが、それが集合して大きな壁面となったときには美しい抽象画に変貌する。
まさに具象画と抽象画の「間」を行き来する、おもしろい作品だ。
そしてトンボ(自然)とヘリコプター(人工物)との間をもかるがると超越する、スケールの大きさをもった作品でもある。
ニュートロン京都も今月いっぱいで閉廊するらしい。
夕食は妻と近くの居酒屋へ飲みにいく。
午後から京都三条のギャラリー射手座へ吉田重信さんの作品展「臨在の海」を見に行く。
吉田さんは福島県いわき市在住で、今回の震災と原発事故によって一時は避難していたが、現在は自宅へ戻っているという。
会場には白菊がびっしりと敷きつめられ、中に入ることはできない。
ああ、この菊の花は震災で亡くなった人への慰霊なのだな。
じっと見ていると、奥の方に10センチほど背の高い菊が並べられていることに気づく。
それが押し寄せる津波のように見えて不気味だ。
だが左隅に赤いライトがあって、それが会場内の唯一の照明となっているのがこの作品のポイントだと思う。
本人さんがいらしたので少し話をする。
じつはこの作品は震災前からすでにこういう形にすることは計画されていて、慰霊のつもりで考えたのではないという。
でも震災のあと、赤いライトが付け加えられたそうだ。
なるほど、やはりあの赤い灯は希望の光なのだな。
ギャラリー射手座はきょうで閉廊する。
さいごの締めくくりという意味も含めて、メタファーの効いたインスタレーションであった。
つづいてニュートロン京都で西川茂さんの作品展「in between」を見る。
ここはギャラリーではなくカフェの奥に設けられたスペースを使った展示会場だ。
そのなかに入って見ることもできるし、カフェの方からお茶をのみながらゆったりと見ることもできる。
西川さんの作品は1辺40センチくらいの正方形のカンバスに、きれいなグラデーションの彩色がされている。
離れて見ると、その1枚1枚がタイルのように壁面を飾っていて、とても気持ちのいい空間になっている。
作品にどんどん近づいていくと、カンバスのなかに小さなトンボが2匹飛んでいた。
いや、待てよ、1匹はトンボじゃなくてヘリコプターだ。
あまりにも小さい(1センチくらい?)のでちょっと離れるともう見えなくなるのだけど、たしかに1枚1枚に2つずつ描かれている。
近づいて1枚のカンバスを1つの作品として見ると、それは夕焼け空に飛ぶトンボとヘリコプターの具象画なのだが、それが集合して大きな壁面となったときには美しい抽象画に変貌する。
まさに具象画と抽象画の「間」を行き来する、おもしろい作品だ。
そしてトンボ(自然)とヘリコプター(人工物)との間をもかるがると超越する、スケールの大きさをもった作品でもある。
ニュートロン京都も今月いっぱいで閉廊するらしい。
夕食は妻と近くの居酒屋へ飲みにいく。