第七話 『敗北』
深夜、男子大学生の横森が轢き逃げされ死亡。
目撃者の証言から車種を特定。
石川は霊で現れた横森から事情を聞く。
現場の先にある店でアルバイトをした帰りだと。
そして車を運転していたのはバイト先で見かけたことのある
政治家の息子だったとのこと。
石川と立花はその店へ聞き込みに。
政治家の息子は宇田川といい、父親は現職外務大臣であり、
警察官僚出身の前国家公安委員長だと判明。
そのせいか、すぐに捜査に圧力がかかる。
更に事件の裏で掃除屋と呼ばれる裏社会の
証拠隠滅請負人・神坂が暗躍していた。
事件の目撃者で協力的だった久島に会いに行く石川と立花。
すると供述を一転し、運転していたのは女性だったと言い出した。
ここにも既に圧力がかかっていたよう。
家族と会社を守るためだと・・・
「真実から目を背けて得た生活を
あなたの家族や従業員は誇れると思いますか!」
横森の遺体確認に来た母親は泣き崩れ、
必ず犯人を捕まえて下さいと息子の写真を石川に渡した。
しかし今度は横森のバイト先の店長までも証言を覆し、
宇田川は昨日は見せに来なかったと言い出した。
石川は店長ところへ行き掴みかかり、
撤回はいいから迷惑をかけないという条件で
宇田川の車に一緒に乗っていたと女性の話を聞かせて欲しいと。
一緒に乗っていた女性・滝川真奈と宇田川は
横森と同じ学校に通う学生だった。
真奈に会いに大学へ行った石川。
友人と一緒にいた真奈に横森の写真を見せ、
横森は君たちと同じようにもう笑うことも出来ないと言う。
「それを知ってお前はこれから先、ここで同じように笑えるか?」
真奈を追い詰めた石川だったが、
こへ宇田川が現れ真奈を連れて行ってしまう。
宇田川に車を調べればすぐに分かると脅しをかけるが、
車は3日前に盗難に遭ったと宇田川。
赤井の元へ行くと掃除屋が動いていると言われる。
車は既にスクラップ後か、探すだけ疲れて見つからないだろうと。
その代わり、各種犯罪に関わっている宇田川を
追い詰めるための情報を集めてくると赤井。
石川はそれに納得するが・・・
便利屋スズキが真奈に接触し揺さぶりをかける。
サイくん&ガーくんには事件当日のデータを調べてもらうが、
証拠となるようなものは一切見つからない。
そして事件は所轄に移されることに。
悔しさを隠せない立花。
石川は被害者の無念を晴らしたいだけだと市倉に言うが、
最近の石川の行動が心配で仕方ない市倉は手を抜けと。
「これだけは忘れるな。
強い光が差すところには必ず濃い影も浮かぶもんだ。
影に飲み込まれるなよ。」
翌日、真奈が部屋で首吊り自殺しているのが発見された。
現場に向かおうとする石川を止めたスズキ。
真奈は罰を受けたと思えばいいと、そしてこの件から手を引くと言った。
「ビビったのか?」
「ええ。 あなたにね。」
頭が冷えた頃また会いましょうと言い去って行くスズキ。
サイくん&ガーくんから連絡が入り、
コインパーキングに停めていた宇田川の車の映像を発見したと。
石川は携帯に送ってくれと頼む。
その時、目つきの悪い不審な男に出くわす。
その男こそが神坂だった。
石川が粋がれば粋がるほど被害者が出ると神坂。
格闘になる2人。
そこへ丁度警邏中だった警官がやって来て、
なんとか神坂を取り押さえ、公務執行妨害で逮捕した。
しかし警官がタイミングが良く現れたことを不審に思った石川は、
何故ここに来たのかと警官に聞くと、
5分程前にここで喧嘩をしている奴がいると通報があったとのこと。
留置所にいる神坂のところへ行く石川。
「どうして手を抜いた? とどめを刺せたはずだろう?」
「喧嘩に負けたのが悔しいんですね。
いいですね。 男の子はそうでなくっちゃ。」
「事前に通報したのもお前か? なんでだ。」
「今 何時ですか?」
「3時半だ。 それがどうかしたか?」
「飛行機のフライトの時間が2時だったんですよ。
今頃あなたが捜している人物は雲の上です。」
「俺を足止めするためにワザと挑発したのか。」
「私を表舞台に出したのはあなたが初めてです。
楽しかったですね。 でも今回は私の勝ちです。」
宇田川の情報をよこせと赤井に迫る石川。
赤井はこれ以上は無駄だと、
罰する者がいなくなったのでどうしようもないと。
関係ないと言う石川だったが赤井が一喝。
「お前と一緒に泥の船に乗って沈むつもりはないんだよ!」
石川はサイくん&ガーくんに宇田川の嘘の情報をネットで流せと。
「世論を動かして逮捕に持って行くんだ。」
「嘘を拡散するってことですか?」
「あいつを罰するにはそれしかないんだ。」
「嘘を流して逮捕出来なかったら?
社会的制裁にもなるから一石二鳥ってことですか?
つまり、僕たちを使ってリンチしようってことでしょ?」
そう言い、部屋の電源を落とすサイくん&ガーくん。
もう何も出来ない石川は悔しさだけが残る。
そこへ横森が現れた。
「すまない。 奴を逃がしてしまった。」
「いいんです。
あなたは僕みたいな無力の人間のために必死で動いてくれた。
それだけで充分です。」
「いつか奴を捕まえたら・・・これを君のお母さんに返すよ。」
母から渡された横森の写真を手に取る石川。
頷く横森。
「その時に、僕の伝言も一緒に伝えてもらえますか。
体に気をつけて、僕の分まで長生きしてくれって。」
「必ず伝える。」
「ありがとうございます。」
そして横森は消えた。
石川は涙を拭き前を見つめる。
タイトルが『敗北』だっただけに、
今回の結末はある程度予想したものではあったけど、
それでもやはり逮捕出来なかったのは悔しい。
きっとこんなこと現実にあるんだろうな・・・と思ったりなんかした。
横森くんがいい子だっただけに余計後味の悪い事件になったな~。
次回は石川が撃たれた事件に迫る!?
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