今週山はお休みです。
横浜ウォーキング、今年も表彰状を頂きました。
毎日しっかり歩いた結果です、続けていないともらえないものです。
地球一周ウォーキングも残り5000kmを割りました。
約250km/月歩いているから残り2年足らずで達成です。
今年の芥川賞は二作が受賞しました。
松永K三蔵作の「バリ山行」について感想を・・・。
まずペンネームですが、家族の名前をいろいろ借りての命名です。
「三蔵」母方の祖父の名前、名字も親族に由来する名前で、
「K」家族や親族に多いファーストネームのイニシャルから取った。
受賞作の『バリ山行』のテーマは登山です。
「バリ」とはバリエーションルートの事です。
【受賞者インタビューから】
六甲山が舞台です
建物を修繕する兵庫県内の会社に勤務している「私」は
会社の登山部に入り、六甲山などの低山を正規ルートで登っている。
その一方で先輩の妻鹿(めが)は一人でバリ山行に挑んでいる。
協調性がなく、リストラ候補になっている妻鹿の破天荒な「バリ山行」に
「私」が惹かれていくさまがが描かれています。
まずはその出で立ちから
砂地にポツポツと足跡をつけながら近づいてくる妻鹿(めが)さんは
少し変わった格好をしていた。 迷彩柄のブッシュハット、
上はサウナスーツのようなプルオーバーのウインドブレーカー
下はライトグレーのカーゴパンツ。
足首に脚絆を巻き、上履きのような薄い靴を履いている。
背中のザックの他に、胸にも小さなバッグを付けて。
肩のストラップからグローブを提げ、手にはピッケルを持っている。
その格好は六甲山に集まるハイカーとは明らかに異なっている。
バリルート、通常の登山道ではない道を行く。
破線ルートと呼ばれる熟練者向きの難易度の高いルートや廃道。
そういう道やそこを行くことを指すという。
「バリはさ、ルートが合ってるかじゃないんだよ。
行けるかどうかだよ。行けるところがルートだよ」
ボトルに詰めた滝の水コッヘルの中に入れ、バーナーを点け湯を沸かす
ザックの中からアルミの筒を取り出しコーヒー豆を取り出し、ザッグから小型の
ミルマシーンを出し、その中に豆を入れてコリコリと豆を挽いた。
「これがね最高なんだよ。誰も来ない、こんなところでコーヒーを
淹れてさ、この自然をひとり占めだよ。こんな贅沢なことある?」
私: 「なんで妻鹿さんはバリやってるんですか?」
妻鹿:「おもしろいからだよ」
「うまいです!妻鹿さん」
妻鹿さんもカップから口を離し、笑みを見せた。
「メジャーなルートの、ああいう峪もいいけど、こういう場所が
バリの醍醐味じゃないかな。何もないんだけど、だから誰もこないし。
あるとすればコレ、この空間だね。ここでこうしてコーヒー飲んでさ、最高でしょ」
逆なのだ、妻鹿さんは何か特別な風景を求めて登山道を外れ、
誰も立ち入らないような難所に足を踏み入れているのかと思っていたが、
そうではなく、誰もいない場所に足を行こうとして登山道を外れているのだ。
そうやって毎週末、山に入り、藪に分け入って、会社も、仕事のことも忘れ、
もしかしたら家族の問題も忘れ、ひとりコーヒーを飲んでいるのだ。
これが妻鹿さんの愉しみ。 END
山の楽しみ方はいろいろあるし、人によって違う。
こんな登山者にもあったこともあるが、私には出来ない。
せいぜい歩いても「破線ルート」を踏み跡を辿って歩くぐらいだ。
くれぐれも良い子は妻鹿さんのマネはしないように。
明日は葉加瀬太郎を聞いてきます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます