日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

日の丸の話 2 (補足)

2011年07月22日 | 日記

先日書きました「日の丸の話 2」の補足をします。

1.先ず、アッシュールのエンブレムです。
  この出典は、 A General History for Colleges and High Schools by P. V. N. Myers published 1890. です。
  wikimedia も書いているように、この像には、推測と意匠が入っている可能性があります。
  しかしアッシュールのイメージは十分伝わります。

2.次に、エンブレムを描写していた文章を削除しました。

3.3番目に、「アッシリアのアッシュールとカナンのアシラの祖形は、シュメルの天の神アンシャルにあるように思え、もともと同一神です」と書いた所です。
  「同一神」と言い切るには、一方は男性の象徴、一方は女性の象徴と言われ、少し疑義が残ります。
  そしてこの疑問は常に私を悩ませます。
  
 
 a)古代の神々については、やはり、『旧約聖書』を頼りにするしかありません。
   「エレミア書」(46-25)は「テーベのアモン」というエジプトの神名を記します。
   この「アモン」をエジプトでは「アメン」といい、太陽神です。
   エジプトには「ラー」という古い太陽神があります。習合して「アメン・ラー」と称していたようです。(出典:wikipedia)

  b)メソポタミア・シュメルには「アン」という神格がありました。天を示す神名だったようです。(出典:wikipedia)

  c)『旧約聖書』・「列王記 下」ではアシラが青木を以て象徴的に表現されます。
   (但し、「エレミア書」(2-27)は、「彼らは木に向かって、”あなたはわたしの父です”と言い、また石に向かって”あなたはわたしを生んで下さった”と言う」と書いていますから、混乱があります)。
   注記すれば、女性をプリミティブにシンボライズするものは青木です。

  d)次に、アシラの神格を考えます。
   「列王記 下」(16-1~16-18)に、イスラエルの王ベカとシリアの王レヂンが同盟してユダ王国を攻めた時、
    ユダ王アハズは、アッシリアに臣下の礼を取り、援軍を要請します。アッシリアは要請を聞き入れ軍を送り、ダマスコでレヂンを殺し、
   イスラエル王国の人々を捕囚とします。このときアハズ王は、アッシリアの王と会うためにダマスコに行き、そこにあった(アッシリアの)神殿と同じものを、
   エルサレムの主の宮に作ります。このときこの神殿に祀った神名を「列王記 下」は記しません。普通に考えれば、アッシュールですが、私の想像では、
   アシラが祀られたのではないかと考えています。と云うのは、時代は下って、ユダ王国がバビロンの捕囚となるときの事を記している「エレミア書」は、
   「子どもらは、たきぎを集め、父たちは火をたき、女は粉をこね、パンを造ってこれを天后に供える」(7-18)、「彼らの愛し、仕え、従い、求め、また拝んだ、
   日と月と天の衆群」(8-2)と書いているからです。アシラはここでは天后として表現されています。
   このことから、アシラとアッシュールは同じ祖形を持っていたか(このことはアッシュールは、もともと都市アッシュールの地母神であったものが、都市の発展と王権の強化に伴い、或るとき、男性の象徴と軍神へと
   そのシンボルを変化させたのではないかという仮説となります)、或いは、父神アッシュールと母神アシラの習合が起こったのではないかということが考えられます。
   
   後者の場合、太陽が二つになってしまうのではないかだとか、或るときは父神、或るときは母神と、ご都合主義ではないかだとかの、不整合が生じてしまいます。
   しかし、後世での使用例を考えますと、「赤毛のアン」、「女王アン」のように「アン」は女性に使用されます。そして同時に、「太陽王ルイ14世」のように使う場合や、
   ギリシャ神話の「ヘリオス」、「アポロン」などを呼ぶ場合は、男性を象徴的に表現します。

  e)結論
    太陽は人物と歴史の背景によって男女何れもの神格を具えると考えるのが、常識的に考えられる結論のようです。
    そして、アシラとアッシュール、エジプトのアメンなどの祖形は、同じであろうという、推測です。

4.お願い:アッシュールについて詳しい方がいらっしゃいましたら、教えてください。

 

 

 

 

 

 

 


                            

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