九州から戻った翌日、つまり昨日は、
横浜ベイサイドマリーナ沖で、
こんなゴキゲンな、
オランダ製の帆装艇でのセーリング仕事。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/ce/21ee2f5cd95e6c82fcb10ff969176e74.jpg)
photo by Yuji Futami / Kazi
開国を間近に控えた近代日本が、
海運王国へと発展していく端緒を開くのに
大きく貢献した国、オランダ。
(白石一郎著『海の夜明け』参照)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/75/936c2f8a565187c2436bb55f4e85e2c1.jpg)
そのオランダ人の子孫たちが造った帆装艇を、
その日本人たちの子孫であるワタクシが
現代の日本の海で走らせる。
思えば浪漫があり、感慨深くもある、
ような気がしてくる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/00/d165676aadd4232bf244ad098d384646.jpg)
photo by Yuji Futami / Kazi
多くの人たちが街の中の仕事で暑さに苦しんでいる中、
涼やかな風が吹きわたる東京湾で楽しんだツケで、
これから何日かは、
多くの人たちがスヤスヤと眠っている深夜、
この艇を紹介するレポート書きに苦しむことになります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/dd/4212f5903f7ff1ffff735c99d610128b.jpg)
photo by Yuji Futami / Kazi
この艇でのセーリングのあと、
弊社で帆装への改造をお手伝いしたこの艇を訪ね、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/0d/ba10e57ec82d9a1536ddde111af96fe7.jpg)
Kオーナーのいつもの有難いおもてなしで、
冷たいビール&ワイン&おいしい料理。
真夏の大汗をかきながらの熱いおでんが、
意外な暑気払い。
冷たい北風の冬の夜、
屋台のコップ酒片手に、ハフハフ言いながら食べるおでんもオツだけど、
暑い夏の日射しの中、
火傷しそうなくらい熱々の大根やコンニャクを口に放り込み、
それを追いかけるようにして
キンキンに冷えたビールをのどに流し込むのも、こたえられない。
その後マリーナでシャワーを浴びてさっぱりし、
夕方になった横浜の街まで出て、
練習帆船日本丸の船長だった
A宮キャプテンと、深夜まで語り合う。
*
一昨日までの九州出張の合間に、
北九州小倉の実家に戻ってきた。
小倉の街中を流れて関門海峡にそそぐ紫川の上流。
夏休みはこの川の、この堤で、よく泳いだなあ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/fe/48730ecf291ee79260c4dc51defd0bdf.jpg)
夕方、涼しくなってから
高校時代の悪友たちと会うために、
旦過市場(たんがいちば)を通り抜ける。
夕食の買い物に行く祖母にくっついて
子どもの頃から通い慣れた市場。
当時の小倉では『貝柱』とだけ呼ばれていた平貝の貝柱の、
あのサクサクした歯ざわりが好きで好きで、
祖母が贔負にしていた魚屋さんで、
あれば必ず買ってもらっていた。
今のような高級食材ではなく、庶民の食べ物だったんだよな。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/6a/619dd50651696cac9059c300acbb9dc3.jpg)
その頃、年の瀬が迫ると、
正月用の料理に使う水菜や京野菜を売る
露天商の人たちの店が、この橋の上にたくさん並んだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/ab/a178abd258d3e88144ae34a966e7dc92.jpg)
松本清張氏のエッセイを読むと、
赤貧の時代の松本清張氏と父上は、
ここに野菜を並べたり屋台を出したりして
暮らしを立てていたらしい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/ca/02994b7edc519403fb9688ded8e5c309.jpg)
関東に帰る日、
小倉城の城壁の中にある八坂神社に母とお参りしたあと、
外堀を出ると、植木職人さんたちが城壁の草取りをしていた。
ボートを2隻、横に繋いでダブルハル(双胴)にして、
その上にデッキを渡し、刈り取った草を載せている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/18/5b240ee768fc97392231c900056bb62f.jpg)
九州北部では、筑後川上流の温泉地・日田の、
鵜飼を見物し、鮎料理を楽しむ屋形船も、
川平(かわひらた)と呼ばれる和船を二つ並べてダブルハルにして、
その上に座敷の屋台を載せたもの。
ダブルハルは、アメリカズカップに採用されるよりもずっと前に
すでに古い時代の日本では当たり前のものだったんだよね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/8c/059aa8941bc4781adbd8e0265ffb90a4.jpg)
photo: America's Cup Image Bank
ダブルハルの本家である日本含めた太平洋圏の民族が参加しない
アメリカズカップなんてね、
日本が参加しない柔道の世界選手権みたいなもの。
とかいう負け惜しみを言うのは、
みっともないことなのかな。
先々週の、Team Nishimura Projectでの沖縄遠征の
眼目だったサバニも、
ヤギなどの家畜を運んだりするときは、
ダブルハルにしていたらしい。
今年のそのサバニレース、古式部門は
そんな、いろんなサバニの話をしてくれる
糸満の船大工・大城清さんが造り、帆を操るえみ丸が
見事優勝。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/3a/dafa3c4f1f78b13c6eb6682465e7fc10.jpg)
photo by Atsushi Omori
総合優勝は、座間味島の青年集団が乗るざまみ丸。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/84/747e9f1b72846ba42cbe323a047da36b.jpg)
photo by Atsushi Omori
みごとにそろったエーク。
アウトリガーを高く上げた状態でサバ二を安定させる実力があるのだから
次は古式部門(アウトリガーなし、舵なし)での参加を期待したいもの。
こちらは船齢63年の、源丸のレース。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/41/6475d789c65635a41755ef0fa34920d7.jpg)
photo by Atsushi Omori
16海里強のレースを観戦させていただき、
とてもいい勉強をさせていただいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/de/c15ab44f4a5a5c72d5ef76d0490e398a.jpg)
座間味島・古座間味浜。
ここからサバニたちが那覇に向かってスタートする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/18/33c8d6ab3c23988225397f702e6b0295.jpg)
古座間味浜の海中を泳ぐ生物の身体の一部。
デジカメが古くて、被写体をつかまえられない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/da/487fb95b23192f09e6eb59325c9f8bfa.jpg)
朝6時20分の世界遺産、首里城の守礼門。
泊港の船員会館から歩いて
1時間弱とペットボトルの水2本を要した。すでに汗だく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/f9/33b3619abaf7b2d619f25a16cd4b5827.jpg)
来年のために修行に来た我々が
今年のサバニの本レースに出ると勘違いして、
座間味の美味しい食堂の御主人が
マリリンカップ前夜に特別に焼いてくれた
ひらやーちー。
ごめんなさい、来年は頑張って本レースに参加しますので。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/32/19b7115e13e87e3a8edfb263d9a25baf.jpg)
photo by Wataru Suzuki
マリリンカップを翌日に控え、
阿真ビーチから、レースコースを不安そうに見つめるO森とワタクシ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/04/241bbe22b8ae1b6020cfbd6774b9743c.jpg)
photo by Wataru Suzuki
今回の座間味島での我々の宿泊地、阿真ビーチで眠る4人。
黒いゴミ袋状態がワタクシ、その隣がS木さんの起床後、
青いシーツがR汰、青いシュラフO森。
海からの風が吹き付けるので、奥の薮から蚊が出て来られない。
快適。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/88/28222ef08c26d7578957915a3137f020.jpg)
また我々を鍛えて下さい、座間味島。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/c0/8e2f693b29d0ce8f00dfddbe15a3ee20.jpg)
次また早く乗りたいよ、フェリーざまみ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/49/0aaaad9ba20efeb2a878aba30dd12083.jpg)
じゃまた近いうちにね、沖縄。
明日は東京湾で早朝スタートの、
西洋型帆走艇でのレース。
逗子駅発のJR始発上り電車に乗らなければ、
明日乗る艇の出艇時間に間に合わない。
葉山から逗子に行くバスが動き始める前なので
歩いて逗子駅へ。
横浜ベイサイドマリーナ沖で、
こんなゴキゲンな、
オランダ製の帆装艇でのセーリング仕事。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/ce/21ee2f5cd95e6c82fcb10ff969176e74.jpg)
photo by Yuji Futami / Kazi
開国を間近に控えた近代日本が、
海運王国へと発展していく端緒を開くのに
大きく貢献した国、オランダ。
(白石一郎著『海の夜明け』参照)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/75/936c2f8a565187c2436bb55f4e85e2c1.jpg)
そのオランダ人の子孫たちが造った帆装艇を、
その日本人たちの子孫であるワタクシが
現代の日本の海で走らせる。
思えば浪漫があり、感慨深くもある、
ような気がしてくる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/00/d165676aadd4232bf244ad098d384646.jpg)
photo by Yuji Futami / Kazi
多くの人たちが街の中の仕事で暑さに苦しんでいる中、
涼やかな風が吹きわたる東京湾で楽しんだツケで、
これから何日かは、
多くの人たちがスヤスヤと眠っている深夜、
この艇を紹介するレポート書きに苦しむことになります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/dd/4212f5903f7ff1ffff735c99d610128b.jpg)
photo by Yuji Futami / Kazi
この艇でのセーリングのあと、
弊社で帆装への改造をお手伝いしたこの艇を訪ね、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/0d/ba10e57ec82d9a1536ddde111af96fe7.jpg)
Kオーナーのいつもの有難いおもてなしで、
冷たいビール&ワイン&おいしい料理。
真夏の大汗をかきながらの熱いおでんが、
意外な暑気払い。
冷たい北風の冬の夜、
屋台のコップ酒片手に、ハフハフ言いながら食べるおでんもオツだけど、
暑い夏の日射しの中、
火傷しそうなくらい熱々の大根やコンニャクを口に放り込み、
それを追いかけるようにして
キンキンに冷えたビールをのどに流し込むのも、こたえられない。
その後マリーナでシャワーを浴びてさっぱりし、
夕方になった横浜の街まで出て、
練習帆船日本丸の船長だった
A宮キャプテンと、深夜まで語り合う。
*
一昨日までの九州出張の合間に、
北九州小倉の実家に戻ってきた。
小倉の街中を流れて関門海峡にそそぐ紫川の上流。
夏休みはこの川の、この堤で、よく泳いだなあ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/fe/48730ecf291ee79260c4dc51defd0bdf.jpg)
夕方、涼しくなってから
高校時代の悪友たちと会うために、
旦過市場(たんがいちば)を通り抜ける。
夕食の買い物に行く祖母にくっついて
子どもの頃から通い慣れた市場。
当時の小倉では『貝柱』とだけ呼ばれていた平貝の貝柱の、
あのサクサクした歯ざわりが好きで好きで、
祖母が贔負にしていた魚屋さんで、
あれば必ず買ってもらっていた。
今のような高級食材ではなく、庶民の食べ物だったんだよな。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/6a/619dd50651696cac9059c300acbb9dc3.jpg)
その頃、年の瀬が迫ると、
正月用の料理に使う水菜や京野菜を売る
露天商の人たちの店が、この橋の上にたくさん並んだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/ab/a178abd258d3e88144ae34a966e7dc92.jpg)
松本清張氏のエッセイを読むと、
赤貧の時代の松本清張氏と父上は、
ここに野菜を並べたり屋台を出したりして
暮らしを立てていたらしい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/ca/02994b7edc519403fb9688ded8e5c309.jpg)
関東に帰る日、
小倉城の城壁の中にある八坂神社に母とお参りしたあと、
外堀を出ると、植木職人さんたちが城壁の草取りをしていた。
ボートを2隻、横に繋いでダブルハル(双胴)にして、
その上にデッキを渡し、刈り取った草を載せている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/18/5b240ee768fc97392231c900056bb62f.jpg)
九州北部では、筑後川上流の温泉地・日田の、
鵜飼を見物し、鮎料理を楽しむ屋形船も、
川平(かわひらた)と呼ばれる和船を二つ並べてダブルハルにして、
その上に座敷の屋台を載せたもの。
ダブルハルは、アメリカズカップに採用されるよりもずっと前に
すでに古い時代の日本では当たり前のものだったんだよね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/8c/059aa8941bc4781adbd8e0265ffb90a4.jpg)
photo: America's Cup Image Bank
ダブルハルの本家である日本含めた太平洋圏の民族が参加しない
アメリカズカップなんてね、
日本が参加しない柔道の世界選手権みたいなもの。
とかいう負け惜しみを言うのは、
みっともないことなのかな。
先々週の、Team Nishimura Projectでの沖縄遠征の
眼目だったサバニも、
ヤギなどの家畜を運んだりするときは、
ダブルハルにしていたらしい。
今年のそのサバニレース、古式部門は
そんな、いろんなサバニの話をしてくれる
糸満の船大工・大城清さんが造り、帆を操るえみ丸が
見事優勝。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/3a/dafa3c4f1f78b13c6eb6682465e7fc10.jpg)
photo by Atsushi Omori
総合優勝は、座間味島の青年集団が乗るざまみ丸。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/84/747e9f1b72846ba42cbe323a047da36b.jpg)
photo by Atsushi Omori
みごとにそろったエーク。
アウトリガーを高く上げた状態でサバ二を安定させる実力があるのだから
次は古式部門(アウトリガーなし、舵なし)での参加を期待したいもの。
こちらは船齢63年の、源丸のレース。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/41/6475d789c65635a41755ef0fa34920d7.jpg)
photo by Atsushi Omori
16海里強のレースを観戦させていただき、
とてもいい勉強をさせていただいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/de/c15ab44f4a5a5c72d5ef76d0490e398a.jpg)
座間味島・古座間味浜。
ここからサバニたちが那覇に向かってスタートする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/18/33c8d6ab3c23988225397f702e6b0295.jpg)
古座間味浜の海中を泳ぐ生物の身体の一部。
デジカメが古くて、被写体をつかまえられない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/da/487fb95b23192f09e6eb59325c9f8bfa.jpg)
朝6時20分の世界遺産、首里城の守礼門。
泊港の船員会館から歩いて
1時間弱とペットボトルの水2本を要した。すでに汗だく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/f9/33b3619abaf7b2d619f25a16cd4b5827.jpg)
来年のために修行に来た我々が
今年のサバニの本レースに出ると勘違いして、
座間味の美味しい食堂の御主人が
マリリンカップ前夜に特別に焼いてくれた
ひらやーちー。
ごめんなさい、来年は頑張って本レースに参加しますので。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/32/19b7115e13e87e3a8edfb263d9a25baf.jpg)
photo by Wataru Suzuki
マリリンカップを翌日に控え、
阿真ビーチから、レースコースを不安そうに見つめるO森とワタクシ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/04/241bbe22b8ae1b6020cfbd6774b9743c.jpg)
photo by Wataru Suzuki
今回の座間味島での我々の宿泊地、阿真ビーチで眠る4人。
黒いゴミ袋状態がワタクシ、その隣がS木さんの起床後、
青いシーツがR汰、青いシュラフO森。
海からの風が吹き付けるので、奥の薮から蚊が出て来られない。
快適。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/88/28222ef08c26d7578957915a3137f020.jpg)
また我々を鍛えて下さい、座間味島。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/c0/8e2f693b29d0ce8f00dfddbe15a3ee20.jpg)
次また早く乗りたいよ、フェリーざまみ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/49/0aaaad9ba20efeb2a878aba30dd12083.jpg)
じゃまた近いうちにね、沖縄。
明日は東京湾で早朝スタートの、
西洋型帆走艇でのレース。
逗子駅発のJR始発上り電車に乗らなければ、
明日乗る艇の出艇時間に間に合わない。
葉山から逗子に行くバスが動き始める前なので
歩いて逗子駅へ。