先週末に発表されたライカMモノクロームは贅沢の極みのようなカメラだ。
なぜかというと、なまえが示すとおりモノクロ専用のデジカメだからだ。
カラー写真は撮れない。
ふつうのデジカメはピクチャースタイルとかフィルター類のなかに「モノクロ」というモードが付いていて、それに設定することによってカラー画像のデータをカメラ内でモノクロに変換する。
あるいは少し上級者になると、フォトショップなどのレタッチソフトでカラーからモノクロに変換することもあろう。
いずれにしてもカラーつまりR・G・Bの3色の色味(彩度)を落としてグレーのトーンに変換するのである。
話が前後するが、デジカメのイメージセンサに配置されているフォトダイオードは、じつは光の強さにしか反応しない。つまり被写体の輝度が高いか低いか(明るいか暗いか)しか判らない。
ではどのようにしてRGBデータを得るか(色を判定するか)というと、光にはいろんな波長が含まれているので、フォトダイオードの前にRとGとBのフィルターを付けて、それぞれの波長の強さを感じているのである。上の模式図でいうと、左上のRフィルターを通ってきた光には当然GとBの光は含まれず、その下のGフィルターにはRとB、そのとなりのBフィルターにはRとGの光は含まれない。
ということは、たとえば1200万画素のデジカメのイメージセンサで、Rの光を受けている(感じている)フォトダイオードは全体の1/4の300万画素だけで、Gは1/2の600万画素、Bは1/4の300万画素ということになる。(これは一般的なベイヤー方式のイメージセンサの話で、シグマなどがつくっているフォビオン方式とはちがう)
したがってGフィルターの付いている部分のRとBの光の強さは判らないので、じつはカメラが予想してR(B)データをつくりだしているのである。
このような補完作業がカメラ内でおこなわれている。
さて、前置きが長くなったが、モノクロ専用機であるライカMモノクロームのイメージセンサはRGBの光を区別する必要がないから、フォトダイオードの前にカラーフィルターなど付いていない。
このカメラのイメージセンサは1800万画素なので、1800万個のフォトダイオードで受けた光が(ベイヤー方式のような補完作業をせず)そのままカメラ内に吸い込まれるわけだ。
ライカのウェブページでダウンロードできるサンプル画像を見ると、コイツが吐き出す画像はおそろくシャープだ。100パーセントに拡大しても解像感が損なわれない。まるで大型カメラで撮ったようなシャープさなのである。
日本のデジカメがどんどん高画素化・多機能化するのに対し、このカメラは逆に機能を削ぎ落し、使う場面(人)を限定することで高次元の画像を産み出す。ものづくりの発想がまったくちがう。
ライカはこのカメラを「モノクロ写真の芸術性を探求する世界初のカメラ」と謳っているが、もうこのカメラ自体が芸術だ。こんな潔いカメラをつくれるライカってやっぱりすごいと思う。
なぜかというと、なまえが示すとおりモノクロ専用のデジカメだからだ。
カラー写真は撮れない。
ふつうのデジカメはピクチャースタイルとかフィルター類のなかに「モノクロ」というモードが付いていて、それに設定することによってカラー画像のデータをカメラ内でモノクロに変換する。
あるいは少し上級者になると、フォトショップなどのレタッチソフトでカラーからモノクロに変換することもあろう。
いずれにしてもカラーつまりR・G・Bの3色の色味(彩度)を落としてグレーのトーンに変換するのである。
話が前後するが、デジカメのイメージセンサに配置されているフォトダイオードは、じつは光の強さにしか反応しない。つまり被写体の輝度が高いか低いか(明るいか暗いか)しか判らない。
ではどのようにしてRGBデータを得るか(色を判定するか)というと、光にはいろんな波長が含まれているので、フォトダイオードの前にRとGとBのフィルターを付けて、それぞれの波長の強さを感じているのである。上の模式図でいうと、左上のRフィルターを通ってきた光には当然GとBの光は含まれず、その下のGフィルターにはRとB、そのとなりのBフィルターにはRとGの光は含まれない。
ということは、たとえば1200万画素のデジカメのイメージセンサで、Rの光を受けている(感じている)フォトダイオードは全体の1/4の300万画素だけで、Gは1/2の600万画素、Bは1/4の300万画素ということになる。(これは一般的なベイヤー方式のイメージセンサの話で、シグマなどがつくっているフォビオン方式とはちがう)
したがってGフィルターの付いている部分のRとBの光の強さは判らないので、じつはカメラが予想してR(B)データをつくりだしているのである。
このような補完作業がカメラ内でおこなわれている。
さて、前置きが長くなったが、モノクロ専用機であるライカMモノクロームのイメージセンサはRGBの光を区別する必要がないから、フォトダイオードの前にカラーフィルターなど付いていない。
このカメラのイメージセンサは1800万画素なので、1800万個のフォトダイオードで受けた光が(ベイヤー方式のような補完作業をせず)そのままカメラ内に吸い込まれるわけだ。
ライカのウェブページでダウンロードできるサンプル画像を見ると、コイツが吐き出す画像はおそろくシャープだ。100パーセントに拡大しても解像感が損なわれない。まるで大型カメラで撮ったようなシャープさなのである。
日本のデジカメがどんどん高画素化・多機能化するのに対し、このカメラは逆に機能を削ぎ落し、使う場面(人)を限定することで高次元の画像を産み出す。ものづくりの発想がまったくちがう。
ライカはこのカメラを「モノクロ写真の芸術性を探求する世界初のカメラ」と謳っているが、もうこのカメラ自体が芸術だ。こんな潔いカメラをつくれるライカってやっぱりすごいと思う。