Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

カメラの芸術品 ライカMモノクローム登場

2012年05月15日 | Camera
先週末に発表されたライカMモノクロームは贅沢の極みのようなカメラだ。
なぜかというと、なまえが示すとおりモノクロ専用のデジカメだからだ。
カラー写真は撮れない。

ふつうのデジカメはピクチャースタイルとかフィルター類のなかに「モノクロ」というモードが付いていて、それに設定することによってカラー画像のデータをカメラ内でモノクロに変換する。
あるいは少し上級者になると、フォトショップなどのレタッチソフトでカラーからモノクロに変換することもあろう。
いずれにしてもカラーつまりR・G・Bの3色の色味(彩度)を落としてグレーのトーンに変換するのである。



話が前後するが、デジカメのイメージセンサに配置されているフォトダイオードは、じつは光の強さにしか反応しない。つまり被写体の輝度が高いか低いか(明るいか暗いか)しか判らない。
ではどのようにしてRGBデータを得るか(色を判定するか)というと、光にはいろんな波長が含まれているので、フォトダイオードの前にRとGとBのフィルターを付けて、それぞれの波長の強さを感じているのである。上の模式図でいうと、左上のRフィルターを通ってきた光には当然GとBの光は含まれず、その下のGフィルターにはRとB、そのとなりのBフィルターにはRとGの光は含まれない。
ということは、たとえば1200万画素のデジカメのイメージセンサで、Rの光を受けている(感じている)フォトダイオードは全体の1/4の300万画素だけで、Gは1/2の600万画素、Bは1/4の300万画素ということになる。(これは一般的なベイヤー方式のイメージセンサの話で、シグマなどがつくっているフォビオン方式とはちがう)
したがってGフィルターの付いている部分のRとBの光の強さは判らないので、じつはカメラが予想してR(B)データをつくりだしているのである。
このような補完作業がカメラ内でおこなわれている。

さて、前置きが長くなったが、モノクロ専用機であるライカMモノクロームのイメージセンサはRGBの光を区別する必要がないから、フォトダイオードの前にカラーフィルターなど付いていない。
このカメラのイメージセンサは1800万画素なので、1800万個のフォトダイオードで受けた光が(ベイヤー方式のような補完作業をせず)そのままカメラ内に吸い込まれるわけだ。
ライカのウェブページでダウンロードできるサンプル画像を見ると、コイツが吐き出す画像はおそろくシャープだ。100パーセントに拡大しても解像感が損なわれない。まるで大型カメラで撮ったようなシャープさなのである。

日本のデジカメがどんどん高画素化・多機能化するのに対し、このカメラは逆に機能を削ぎ落し、使う場面(人)を限定することで高次元の画像を産み出す。ものづくりの発想がまったくちがう。
ライカはこのカメラを「モノクロ写真の芸術性を探求する世界初のカメラ」と謳っているが、もうこのカメラ自体が芸術だ。こんな潔いカメラをつくれるライカってやっぱりすごいと思う。

たのしい季節のはじまり

2012年05月13日 | Life
朝一番にバイクのオイル交換にいく。
エンジンオイルはだいたい3000~5000キロで交換するのがよいそうだが、あまり走っていなくても酸化してくるので1年に1回は入れ替えた方がいいらしい。
いつもチョイ乗りにしか使わないので、すっかり交換するのを忘れていた。
前回交換したのはなんと5年もまえだった。



オイル交換のついでに、空気圧とチェーンの伸びも点検してもらう。とくに異常はなし。
バイクって乗らないで放っておくと、すぐに調子が悪くなる。
久しぶりに乗ったりすると、だだっ子のようになかなか言うことを聞いてくれないものだ。
やはり道具というものはこまめに手入れしてやらないとダメなのである。
カメラと同じだね。



バイク屋さんを出て、そのまま大泉緑地まで走る。
きょうはいい天気なのでバーベキューをたのしむ客でいっぱいだ。肉の焼けるいいにおいがする。
大きな池を1周して写真を撮って帰ってくる。

バイクは好調。さあ、たのしい季節がはじまる。

写真界の綾小路きみまろ

2012年05月12日 | Photography
大阪十三のブルームギャラリーでいま「Two in One in England」という写真展を開催中である。
だれの写真展かというと、わたしの大好きなハービー・山口氏とヨーガン・シャドバーグ氏の二人展だ。
ヨーガン・シャドバーグっていったいだれ? 聞いたことないな。
なんて思ってたら、若き日のハービー氏がロンドンでめぐりあった写真家で、じつは彼の師匠というか育ての親的存在の人だった。
その恩返しの意味もこめてシャドバーグ氏の写真を日本で紹介するために、この写真展をやっているらしい。



本日はハービー氏をギャラリーに招いてのトークイベントだ。
だが予約の人数が多いため、急遽シアターセブンに場所を替えて行なわれることになった。
わたしはハービー氏の写真集は何冊か持っているが、本人さんに会うのははじめて。
62歳には見えない若々しい表情にまずおどろく。
そしてジョークたっぷりの話っぷりで、みんなが笑いの渦に巻き込まれたとき、「わたくし、写真界の綾小路きみまろと呼ばれております」とトドメを刺す。
こんなにトークのうまい写真家をはじめて見た。

だがそうやって会場をなごやかなムードにしたあと、一転、自分のおいたちを語りだす。
生後2ヶ月で重い病気を患い、子供のころずっと病弱でつらい生活をしていたというお話で、これには衝撃を受けた。
ハービー氏の写真があんなにも温かくて、見るものの心を癒したり勇気づけるのは、彼自身こんなきびしい体験があったからこそなのだった。
だれにでもつらい体験やコンプレックスはある。それを逆に表現する力に変えばいいとハービー氏はいう。
そういう体験のなかから自分が本当に撮りたいテーマが生まれてくるのだという。
自分の心に正直に撮っていけば必ずいい写真が撮れるともいった。
そしてあきらめずに続けること。あきらめない者が成功する。
なんか泣きそうなほど、いい話だった。

ほかにも被災地での撮影の話やライカの話など、おもしろい話をたくさん聞けたし、さらにスライドショー2本(これがまたよかった!)まで観せていただいた。
ホントにあっという間の2時間で、写真と同様、とても元気をもらったトークイベントであった。

カメラにも人格がある

2012年05月11日 | Camera
一ヶ月ほどまえFさんからカメラ選びの相談を受け、いろいろ調べたり、カメラを見に行ったりもした。
そしてきょう「カメラが届きましたー!」とメールが来た。
彼女が射止めたカメラはなんとルミックスLX5。つい最近までわたしが使っていたカメラだ。
でもこれはわたしが奨めたのではなく、ご自分で何度もカメラを見に行って見つけてきたのである。
後日、わたしが使っていたことを知り、その偶然に驚いていたくらいだ。
高性能で使いやすいカメラなので、とてもいい選択だと思う。

彼女のカメラ選びにつき合って、今回いろんなカメラを見たり触ったりしたが、あらためてカメラというのはおもしろい道具だと思う。
どんな道具にも作り手の意思とか個性が反映されるものだと思うけど、やはりカメラにもそういうものがあって、大げさにいえば「人格」のようなものを感じる。
昔からよくいわれる「ニコンは質実剛健」という人格分析はいまも変わらず生きていて、カメラの細部にまで頑固オヤジの気質を感じてしまう。
たとえばニコンの一眼レフ機は手に取ってシャッターを切ってみればすぐわかるけど、その音がいい。
まあ好みの問題かもしれないが、キビキビとした締まった音がする。ほかのメーカーとは明らかにちがう。
シャッターの音なんて画質にはなにも関係ないはずだが、ニコンはそんなところにもこだわりをもってカメラをつくっている。

ニコン1 V1の機械式シャッターの音も悪くない。
ボディの内部でフォーカルプレーンがしっかり働いている手応えと音がするのは、「よし、いい写真が撮れた」という安心感や満足感を生む。
だからよほどのことがないかぎり、わたしは撮ったあとに画像を確認したりはしない。(液晶モニタを消灯しているので自動再生されない)
これがテンポよく撮れる秘密で、つまりはシャッター音が撮影に大きく関わっているという話。
あれっ、カメラの人格の話からずいぶん脱線した。

脱線ついでに、わたしがいままで出会ったカメラのなかで、もっとも美しい音のするカメラをあげるなら、まちがいなく「ライカM3」だ。
調子の良いM3のシャッターの切れる音は、シャッター幕が金属ではなく布製なので非常にしずかで柔らかい。
右の頬に伝わるシャッター幕の閉じるときのわずかな振動も心地いい。
いまのデジカメにはない感触と音である。



ともあれ自分に合ったカメラとめぐり会うことは、人生において大きな幸せだと思う。

笑いながら「たのしく」走る

2012年05月08日 | Life
マラソンの実況解説などによく出てくる金哲彦氏によると、「体幹」の筋肉を鍛えることで、体がブレなくなってフォームが安定し、速く走れるそうだ。
体幹とは文字どおり体の「幹」のことで、つまり足や腕以外の胴体のことをいう。
胴体の筋肉といえば、まず思いつくのが腹筋と背筋。
それから骨盤を支えるお尻の筋肉や腕を支える肩甲骨の筋肉など、走ることと一見関係のないような筋肉がじつは大切らしい。
そして腹の奥にある腸腰筋(ちょうようきん)こそが体幹を支えるカナメの筋肉で、ここを鍛えるのが重要だという。
そういえば情熱大陸で藤原新も専門のトレーナーをつけて、この体幹を鍛えていたな。

金氏の教えに従って、今年からわたしも走るまえに必ず体幹エクササイズをおこなっている。
はじめはきつかったけど最近はずいぶん慣れてきた。
約10分間、このエクササイズをすると「さあ、走るぞ」というスイッチが入るのがいい。



きょうも大阪城の外堀と内堀を組み合わせたコースを走る。
体幹を鍛えているおかげか、たしかにフォームが安定してきた気がする。
着地した足のうえに上半身がのり、頭の先から足まで一本の線になっているイメージで走るのがいいフォームらしい。
じっさいはどうなってるか、ビデオでも撮らないとわからないけど。

それから体幹とは関係ないけど、わたしは走っていて苦しいときには笑うようにしている。
苦しくなるとつい口がヘの字になって逆に呼吸がしにくくなるし、歯を食いしばると肩に力が入って腕の振りが悪くなることが多い。
だからホントは笑うのではなく、頬の筋肉を上げながら口を広げてたくさん空気を吸うようにしている。
そして心の中で「たのしい、たのしい、ああ、たのしい」と唱えながら雁木坂を駆け上がるのである。ドMだね。

藤原新氏いわく「マラソンは単調な練習をただ淡々とくり返す。それだけ」
涙ぐましい努力の積み重ねで、きょうは4周目にこれまでで最高のラップタイムを記録した。よしっ