(原題:SPEED )94年作品。ヒットした映画で、ストーリーを詳述する必要もないだろう。主演のキアヌ・リーヴスとサンドラ・ブロックが一躍有名スターの仲間入りをした作品としても知られるが、今から思い起こすと、それよりもカメラマン出身のヤン・デ・ボン監督の個性が目立っていた映画だと思う。
カメラマン出身ということもあるのだろうが、台詞に頼らずに映像だけでドラマのシチュエーションを的確に説明してしまうテクニックは、当時のプロデューサーが残したらしい“映像が映画と一体化している”というコメントがピッタリだと思う。たとえば主人公2人がそれぞれ仕事の現場に出かける際、同じようにガムを噛み、同じようにドリンクを頼み、同じリズムで身体を動かしている様子を画面に確実に捉え、このまま2人が気の合う仲になることを暗示させる。

さらには、絶体絶命の状態において2人の表情を短いカットで交互に映し、微妙な心情の変化を表面化させる手法。そしてラスト近くの無数のガラスの破片が結婚式みたいに抱擁する2人に降り注ぐシーンに至っては、映像派として大見得を切った作者のドヤ顔が目に浮かんでくるようだ(笑)。
脚本の流れと作劇のテンポは文句なし。デニス・ホッパー扮する悪役もアクが強くてよろしい。佐藤純弥監督の「新幹線大爆破」(75年)との設定の類似性も指摘されたが、この作品の方が娯楽編として優れていると思う。
ヤン・デ・ボンは2003年の「トゥームレイダー2」以降の仕事は伝わってこない。今は何をしているのか分からないが、もしも元気に仕事が出来る状態であるならば、新作を撮って欲しいと思う。
カメラマン出身ということもあるのだろうが、台詞に頼らずに映像だけでドラマのシチュエーションを的確に説明してしまうテクニックは、当時のプロデューサーが残したらしい“映像が映画と一体化している”というコメントがピッタリだと思う。たとえば主人公2人がそれぞれ仕事の現場に出かける際、同じようにガムを噛み、同じようにドリンクを頼み、同じリズムで身体を動かしている様子を画面に確実に捉え、このまま2人が気の合う仲になることを暗示させる。

さらには、絶体絶命の状態において2人の表情を短いカットで交互に映し、微妙な心情の変化を表面化させる手法。そしてラスト近くの無数のガラスの破片が結婚式みたいに抱擁する2人に降り注ぐシーンに至っては、映像派として大見得を切った作者のドヤ顔が目に浮かんでくるようだ(笑)。
脚本の流れと作劇のテンポは文句なし。デニス・ホッパー扮する悪役もアクが強くてよろしい。佐藤純弥監督の「新幹線大爆破」(75年)との設定の類似性も指摘されたが、この作品の方が娯楽編として優れていると思う。
ヤン・デ・ボンは2003年の「トゥームレイダー2」以降の仕事は伝わってこない。今は何をしているのか分からないが、もしも元気に仕事が出来る状態であるならば、新作を撮って欲しいと思う。