APECに出席している小泉首相と胡主席の会談が行われたと報じられました。
以前書いた記事(原潜もの、外交問題参照)でも述べましたが、日中交渉は会談成立が第一歩ですから、外務省の努力にまずは拍手を送りたい。原潜問題の収束は、国内の反発を押さえ込みが奏功したように見えますが、これは外務省の強い要望を官邸が受け入れたと私は思っています。北朝鮮問題への近道探しでは、中国の協力が必要です。中国の6カ国協議重視の姿勢を引き出せた事は今回の成果であったと思います。
首脳会談に先立って行われた外相会談を振り返ってみましょう。これは権謀術策に長年慣れ親しんだ中国の「老獪さ」を垣間見ることができます。
日本は言わずと知れた町村外相。東大出身のエリートでしょうし、政治家家系のサラブレッドですね。ですが、外交面ではスマートすぎの印象かもしれません。正統派できれいな感じがしますね。まあ、表舞台では町村外相みたいなイメージの方が得なのかもしれませんが。外務省の側近連中は発言内容とかについて吟味したとは思いますが、中国の李外相に一本取られた感じが否めませんね。
日本の唯一のつっこみどころ、原潜問題について言及しますが、中国側は用意周到でした。タダでは頭を下げたりはしないぞ、という決意すら感じましたね。
町村 中国外務次官が阿南駐中大使に語った、「領海侵犯を認めた上で、遺憾の意を表明」を李外相からも確認したい。
李 外務次官が語った言葉は全て理解しており、私の言葉と同じと理解してもらってよい。
町村 遺憾の意についての表明と受け止めてよいか。
李 そう確認している。(当方もそう思っているということ?)
町村 日本政府は再発防止を求める。
李 当然だ。
この応酬は中国側に100%非がある事項についてなのですが、このような答えが返ってくるとは「老獪さ」の一端を見せつけられました。町村外相は表現がストレートではありますが、あまり相手を「へこませた」感じがありませんね。交渉では譲歩を引き出せるような運び方が必要なので、もうちょっと工夫があればよかったと思います。でも、相手が一枚も二枚も上だったと言えるでしょう。
遺憾である」とか「謝罪する」と一言で言ってしまえば済むものを、敢えて下級官吏に言わせた言葉を指して「私の言葉と同じと思って間違いない」という表現を用いるのは、はっきり言ってスゴイ!絶対に「スミマセン」とは言わないぞ、ってことです。
町村さんのツッコミはダイレクトに「遺憾の意」と思っていいかを聞いてしまって、相手に言わせる言葉や表現を考えておくべきだったかもしれません(もし、本当に「遺憾の意」を表明してもらいたかったならば、ですけど)。再発防止を求めたら、「当然だ」ですよ!これもスゴイ。確かに相手が言っていることは間違ってないんですね。再発防止はそりゃ当然と。感心しました。
このような戦術を日本も学ぶ必要があるでしょう。外務省諸君、次から活かせるかもしれませんよ。
日本での出来事に置き換えてみましょう。また変な例えでごめんなさい。
ある会社Aがあって、取引先から品物を間違えて納品されてしまいました。Aは取引先の担当課長に苦情を言いました。
A 「品物はおたくが間違えたんですから。どういうことですか。」
担当課長 「品物を間違えたことは残念です。今度我が社の上司と御社の上司同士で話ましょう」
後日、
A 「間違えたことは事実だし、謝罪して下さい」
営業部長 「課長が話した通りです。私も同じ考えと思って下さい」
A 「間違いを認め、謝罪していると受け止めていいんですね」
営業部長 「我が社ではそのように確認している」
A 「今度から間違えないようにして下さい」
営業部長 「当然だ」
どうです?すごいでしょ!こんな感じで答えて来たってことですよ!どっちが悪かったのか分んないでしょ。これははっきり言って驚きです。このように、そう簡単に相手の言い分を聞くことがない、ってことが外交戦術の難しさでしょうね。やっぱ、中国はスゴイ。
長くなってしまったので、小泉首相と胡主席のやり取りは次の記事にします。
はっきり言って腹が減ったのです。
ちょっと休みましてから書き始めます。
妻に怒られそうだし。
以前書いた記事(原潜もの、外交問題参照)でも述べましたが、日中交渉は会談成立が第一歩ですから、外務省の努力にまずは拍手を送りたい。原潜問題の収束は、国内の反発を押さえ込みが奏功したように見えますが、これは外務省の強い要望を官邸が受け入れたと私は思っています。北朝鮮問題への近道探しでは、中国の協力が必要です。中国の6カ国協議重視の姿勢を引き出せた事は今回の成果であったと思います。
首脳会談に先立って行われた外相会談を振り返ってみましょう。これは権謀術策に長年慣れ親しんだ中国の「老獪さ」を垣間見ることができます。
日本は言わずと知れた町村外相。東大出身のエリートでしょうし、政治家家系のサラブレッドですね。ですが、外交面ではスマートすぎの印象かもしれません。正統派できれいな感じがしますね。まあ、表舞台では町村外相みたいなイメージの方が得なのかもしれませんが。外務省の側近連中は発言内容とかについて吟味したとは思いますが、中国の李外相に一本取られた感じが否めませんね。
日本の唯一のつっこみどころ、原潜問題について言及しますが、中国側は用意周到でした。タダでは頭を下げたりはしないぞ、という決意すら感じましたね。
町村 中国外務次官が阿南駐中大使に語った、「領海侵犯を認めた上で、遺憾の意を表明」を李外相からも確認したい。
李 外務次官が語った言葉は全て理解しており、私の言葉と同じと理解してもらってよい。
町村 遺憾の意についての表明と受け止めてよいか。
李 そう確認している。(当方もそう思っているということ?)
町村 日本政府は再発防止を求める。
李 当然だ。
この応酬は中国側に100%非がある事項についてなのですが、このような答えが返ってくるとは「老獪さ」の一端を見せつけられました。町村外相は表現がストレートではありますが、あまり相手を「へこませた」感じがありませんね。交渉では譲歩を引き出せるような運び方が必要なので、もうちょっと工夫があればよかったと思います。でも、相手が一枚も二枚も上だったと言えるでしょう。
遺憾である」とか「謝罪する」と一言で言ってしまえば済むものを、敢えて下級官吏に言わせた言葉を指して「私の言葉と同じと思って間違いない」という表現を用いるのは、はっきり言ってスゴイ!絶対に「スミマセン」とは言わないぞ、ってことです。
町村さんのツッコミはダイレクトに「遺憾の意」と思っていいかを聞いてしまって、相手に言わせる言葉や表現を考えておくべきだったかもしれません(もし、本当に「遺憾の意」を表明してもらいたかったならば、ですけど)。再発防止を求めたら、「当然だ」ですよ!これもスゴイ。確かに相手が言っていることは間違ってないんですね。再発防止はそりゃ当然と。感心しました。
このような戦術を日本も学ぶ必要があるでしょう。外務省諸君、次から活かせるかもしれませんよ。
日本での出来事に置き換えてみましょう。また変な例えでごめんなさい。
ある会社Aがあって、取引先から品物を間違えて納品されてしまいました。Aは取引先の担当課長に苦情を言いました。
A 「品物はおたくが間違えたんですから。どういうことですか。」
担当課長 「品物を間違えたことは残念です。今度我が社の上司と御社の上司同士で話ましょう」
後日、
A 「間違えたことは事実だし、謝罪して下さい」
営業部長 「課長が話した通りです。私も同じ考えと思って下さい」
A 「間違いを認め、謝罪していると受け止めていいんですね」
営業部長 「我が社ではそのように確認している」
A 「今度から間違えないようにして下さい」
営業部長 「当然だ」
どうです?すごいでしょ!こんな感じで答えて来たってことですよ!どっちが悪かったのか分んないでしょ。これははっきり言って驚きです。このように、そう簡単に相手の言い分を聞くことがない、ってことが外交戦術の難しさでしょうね。やっぱ、中国はスゴイ。
長くなってしまったので、小泉首相と胡主席のやり取りは次の記事にします。
はっきり言って腹が減ったのです。
ちょっと休みましてから書き始めます。
妻に怒られそうだし。