新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

「命を守る行動を」住民に押し付ける前に国や地方自治体がやることはいくらでもある

2023年07月26日 11時54分41秒 | 環境破壊

今朝は昨日行われたビッグモーター社長の記者会見に関しての様々な識者の今後の動向を論じていたが正直な所、まったくそんなインチキ会社とは付き合いがなく、倒産したところで社長の莫大な蓄財から全従業員にしっかりと退職金を支払えばいいだけの話だろう。
 
不正疑惑のビッグモーターに『倒産』の可能性はあるか?事業再生コンサルの見解は…」 
 


 
先週から、今週は「酷暑週間」という気象予報士たちの言葉通りに朝から暑い日となっているが、今年は首都圏では「梅雨明け」前に梅雨入りでどのくらい雨が降ったのか、ほとんど記憶がないほどである。
 
今までなら数日間、雨が降り続くのが「梅雨」だったのだが、もはやそんな概念はなくなったようである。
 
精神疾患歴23年という経験の持ち主のジャーナリストの伊東森が、世界の若者を中心に広がりを見せつつある「気候不安(エコ不安)」を取り上げ、気候変動と心の健康の関係についての調査結果等を紹介していた。
 
2023年は『史上最も暑い年』になる。世界を襲う“熱波”が若者のメンタルを蝕む
 

■世界各地で記録的な熱波。暑さはメンタルヘルスにも影響をおよぼす
日本のみならず、世界各地を記録的な熱波が襲っている。
アメリカ国立気象局によると、アメリカに住む人口の3分の1近くにあたる1億1,300万人近くに対し、何らかの高温に対する勧告が出ている。事実、アメリカ全土では気温は数十年ぶりに高い記録を更新。
テキサス州エルパソでは27日間にわたり最高気温が37℃を超え、1994年の記録を更新した(1

欧州でも同様だ。イタリアのシチリア島の一部では、最高気温が45℃に達すると予想された。サルディーニャでは今月17日、欧州域内で今年最高となる45.7℃を記録。
ほか、イタリア保健省はローマやフィレンツェを含む主要20都市に熱波の緊急速報を出し、暑さ対策を促す。(2)


今後もイタリア周辺では熱波が続くと予想され、2021年にシチリア島シラクサで観測された欧州最高気温の48.8℃を上回る可能性も示唆されている。
熱波などの異常気象は、アメリカから中国、南欧にいたるまで、北半球全体で観測されている。
7月3日、世界の平均気温は16.69℃を記録し、翌4日には史上初めて17℃を超え、17.04℃にまで達す。また暫定値ではあるものの、5日にはさらに上昇し、17.5℃にまで上がった。
しかしながら、イギリス気象庁と英エクセター大学の気象科学者、リチャード・ベッツ教授は、英BBCに対し、これら熱波は気候モデルの予測の範囲内であるという見方を示す。
「世界の気温が高いのは意外でもなんでもない」
「ずっと前から分かっていたことを、あらためて確認しているだけだ。大気中の温室効果ガスを増やすのを止めない限り、極端な現象は増え続けるだろう」(*3)
専門家らは、すでにエルニーニョ現象により、2023年は世界で最も暑い年になるだろうと予測している。

目次
北米では山火事が
暑さはメンタルヘルスにも影響をおよぼす
迫られる行動変容 ベトナムでは暑さを避け、真夜中に田植え
■北米では山火事が
熱波の影響は、たとえばカナダでは“山火事”という現象として顕在化。アメリカ北東部では6月以降、山火事の煙による深刻な大気汚染に見舞われた。
煙の流出元はカナダ東部で広範囲におよんだ山火事であり、汚染は長期間続いた。専門家は、山火事は地球温暖化による異常気象が原因と指摘する(*4)。
カナダ当局は、高温や異常な乾燥などにより、例年の10倍強にあたる面積で火災が起きているとした。6月8日時点で429件の山火事が起き、そのうちの半数以上が“制御不能”であるという(*5)。
そのうちのおよそ3分の1が東部ケベック州で起きている。カナダでは、例年5~10月に西部を中心に山火事が頻発するものの、今回の被害は深刻性だ。
山火事の煙は国境を越えアメリカ北東部に流入、大気汚染が深刻に。米環境保健局(EPA)の調査によると、米東部のニューヨーク市やペンシルベニア州のフィラデルフィア、首都ワシントンの空気質が、「不健康」レベルとなった。
深刻な山火事の要因となっているのが異常気象であることは間違いない。カナダ政府の調査によると、今年4月時点でカナダ国内の10の州すべては異常な乾燥や干ばつに見舞われており、落雷などで森林火災が一気に広がった。
気候変動にともなる気温の上昇はさまざまな形で山火事を起こし、延焼を広げる乾燥した落ち葉やコケ類、枯死した植物はいったん火が付くと消えにくい。雨をともなわない雷を発生しやすくなる。
火災で発生した煙が上空で冷やされて雲が発生し、さらに雷雲が発達するという悪循環に陥る(*6)。また落ち葉がこすれ合った摩擦熱で火が付くことも。
このような北米などでの山火事の起こりやすい状態は、9月ごろまでつづくという。
■暑さはメンタルヘルスにも影響をおよぼす 
気候変動は、私たちのメンタルヘルスにも影響を与える。事実、異常気象を招く気候変動に対する強い不安が、南半球などの新興国の若者を中心に広がっている(*7)。
彼らは今後、21世紀後半にかけ気候変動の影響を実感する。
気候変動への不安は、心の病気として顕在化するリスクも。
電通総研は国際研究チームの論文などをもとに3月にまとめた11カ国の16~25歳を対象にした調査によると、気候変動の影響を「極度に心配している」「とても心配している」と答えた人に割合は、フィリピンで最多の84%、インドとブラジルでも67~68%と高水準だった。
この数字は、北半球の先進国であるアメリカとフィンランド(44~47%)や日本の16%を大幅に上回る数字だった。このことについて、電通総研の担当者は、
「南半球を中心とした途上国は(気候変動の)影響を受けやすい」(*8)
と指摘する。低緯度の途上国は、台風やハリケーンの通り道となり、堤防や灌漑施設も未整備なためだ。
ただ今後は、気候変動に対する心の不安は、世界各地で現れるだろう。最近、世界の若者の間で、「気候不安(エコ不安)」という言葉が登場した。
イギリスの森林保護団体ウッドランド・トラストが3月にまとめた調査では、イギリス国内で気候変動を「非常に心配している」と答えた人は16~24歳で31%と、50~64歳の23%や、65歳以上の18%よりも高い値を記録した(*9)。
あるいは、米ミネソタ大学などは2022年、ミネソタ州で約500人の精神科医やカウンセラーなどのメンタルヘルスの専門家を対象とした調査結果によると、専門家の多くが患者の病気の背景に気候変動が加わっている事例はあると考えていると指摘。
たとえば、抑うつ症状の原因に気候変動が関わっている患者を診察したことがあると回答した専門家は63%だった(*10)。
■迫られる行動変容 ベトナムでは暑さを避け、真夜中に田植え
気候変動の影響は、もはや私たちの“行動変容”、“ライフスタイル”の変革までも促している。たとえば、気候変動による厳しい暑さがつづくなか、英オックスフォード大学の博士は、労働時間の変革を求めている。
従来の労働時間は「午前9時から午後5時まで」が一般的だったが、これからは3時間早めて「午前6時から午後2時まで」とすることがよいという(*11)
実際、すでにスペインなど欧州の一部の地域では、暑さに対応するために、このような労働時間は導入されているそうだ。
とくに建設業界や農業など屋外で働く人々が以上のような労働時間を実践しているという。また、小売店なども午後2時から午後6時までは店を閉め、午後6時になると再び開店するところもあるという(*12)。
またベトナムの一部のコメ農家は、厳しい暑さを避け、真夜中に田植えを行っている。ベトナムのコメ農家チャン・ティ・ランさん(47)は午前3時、まだ真っ暗な中、首都ハノイ郊外にある田んぼに向かう(*13)。
南アジアや東南アジアは今年、記録的高温に見舞われている。年々夏が暑くなる中、夜中の田植えはコメ農家にとり、“救世主”となっている。ランさんは、
「明かりが十分でないから、真っすぐ植えられていないかもしれない」(*14)
と言いながらも、頭部に取り付けたヘッドランプの明かりで素早く苗を植えていく。
同じコメ農家のグエン・フン・フォンさん(62)は、午後4時から午後9時まで、そして午前3時から午前9時まで働いている。
「日中に作業すればもっとはっきり見えるが、気温が異常に高くて、とても不快で疲れる」(*15)
と語る。しかしグエン・ティ・ハンさん(56)さんは、
「実際、水温が低い方が苗にはいい」(*16)
と、夜間の田植えをする利点を語る。
 
■引用・参考文献

(*1)ジャスティン・ロウラット「【解説】 なぜ今年の夏はこんなに暑いのか 世界各地で最高気温を更新」BBC NEWS JAPAN 2023年7月18日

(*2)Priscila Azevedo Rocha「欧州襲う熱波、イタリアで45度超え-ギリシャでは山火事発生」Bloomberg 2023年7月18日

(*3)ジャスティン・ロウラット 2023年7月18日

(*4)「カナダ山火事、異常気象で拡大 火災面積は例年の10倍 大気汚染、なお続く恐れ」日本経済新聞 2023年6月10日付朝刊 7項

(*5)日本経済新聞 2023年6月10日

(*6)日本経済新聞 2023年6月10日

(*7)草塩拓郎「気候変動に若者不安、フィリピンや南半球の新興国、異常気象多発で影響悲観」日本経済新聞 2023年7月16日付朝刊 7項

(*8)草塩拓郎 2023年7月16日

(*9)草塩拓郎 2023年7月16日

(*10)草塩拓郎 2023年7月16日

(*11)「2023年は史上もっとも暑い年 科学者は『午前6時から午後2時』の労働を提案」ELEMINIST 2023年7月18日

(*12)ELEMINIST 2023年7月18日

(*13)「暑さ避け夜間に田植え 熱波のベトナム」AFP=時事 2023年7月5日

(*14)時事 2023年7月5日

(*15)時事 2023年7月5日

(*16)時事 2023年7月5日
 
「2023年は世界で最も暑い年になるだろうと予測」されても多くの国民は精々エアコンを上手に使いながら、炎天下の外出を控えることしか対策は見当たらない。
 
そして、テレビメディアは口をそろえて「命を守る行動を」と、最後は自己責任ですよと突き放す。
 
こんな風潮に噛みついていた米国在住作家がいた。
 
『命を守る行動を』の説得力ゼロ。日本の“気象災害”報道が響かぬワケ
 

■気象災害の報道のあり方を問う
近年の日本の地上波各局における、気象災害報道の姿勢は、極めて消極的の一言に尽きると思います。
「台風接近時の中継では、こわごわ、安全なところからお伝えしています、などと断りを入れて放送するし、実際に何のインパクトもない画面を平気で流す」
「河川増水の様子は国交省の無人カメラの映像などで済ませる」
「甚大な被害が出た場合も、視聴者提供のスマホ動画などで済ませる」
「深刻な状態でも、地方局(NHK、民放とも)の土地勘のある記者等がマトモな映像を届けることはほとんどなく、東京のスタジオから『今頃、堤防が決壊しているかもしれません』などといったいい加減で呑気なアナウンスが流れる」
「依然として、『命を守る行動を』といった「日本語にはない表現」でごま
かす」
といった具合です。そこに真剣味はなく、厳しさもありません。臨場感もありません。こんな放送を繰り返していては、それこそ「命は守れない」と思うのです。
中継ができない理由はハッキリしています。まず、カスハラ体質の視聴者が「マスゴミが危険な場所で報道すると、地元に迷惑をかける」というクレームを入れてくるからです。これは「救急隊員がコンビニ行くな」的なカスハラと同質だという共通理解を作って押し返すことが必要です。
同時に、このカスハラに負けてズルズル「生中継のノウハウを喪失した」状況をしっかり押し返して、「報道のプロとして、迷惑をかけずに、インパクトのある映像をしっかり危機意識の喚起メッセージとして届ける」ための21世紀版のハイテクも駆使したノウハウを築き上げることが必要です。
いやいや、予算がないので無理というのなら、NHKはこうした災害報道に関して地方にしっかり予算を回すべきですし、民放の地方局の場合は局ごとにエリアを割り振って分担するとか、工夫して乗り切るべきと思います。
あとは、ドローンの活用です。最近は防水性能を高めた「全天候型」なども実用化されており、気象協会などが活用実験を繰り返しています。例えばですが、気象協会なり、地方自治体などが報道機関とも協力して、ドローンを飛ばして危険情報をリアタイで提供するということは出来ないのでしょうか。
ドローンに加えて、レーダー情報の問題もあります。レーダーは、それこそリアタイでかなりの情報量が得られます。線状降水帯一歩手前の危険な状況なども、分かるわけで、この情報もUI、つまりTVやスマホ画面での「見せ方」に工夫をしながら、できるだけ多くの人々にリアタイで危険情報を届けるように出来たらと思います。
とにかく「今が危険」と言いながら、雨の降っていない場所から中継するとか、映像もレーダーも、河川データもない「根拠を見せない」いい加減な情報量しか提示しないで、それでも「命を守れ」などと繰り返してみたり、そんな報道では危機感は伝わりません。
ネットも同様で、地方紙の電子版とかのネット発信も極めてお粗末です。とにかく、異常気象時の災害危険情報については、TVやネットなど報道機関が、公的機関と連携して「リアタイでの情報量」を高めることが求められます。同時に、早め早めの「空振りでも良い」避難の呼びかけも足りません。「命を救う」には、まずこの点の徹底見直しが必要でしょう。


 
今年の九州北部から山口県を襲った集中豪雨の際は、かなり近くまで氾濫した河川状態を実況中継していた民放もあった。
 
さらに全国的な異常な高温に対しては、各地の最高気温を記録した場所に行き実際に温度計も数値を示すという局もあった。
 
かつて「国土強靱化基本計画」が内閣官房が発表し、さらに「これまでの取組」という立派な作文集はあるのだが、地方自治体レベルまでいきわたっておらず数年に一回氾濫する河川がいたるところに存在する。
 
氾濫することが予想されるから「命を守る行動を」住民に押し付ける前に前に行政が事前にやることはいくらでもあるのでは、とオジサンは思う。  

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