いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

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UFJ銀行の不運

2004年11月05日 22時04分54秒 | 社会全般
いよいよ、UFJ銀行の検査妨害に関して、立件・起訴の秒読み段階となってきたようです。日本の金融システムに不安をもたらし、メガバンクの社会的道義的責任を考えると、懲罰的意味も含めて、起訴されるのもやむを得ないのでしょう。



捜査は泣く子も黙る、東京地検特捜部。もう逃れる事はできないでしょう。私は法曹関係でもないので詳しく解りませんが、金融庁の立ち入り検査はいわゆる行政指導の一環であって、一般的に指導に違反したくらいでは摘発されることは少ないのではないでしょうか。

例えば八百屋のオヤジさんところを税務調査したら、売上を抜いて過少に申告していたとか、経費計上できないものを申告していたとか、きっとあるでしょう。そういう時に、全件起訴していては大変なことになるでしょうね。あまりに悪質で巨額の脱税ならば起訴もあるのでしょうが、普通はありませんね。「指導の結果踏まえ、自ら進んで修正申告をする」ということになるでしょう。

ですから、UFJ銀行も検査されたら業務改善命令に従い、業務改善計画を提出すれば助かっていたかもしれないのです。素直に応じておけばよかったものを、隠そうとしたんですね。子供の悪事と一緒で、いたずらや失敗を素直に話せば少し怒られる程度なのに、隠そうとしてウソついたりして余計に怒られる、というごく当たり前のことが判らない大人達だったんですね。


容疑は銀行法違反のようで、銀行法24条には検査官が銀行に報告させたり資料提出させたりできること、同法25条には検査官が立入検査をすることができ、職員等に質問したりできることが規定されています。これに対し、資料を提出しないとかウソの報告や資料を提出したり、また、質問に答えないかウソの答えをしたり、検査を拒み、妨げ、忌避したりした場合は同法63条の二号および三号の規定で、1年以下の懲役または3百万円以下の罰金となっています。今回の事件では、この63条の罰則規定が適用されるのでしょう。法人(銀行)に対しても罰則があり、2億円以下の罰金が課せられます。

この事件は東京地検特捜部でなくともきっと起訴できるのではないでしょうか。だって明らかな検査妨害や虚偽報告、虚偽の資料提出などで、普通の検察官ならまず有罪にできるのではないですか?そんな小さな事件より、捜査すべきことがあるんではないですか、特捜部のみなさん。

UFJ銀行の妨害行為は監督官庁(金融庁ですか)との関係で起こったことで、確かに国民の銀行に対する信頼を損なう行為とは思いますが、国民は実害を被っていません。ですから、そんな事件は他に任せておいて、特捜部がやるべき事件を扱って欲しいですね。日本の検察当局は、本当に正義を有しているのですか?


前に書いた日歯連の政治献金疑惑は本丸の橋本議員を挙げないと意味がないでしょ?当事者なんだから。それが出来ないから、政治的背景が潜んでるんじゃない?って思う。所詮検察も役人ですから!道警の裏金事件は、何故起訴できないんでしょう?検察官の意見を直に聞いてみたい。既に何人かの内部告発者が出てるし、立件できると思うけど。公文書偽造とか横領容疑で証拠差し押さえできるでしょ?いつの間にか領収書消えちゃったとか、正確な数字は出せないとかって、それはUFJの検査妨害と同じだよね。組織的に何十年にも渡って、裏金作ってきたのは国民に大損害だよ!UFJよりもっと悪いですよ。しかも警察庁の役人どもの接待に使いましたって、許されるの?個人で消費したんじゃないから、って刑事責任は許されるの?警察署長の餞別とか、送別会費とか、それって個人の財布と同じでしょ?道に金を返還すれば刑事責任は許されるってこと?

捜査するのは警察だから、やっぱり内輪で庇いあうよね、きっと。検察も同じ「穴」なんだろうね。何で一件も立件できんの?おかしいよ、絶対に。東京地検特捜部はこういう時には、悪を犯罪を見逃すってことなの?UFJの気弱な役員や下っ端社員とかを厳しく追及してないで、こういう難関の悪に立ち向かってくれ。

ダイエー問題を進展させるために、UFJをターゲットにしたような感じもありますね。主導権を握るにはまずメインバンクを締め付ける。その後の仕事は進みやすいですね。元来UFJ銀行は不良債権処理が進んでいないとの指摘はありましたが、つぶれるほどの危機であったとは思えません。いずれにしても、UFJにはちょっと同情してしまいますね。

続・鏡に映った日歯連

2004年11月05日 17時08分36秒 | 政治って?
この事件の背景には、前に書いた政治家や役職にある人達の体質というか、考え方が影響していると思いますが、別な側面もあるかと思います。


鏡の向こう側が政治家や役人たち、そしてこちら側が歯科医師会役員達です。いったい歯科医師会側にはどの様な要因があったのでしょう。




歯科医師数は全国で約9万人です(医師は約26万人、薬剤師も27万人程度)。過去10年間位で歯科医師の数は非常に多くなりました。原因は昔の官僚達のおそまつな計画によるものです。昭和40年頃は歯科医師が非常に少なく、国民の歯に対する予防意識もまだ普遍的ではなかったので、治療の需要がとても多く、治療に数時間待ちは当たり前でした。その為、歯科医師数を人口10万人当たり50人くらいまでを目標に増やす計画であったようです。

その為に全国の国立大学に歯学部を設置し、私立大学には歯学部をどんどん認可したのです。昭和40年代はそうやって歯学部が増えていき、既設の私立ではさらに入学定員を増やしました。それにより急速に歯科医師数は増加しましたが、バブル期を過ぎたあたりから都市部を中心に過当競争が生じてきます。また、国民の健康意識の向上や幼児期・学童期の予防政策の効果が現れて、虫歯の数は子供を中心に減少し、一医療機関当たりの患者数は減ってきます。

医療を管掌する当時の厚生省と、新設校や入学定員変更の許認可権を有していた文部省、どちらも将来の計画などなんの考えもなく政策を実行しなかった結果でしょう。この為歯科医師会は圧力をかけて、国立大学を中心に入学定員を削減させることにしたと思われます。それでも、約7割以上を占める私立大学出身者が大幅には減少せず、現在は年に約3千人ほど歯科医師が誕生するそうです。国家試験があるため合格者数は決まってませんから、年度ごとに違います。ちなみに先進国で私立大学出身者数が国公立大学出身者数より多いのは、日本ぐらいなのだそうです。


このような状況で、日本歯科医師会の構成員は大多数が既存の歯科医院を経営する歯科医師ですから、新たな医院はどんどん増加し患者数は減少していく傾向に歯止めをかけるようにと、内部での不満が増大します。

歯科医師会は厚生省などに新たな政策などのお願いをしたりしますが、なかなか認められず、効果的なものが出てきません。しかも、歯科医療費は年間約2兆円程度で、ここ数年来伸びがほとんどありません。医科や薬局は医療費がどんどん増加していく一方です。歯科医療費は全体の医療費の約6%程度しかないのです。人員比較では9万対53万(26万+27万)で約15%くらいを占めているのにです。


こうした窮状をなんとかしようと、歯科医師会は自民党や国会議員に働きかけます。厚生族を中心に献金攻勢に出たんでしょう。前会長の中原参議院議員を国会に送り込むことにも成功します。しかし、日本医師会に比べると資金力も組織力も完全に見劣りするし、実際中原参議院議員の選挙の時には、個人得票数は6万程度で、集票力がないことが明らかでした(中原議員は名簿順位が当選ぎりぎりで、ブービー賞かそこら辺での当選となったようです)。

政治圧力団体としては、集票力が劣る事は致命的です。さして影響力を持たないことを意味しているからです。郵政関係や医師会・製薬会社の影響力の方が、遥かに大きいのです。このことが、中原議員と歯科医師会の会長選を争い就任した臼田被告に、「何かの手柄」を求めさせたのかもしれません。歯科医師会内部の経営困難に対する不満、自民党内での歯科医師会の占める地位、そして自らの-存在価値。自分の指導力と歯科医師会の力を、内外に示さなければならなかったのです。


この結果、単に議員への献金だけではなく、厚生族のドン・橋本元首相の懐柔策を試みるのです。中原議員が会長時代から橋本派の忠実な犬であったので、橋本議員は中原議員の方を買っており、臼田被告を好んではいなかったと言われています。その手打ち資金が、1億円の小切手へと姿を変えて橋本議員の手に渡りました。その場に出席していたのは、先の名前が挙がった幹部たち-だったようです。公判でしだいに明らかになるでしょう。

こうして、懐柔に成功した臼田被告は次のターゲット、中医協へと舞台を移します。かつて社会保険庁長官であった下村被告に、いくらかの金品をちょっとずつ提供していったのでしょう。同じく中医協の委員であった歯科医師会役員の連中も一緒になって、根っからの官僚体質であった下村被告の罪悪感を麻痺させるのは容易であったかもしれません。これは下村被告が、今までも色々な役得や利権がらみで金品を得ていて、特別なことではなかったと推測されるからです。


このような努力も虚しく、歯科医療費の改定では、小泉首相の「三方一両損」の指示でマイナス改定が絶対となってしまいました。臼田歯科医師会長の目論見は見事に打ち砕かれたのです。

そして逮捕、起訴へと転がり落ちて行きました。歯科医師会の会員たちから集めたお金は、議員さんたちのもとへ配られはしたものの、何の効力も発揮することなく、一億円小切手も切り捨てられた「毒まんじゅう」を挙げるエサにしかならなかったようです。

鏡に映った日歯連

2004年11月05日 02時25分26秒 | 政治って?
日歯連-日本歯科医師連盟は日本歯科医師会を母体とする政治活動団体です。ご存知のように、献金疑惑と中医協-中央社会保険医療協議会の委員に対する贈収賄事件が発覚し、裁判となっています。




政治家に献金、この非常に古典的な構図は、懲りない連中が未だに日本政治の中心にいることを物語っています。

非常に多くの議員さんたちが献金を受け取ってたことは、報道で明らかになっています。中でも橋本元首相をはじめ、野中元幹事長、青木参院会長、村岡元官房長官など橋本派の中枢部にいた人たちの関与が明らかにされ、その内の村岡さんだけが起訴されてしまいました。村岡さんは選挙で「毒まんじゅう」を食らわされた挙句、トカゲの尻尾切りで生贄となった格好です。

まだ全貌は明らかにされていませんが、裁判の進行と伴に政治の腐敗構造が見えてきそうです。




昨日記事を書いている途中で、ビールのせいか強烈な眠気に襲われ、眠ってしまいました。申し訳ありません。

さて、続きですが、逮捕・起訴された臼田日本歯科医師会長、内田同常務理事などは、昔の政治構造を引きずっている人達です。政治家に金を渡せば何とかしてくれる、という誤った認識の持ち主で、そういう政治は過去の遺物として改めることができないのでしょう。
政治家側の倫理も問題ですが、現実には政治活動にお金必要だし、適正な処理をしておけば問題なかったわけで(何か請託を受けたなら収賄となるのでしょうが)、合法的に処理すべきでした。

ただ、旧式の政治スタイルを踏襲してきた人達ですから、急には変えられなかったのかもしれません。小泉首相の執拗なイジメにも遭ってた上に、最大派閥の求心力が失われているし、派閥政治の象徴とも言うべき橋本派の維持には、やはりばらまく玉というか実弾というか-金ですね-が必要だったんでしょう。それは帳簿には載せられんと思うね。

結局生贄となったのは、会計管理の責任者(かぶってくれ、と言われりゃねえ。言われたかどうかはわからんけど)。そして、自民党としては野党の矛先をかわすために、誰か議員1人は差し出さねばならなかったと考えると、橋本派内で「毒まんじゅう」の一件以来孤立していた村岡さんが人選として浮かびますよね。

それに、検察に情報をリークした(これも推測ですが)以上、検察の立場も配慮せねばならなかったはずです。検察にしても国民感情や民主党への牽制も必要でしょうから、政治献金疑惑なのに議員1人も挙げられず「手ぶら」で引き上げるわけにはいかなかったでしょう。そこで急遽用意されたのが「手土産」の村岡さんだった、と考えてしまうのは、変な推測でしょうか。


政治家の方にばかり目が行ってしまいがちですが、本当は実務を担当する官僚や何とか委員会とか諮問機関系統に悪が潜んでいる、現在のシステムにも大きな問題があります。旧態依然の政治家スタイルは予想がつくし国民の目にも留まりやすい。しかし、実際に行われている実務は法律に基づいた政令、省令、告示や通知・通達等々で決まってしまうのですから、現実には官僚達が支配するようなものですね。それらは、一応諮問機関の答申を受けたりして決められることも多いのですが、これがヤラセみたいなものであれば何の意味もありませんね。全てではないと思いますが、このようなヤラセ部分は、官僚達の誘導でどうにでもなるでしょうね。

今回の贈収賄事件では社会保険庁元長官と連合元副会長が起訴されてますね。これが官僚体質や先に述べた内輪のヤラセを如実に表していると思います。医療機関側の歯科医師会役員達と官僚出身の有識者、支払側の健保組合等の代表。。。。内輪で決めて、官僚達はこれを元に省令などの法令を決めていく。こうして国民との乖離が進んでいる側面はあるでしょう。国民はこの決定過程に関わることなく、知らないまま(或いは知ろうとしないまま)決定され、結果を受け入れていかざるを得ないのです。

政治もそうですが、こうした過程に国民がどう関わりを持っていくのか。悪しきシステムを改善させる大きな圧力を発揮しなければなりません。それにはやはり世論形成しかないのです。投票行動で審判を下すことも、政治に緊張感を持たせるために必要なのです。国民1人ひとりが考えるべきです。

白雪姫に出てくる悪者の魔女だか女王は、鏡に醜悪な姿を映してましたよね。日歯連が鏡に映し出した姿は、何も変わっていない政治家と利権や決定権を利用する小役人達で、「毒りんご」の魔女となんら変わらないのです。