菅義偉の突然の「総裁選不出馬」で永田町は「盆と正月」が来たかのような大騒ぎ。
それにしても、3日の菅義偉の一方的な会見はいつものようだが「会見」とは呼べない代物であった。
冷静に批判している人がいた。
菅首相、出てきて自分だけしゃべって帰った。NHKは「取材に応じた」と言ってたけど、「記者の質問に応じなかった」が正しい。政治家のこういう勝手な発言をそのまま垂れ流しているから、政治家になめられ、国民は情報を得ることができず、政治がこんな悲惨な状態になってしまったのではないか。
— 木野龍逸 (Ryuichi KINO) (@kinoryuichi) September 3, 2021
他のニュース見てたら、「菅首相が取材に応じた」と言ってるのがありますね。
— 木野龍逸 (Ryuichi KINO) (@kinoryuichi) September 3, 2021
複数のニュースでこの言い方してたら、言いたいことだけ言って何も答えなくてもいい、がスタンダードになってしまいそうです。
菅首相は、記者らが質問しても答えず逃げるように去った、と明確にしてほしいです。
中にはこんな「笑えない」鋭い指摘もあった。
すみません、日本語が難しくて。「コロナ対策に専念するため首相やめます」とは、「ネタ作りに専念するためコメディアンやめます」みたいなことでしょうか?
— デーブ・スペクター (@dave_spector) September 4, 2021
さらには、メディアに対する率直な批判もあった。
テレビは朝から「さぁ次はどうなる!?」ばかりで、放り投げて逃げようとしているのは何か、誰なのかを問わない。
— 武田砂鉄 (@takedasatetsu) September 3, 2021
問題山積の東京五輪総括、河井夫妻買収事件、大臣の恫喝・圧力問題、名古屋入管問題、赤木ファイル、日本学術会議任命拒否問題などなど……。
野党に対する叱咤激励の声も。
自民党議員だけが熱量をもって走り回り、野党は静かに休んでいるという印象が形成される。党員投票は、擬似的な国民投票の錯覚が生まれる。だからこそ、野党は選挙区調整をう進めるだけではなく、力強い「共通のメッセージ」にもとづく、違いを乗りこえた「統一政策」を生み出す必要がある。
— 保坂展人 (@hosakanobuto) September 4, 2021
それでも自民党内では密かにキングメーカー気取りの安倍晋三が暗躍し始めたようである。
「加速する駆け引き、安倍氏は高市氏支援へ 仕切り直しの自民党総裁選」
安倍氏は高市氏支援へーーということで、全体構図に影響がありそう。岸田氏は安倍氏とともに最大派閥細田派の後押しを期待していると見られ、戦略の見直しが迫られます。ただ細田派も高市氏でまとまるとは考えにくく不透明感は強まっているように思います。 https://t.co/npfJGQVwOP #自民党総裁選2021
— 石松 恒(朝日新聞記者) (@ishimatsu_h) September 4, 2021
泡沫候補と呼ばれた高市早苗前総務相を安倍晋三が「信条的に近い」という理由から支援するらしいが、オジサンからすれば「晋三に近い」だけであろう。
しかしたびたび物議を醸す発言の「高市早苗総理」になれば総選挙では自民党はボロ負けになることは当然なのだから、真意は別のところにあるのだろう。
高市早苗は夫婦別姓の選択に執拗に反対しているんですよ。憲法違反の立法ばかり目指し、福祉を受ける人を「さもしい」と呼び、政権を批判する放送局の認可を取り消そうと言う、議会制民主主義と国民の権利や平等を破壊しようとしている「怪物」ですよ。 https://t.co/ePqnCdrztQ pic.twitter.com/WTSX0pKSYC
— 町山智浩 (@TomoMachi) September 3, 2021
#高市早苗さんを総理大臣に
— 君に届け!滑稽新聞@空気を変える (@akasakaromantei) September 4, 2021
などという狂気のタグがトレンド入りしてるので、この狂気の動画を置いときます。狂ってるなと思った人はいいねをお願いします
pic.twitter.com/XmaZHueFPQ
サナエノミクスだって。 pic.twitter.com/l0BrUZ80Yt
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) September 4, 2021
「安倍前首相が高市早苗氏支持の意向 「ポスト菅」の動き活発化<自民党総裁選>」
1回目の投票でいずれの候補者も過半数に届かなければ、上位2名の決選投票になる。その際、国会議員票383票に対し、党員票は47票。安倍前首相が、2012年に自分が勝利した時のパターンをねらっているのは明らかだ。決選投票で派閥の力学を使って岸田氏に勝たせ、実権を握ろうとしている。 https://t.co/UjO5wo2d23
— 中島岳志 (@nakajima1975) September 4, 2021
この際なので徹底的に高市早苗批判をしているサイトがある。
「安倍が支援、高市早苗の問題はヒトラー礼賛本推薦だけじゃない!「さもしい顔して貰えるもの貰おうという国民ばかり」と弱者攻撃発言」
安倍晋三の高市早苗支持の狙いは、意中の岸田文雄から河野太郎と石破茂に総裁選票が流れるのを防ぎ分散させることにあるという。ファシスト強権体質丸出しの高市の総裁選をめぐる活動自体が、安倍による極右勢力を勢いづかせ自身の再登板に備えた運動だと編集部は看破する。https://t.co/RZN9zBgru0
— アジア記者クラブ(APC) (@2018_apc) September 4, 2021
安倍と二人羽織のナチス女なんて絶対にイヤだ。安倍が高市とか稲田とか女を選ぶのは御しやすいからだろう。自信のない男は自分より優秀な男が怖い。だから安倍のまわりには無能なクズばかり集まる。衰退組織の特徴 https://t.co/ezIMPOmUdk
— MASAYO53 (@masayo53) September 4, 2021
菅義偉首相が退陣表明をおこなったと思ったら、さっそくあの男が動き出した。安倍晋三・前首相が自民党総裁選で高市早苗・前総務相を支援すると打ち出し、細田派幹部にも支援を求めたと報じられたからだ。
安倍前首相といえば、本日には〈昨年持病悪化の為急に職を辞する事となり、国民の皆様にご迷惑をおかけする中、立派に後を引き継いで頂いた菅総理には感謝の気持ちで一杯です〉とツイート。表向きは菅支持を示しながらも実際は「菅降ろし」に暗躍していた張本人だというのに、しれっと感謝ツイートを投稿するという陰険さを見せたばかりだが、この「高市支持」にも当然、裏がある。 本サイトで指摘してきたように、安倍前首相にとって今回の総裁選は「石破茂以外は全員、自分の犬」であり、石破氏さえ落とせれば誰でもいい状態だが、とりわけ次期総裁として好都合なのは完全に自分の言いなりである岸田文雄氏だ。だが、このままでは全体の半数を占める党員・党友票は出馬に意欲を見せている河野太郎氏や石破氏に流れることは必至。そのため、投票先をなるべく分散させようと高市支持を打ち出したのだろう。 事実、高市氏は総裁選の告示前であるにもかかわらず、安倍応援団メディアに次々と登場しては極右思想・政策を全開に。露骨にも経済政策に「ニューアベノミクス」を掲げるばかりか、「(安倍前首相と)コッソリふたりだけの勉強会を重ねてきた」などと発言するなど、高市氏は自分のPRというよりも「安倍健在」を印象づける存在になっているからだ。 どこまで行っても自分の私利私欲でしか動かない──さすがはコロナ禍の「国難」に直面するなか支持率回復を望めないと踏むや否や健康状態を理由に2度目の政権放り出しをおこなった世紀の無責任男なだけあると言うべきだが、しかし今回、安倍前首相が支持を決めたことで、泡沫扱いだった高市氏の存在感が増したことは事実。そして、これは言うまでもなく危険な動きだ。 そもそも高市氏は1994年、「説得できない有権者は抹殺」などという記述のある、ナチス礼賛本『HITLER ヒトラー選挙戦略』(小粥義雄/永田書房)に推薦文を寄せたり、2014年に安倍改造内閣に入閣した際にはネオナチ団体代表とツーショット写真を撮っていたことも発覚するなどウルトラタカ派として知られてきた政治家。自身も「先の戦争は侵略戦争ではなかった」「国会デモを取り締まれ」「福島原発事故で誰も死んでいない」などという暴論を吐いてきた。 また、その言論弾圧体質も有名で、総務相だった2016年には“国は放送局に対して電波停止できる”と国会答弁したこともある。 しかも、こうしたトンデモ極右言動は決して過去の話ではない。つい最近も高市氏のヤバさを象徴する行動が見られた。それは、高市氏が9月2日に安倍前首相も贔屓にしてきたネトウヨ番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』に生出演したことだ。 この『ニュース女子』問題については別稿で詳しく伝える予定だが、その番組内容の悪質さを裁判所が認めた翌日だというのに、高市氏は平然と、何事もなかったかのようにDHCテレビが同じく制作する『虎ノ門ニュース』に生出演したのである。 しかも、この日は司会者の居島一平氏がコロナ陽性で休みをとっているため、百田尚樹『殉愛』騒動でも名前が取り沙汰されたDHCテレビの山田晃社長が代打の司会者を務めたのだが、高市氏は山田氏に「社長様、ですね?」と発言。山田氏は『ニュース女子』裁判で判決が出たあとも「まあまあ勝訴」と発言するなど何ら反省も見せていないが、そんな人物と「社長様」などと和やかに挨拶を交わしたのである。 このような番組に、このタイミングで堂々出演するという事実だけでも神経を疑わざるを得ないが、さらに酷いのが高市氏の主張だ。 同番組では安倍応援団の有本香氏や竹田恒泰氏を前に男系による皇統の継承や憲法改正の必要を訴えた高市氏だったが、同様に有本氏を聞き手に迎えた「月刊Hanada」(飛鳥新社)10月号の記事では「わが政権構想」を披露。 だが、「政権構想」と銘打ちながらも、このインタビューでは初っ端から靖國神社参拝について高市氏が「一人の日本人として、国家存続のために、愛する人たちを守るために、国策に殉じられた方々への御霊に対して、尊崇の念をもって感謝の誠を捧げることは、自らの役職に関係なく、私が大切にしている時間です」と強調。「大東亜戦争」肯定論を繰り広げたと思えば、今度は「世界の真ん中で咲き誇る日本外交の姿を見せてくださったのは、安倍さんです」などと安倍礼賛をはじめる始末。 そして、肝心のコロナ対策は「全世帯にパルスオキシメーターを配布」などというもので、国民への補償や支援金の提案は一切なし。一方で「今後の戦争の様態変化、中国や北朝鮮の活動による国防上のリスクを考えると、研究開発や装備費を含めて防衛予算は大幅に増額すべき」と言い、この状況下で防衛費のさらなる増額を訴えたのだ。 「いまの自民党案よりも、二〇一二年の草案がベターだと私は考えます」 自民党は世間の反発を抑えるため、改憲の手始めとして4項目の改正・追加の提示にとどめているが、なんとこれを高市氏はひっくり返し、「基本的人権の尊重」を削除するなど明治憲法そっくりに仕上がっている2012年の自民党憲法改正草案に戻すべきだと主張。さらに、安倍前首相の意見を反映させて草案で書き換えられた「国防軍」明記にこだわったのだ。 もはや安倍氏が首相時代に大声では言えなかったことを代わりに叫んでいるとしか思えない発言ばかりでウンザリしてくるが、高市氏の問題はこれだけではない。 高市氏の総裁選出馬に対しては「女性初の総理誕生に期待」などとも言われているが、高市氏の思想は、やはり安倍前首相と同じで「反女性」「反・反性差別」と呼ぶべきものだ。 たとえば、2013年には最高裁で婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法規定が違憲とされた判決が出た際には、当時、自民党政調会長だった高市氏は「ものすごく悔しい」と発言。 さらに、菅政権で進みそうになった「選択的夫婦別姓制度」導入の議論では、反対派の議員連盟「『絆』を紡ぐ会」の共同代表として高市氏は「家族単位の社会制度を崩壊させる可能性がある」などと猛反発。結果、導入どころか議論は後退まで追い込まれることに。また、高市氏は導入に反対する文書を、自民党籍を持つ42道府県の議長宛てに自身の名前が入った封筒で発送までしていたこともわかっている。 このように女性の権利や自立、社会進出を阻む言動を繰り返してきた高市氏。しかも、2日に出演した『ひるおび!』(TBS)では、全国紙で初の女性政治部長を務めた毎日新聞の佐藤千矢子氏が、高市氏が選択的夫婦別姓反対の急先鋒だったことなどを例に挙げて「高市さんが女性の活躍を推進・応援するような政策をとってくれるかといえば、そこは疑問に思っている」と指摘したのだが、対して高市氏は「ありがとうございます」と一言。何ひとつ反論せず、むしろ堂々と「何が問題で?」とでも言いたげな態度を見せたのだ。 前述した『ひるおび!』で高市氏は、「お困りの方、生活者の声をきちっと積み上げながら政策を構築していくと、わりと1年、2年で相当なことができる」などと語っていたが、これは選挙対策の中身が空っぽの発言でしかない。 というのも、高市氏は、安倍前首相が会長を務める極右議員連盟である「創生「日本」」が2012年におこなった研修会で、こんな発言をしていた。 「さもしい顔して貰えるものは貰おう。弱者のフリをして少しでも得しよう。そんな国民ばかりでは日本国は滅びてしまいます」 この「さもしい顔して」「弱者のフリ」「人様に迷惑をかけない」という発言は、当時、自民党が積極的に煽動していた生活保護バッシングに乗っかったものであることはあきらかだが、こうして国民の当然の権利を否定する人物がコロナ禍で総理大臣にでもなれば、菅首相以上に「自助」が叫ばれ、棄民政策が加速していくことは間違いないだろう。 安倍氏が首相としてやりたくてもやれなかったこと、言いたくても言えなかったことを煮詰めたら出来上がったとでも言うべき存在。それが高市氏なのだ。 そもそも、高市氏は総務相だった2016年に“国は放送局に対して電波停止できる”と国会答弁した件や、同じく2016年に持ち上がった計925万円の「闇ガネ」疑惑など、問題を数々抱えている。にもかかわらず、安倍前首相は2019年に高市氏を再入閣させ、問題を矮小化させてきた。そしていまは、自分の傀儡であることを高市氏に強調させながら、極右政策を今後も推し進めていくという姿勢を打ち出すための代弁者として、この総裁選で高市氏を動かしていこうというのである。 実際、安倍応援団は軒並み「高市支持」を表明し、ネトウヨもTwitter上で「#高市早苗さんを総理大臣に」と大盛り上がり中で、期待を一身に集めている。自民党内の極右議員も支持に回ることになるだろう。 もちろん、いくら極右票を得たとしても総裁選の有力候補になれるとはかぎらない。だが、注目すべきは総裁選での勝敗ではなく、高市氏の総裁選をめぐる活動自体が、安倍前首相による極右勢力を勢いづけ自身の再登板に備えた運動であるということなのだ。 |
まさに有象無象の総裁選候補者たちなのだが、「在野のアナリスト」氏は冷静に各候補者らを分析していた。
「自民党総裁選の現時点の見方」
菅首相による総裁選不出馬で、俄かに首相になりたい人たちが活発です。まず岸田氏は、戦略の練り直しどころか泡沫転落です。菅氏との1対1なら勝てる、と踏んで二階幹事長には任期を、安倍前首相には森友の再調査などをもちだし、ケンカを吹っかけてきた。それも菅氏のバックに二階氏、安倍氏がいたから。こうなると、その戦略自体が失敗となり、二階氏や安倍氏に支持してもらえない、基礎票の少ない候補となったのです。 安倍氏は高市前総務相を支持、とも伝わりますが、細田派は派を抜けた高市氏を全面的に支持しない、という。さらにいえば、保守層にもこれまで歯牙にもかけられず、むしろ稲田氏の方が後継者と目されていたほどであって、安倍支持層といえど高市氏に乗るかは微妙です。むしろこの動きは、安倍氏の神通力の低下、と見なすこともできそうです。女性であっても、安倍支持層と主張が近いため女性から不人気。杉田水脈氏ほど過激ではないものの、党内の女性議員とて嫌うほど。初の女性宰相という名誉欲のための出馬では、国民にも首を傾げられ、盛り上がりにも欠けることになる。そうなれば集票も期待できず、自民の若手議員としても不満です。安倍ノミクス継承、という主張も失敗をくり返すことになり、また安倍氏としても政権末期には口にもださなかった。そんなものは掘り返されたくもないはずです。石破氏と同じで自民内に味方は少ない。それはリベラルから出発して保守転したこと、風見鶏的であり、一匹狼的であり、大した知識もなく発言してはトラブルを起こす問題児的であり、安倍氏の支持で泡沫からは脱しても、放埓候補の地位は変わりないのでしょう。 河野行革担当相は、国民人気は高くても議員は嫌う。目立ちたがりで、感情の起伏が激しく、言っていることに一貫性もない。一番の問題児ですが、化けの皮が剥がれるまでは選挙の顔になります。麻生氏からは見限られても、恐らく出ればトップでフルスペックの総裁選は勝つでしょう。ただし、決選投票になったとき、勝てるかどうかは不明です。それは安倍ー石破の対決となった9年前を彷彿とさせるのかもしれません。 今回、総裁選で盛り上がってそのまま総選挙も大勝、といった観測もありますが、自民内の派閥の力のなさを露呈し、大きな禍根を残す可能性もかなり高い。安倍チルドレンなどはとにかく勝てる総裁を、重鎮や中堅などは党の安定を望んだ候補を推す。大体、自民には古株から若手まで、権力をにぎるか、すり寄ろうとする議員も多いのですが、それ以上に上意下達の古い体質をひきずっている者が多く、若手の離反を赦さない傾向もあります。自民党という古い体質の組織が、瓦解する一歩となるのかもしれない。熾烈を極める予感が、逆にそうした懸念も生じさせる。総裁選が終わっても相殺選とはならず、遺恨をのこすのなら終わりの始まりであり、小泉政権末期から麻生政権までを彷彿とさせるのかもしれませんね。 |
総裁選の告示が17日らしいので、あと2週間近くもありこれからも何が起こるのかは定かではない。
国民からすれば文字通りの「相殺戦」になって全員が疲労困憊して傷だらけで総選挙に臨んでほしいものである、とオジサンは思う。