ライカM2の修理が遅れているので、替わりにニコンFM2を使っていることはまえに書いた。
だがFM2に24-85ミリズームを付けると重量バランスが非常にわるい。やはり重いレンズは重いボディに付けなければダメだ。
そこで重いカメラをヤフオクで物色していたら、よさげなニコンF4を発見!
F4を「エフフォー」と読めば米軍の戦闘機を想起するが、「エフよん」と読むならニコンのカメラを意味する。
ちなみに「エフスー」なら台湾のアイドルユニットになるらしいが、それはともかく。
F4が発売されたのは1988年であるから、いまからちょうど四半世紀まえになる。
すでにオートフォーカスのカメラは登場していたが、プロ機としてはじめて実用となるAFが装備された記念碑的なカメラだ。
当時の報道カメラマンはほとんどがこのF4を使っていたのではないか。もっともプロはAFよりもマニュアルで合わせていたというが。
見つけたオークションに迷わず入札すると、競売にもならず(つまり入札者はわたしだけ)あっさり落札してしまった。
いまどきF4を使おうなんていう人はだれもいないのか。
さて、届いたF4を手にして、まずその大きさと重さにおどろいた。
24-85ミリのズームレンズを付けるとバランスはとてもいいけど、総重量は1800グラムにもなった。
当時のカメラマンはこれを2台(しかもバッテリーグリップとストロボ付きで)持って仕事をしてたわけだから、相当タフじゃないと勤まらなかっただろう。
わたしのような腕力のないカメラマンにはぜったいムリだ。
シャッターを切ると、精密感のあるキビキビとした音がする。思ってたほど大きな音ではなく意外と静か。
それに一眼レフ特有のミラーが跳ねあがるときの振動がほとんど感じられない。
くわしい構造はわからないけど、ニコンはもうこのころからミラーショックを抑えるバランサーを入れていたのか。
ボディの重さも手伝って、これなら1/15秒でもブレる気がしない。
さすがはニコン、腐ってもF一桁機である。
測距点は中央に1つだけだが、オートフォーカスの速さは十分だ。
ただし暗いところやコントラストの低い部分では合焦しにくいので、合わせやすいところを見つけてロックする必要がある。
またファインダーが非常にクリヤで見やすいので、マニュアルフォーカスで合わすのも苦にならない。
その場合、(レンズにもよるが)フォーカスエイド機能が使えるので便利だ。
このカメラの最大の特徴はボディのどこにも液晶パネルがないことだ。
いまのカメラはボタンを押しながらダイヤルを回し、液晶パネルの数字をセットするものが多いけど、このF4は各ダイヤルやスイッチに書かれた数字を見ながらセットする直読式なので、そこがアナログ感覚でわたしは気に入っている。
いやあ、このカメラ、なんかメカっぽくていいなあ。
この戦闘機のようなカメラで、どんな過激な絵が撮れるのだろう。たのしみだ。