一昨日の憲法記念日の5月3日、東京・江東区有明の東京臨海広域防災公園で、「平和といのちと人権を!―許すな!安倍改憲発議―5・3憲法集会」が開かれた様子を昨日のつぶやき「最低最悪の1954年生まれとは誰?」で伝えた。
その中で、登壇した元NHKプロデューサーで武蔵大教授の永田浩三の「安倍君、憲法をいじるのはやめろ」という名演説を紹介したのだが、その中に、「君は実力以上に大事にされました。」というくだりがあった。
思い出したのが、フランスの哲学者ジャン=ジャック・ルソーの小説風教育論「エミール、または教育について」の中で書かれていた、「子どもを不幸にする一番確実な方法」であった。
その方法とは、「いつでもなんでも手に入れられるようにしてやることだ」と説いていた。
まさに安倍晋三は少々の頃から「いつでもなんでも手に入れられる」ような何不自由なく育てられ、気が付いたら日本会議のような右派団体に「実力以上に大事にされ」て、今日の地位を得たことにより、みっともない大人になってしまった。
ほとんどのメディアはあえてスルーしていたが、その記録は永久に残ってしまうだろう。
それは、4月30日の退位礼正殿の儀で起きたことであった。
国民の代表の辞を安倍晋三が読み上げた様子が、内閣広報室が公表した。
10分56秒頃から安倍晋三の狼狽ぶりが始まる。
【退位礼正殿の儀】(10分50秒あたりから??)
以下のツイートは分かりやすく説明してくれている。
あんまり話題になっていませんが、先月の退位礼正殿の儀、安倍首相が国民代表で「お二人がすこやかにあらせられることを願っていません」と挨拶した問題。あれは漢字の読み違いだった様です。
— 誠意大将軍 (@Myoritomo1192) 2019年5月4日
「已(やみ)ません」を
「己(い)ません」と読んだらしい。
さすがでんでん首相の本領発揮。→
おそらく事前に目を通し声を出して読んでいなかったのか、それとも一人で読んだので誰も指摘しなかったのか。安倍晋三「天皇皇后両陛下には、末永くお健やかであらせられますことを願って『いません』」
— 尾張おっぺけぺー (@toubennbenn) 2019年5月4日
誠意大将軍 @Myoritomo1192 さんのこのご指摘https://t.co/E0aQoqT2BY
の箇所をわかりやすく動画に。
官邸HPの掲載はこちら→https://t.co/cqNSyrftjB
こういうことに怒りそうな人が怒らない。欺瞞だね~ pic.twitter.com/OdLl4vE3Td
首相官邸HPには、安倍晋三が読み上げた部分は、「天皇皇后両陛下には、末永くお健(すこ)やかであらせられますことを願ってやみません。」とひらがなで書かれていた。
口先だけの人間の本性がこんなところに出てしまったのであろう、「不幸なこども」であったのかもしれない。
「重箱の隅を突っつくな」と叱られそうだが、日本中に「こんな総理大臣」ということが広まれば幸いである。
さて、安倍政権による「祝賀モード」満載のテレビ各局の番組の中で、昨日は午後からNHKのJリーグの試合中継を見た。
日本代表による国際試合や各種カップ戦などの試合は良く見ていたが、Jリーグのそれも試合開始時点で、18チーム中7位の「北海道コンサドーレ札幌」と12位の「ヴィッセル神戸」との試合をなんでNHKは実況中継したのか理解できなかった。
しかし解説者や元日本代表選手の試合前の話を聞いて、いざ試合が始まるとその理由が良く分かった。
ホームの3連勝中の札幌と、4連敗中だが、スペインやドイツの元代表選手を出さずに日本人の新戦力で臨んだ神戸との試合は、ペナルティエリア内のアグレッシブなプレーがどちらも多く、得点シーンを期待させる好試合であった。
「札幌、進藤バイシクル&武蔵ヘッドで4連勝!! “VIP”揃わない神戸はビジャ弾守れず5連敗」
どちらかのチームを応援することもなかったので試合内容はともかく、オジサンが気になったのは両チームとも守護神であるゴールキーパーが外国人でそれもそろって韓国の代表クラスの選手であった、ということである。
その現象については、「日本人GKが伸び悩むなか韓国代表クラスの守護神が多くプレー J1の9クラブに在籍」という興味深い記事があった。
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9、7、2。なんの数字かというとGKの話。全18クラブで構成されるJ1リーグに、韓国人GKがいるクラブは半分の9つもある。日本人GKのみが7つで、韓国人以外の外国籍GKのいるクラブが2つだ。
J1には韓国代表クラスのGKがずらりと並ぶ。キム・スンギュ(ヴィッセル神戸)、ク・ソンユン(北海道コンサドーレ札幌)、チョン・ソンリョン(川崎フロンターレ)、クォン・スンテ(鹿島アントラーズ)、キム・ジンヒョン(セレッソ大阪)がプレーしている。横浜F・マリノスの朴一圭は日本育ちだが、韓国籍GKとしてカウントした。ほかにキム・ミノ(サガン鳥栖)、ムン・キョンゴン(大分トリニータ)、ゴ・ドンミン(松本山雅FC)で計9人。
それにしても多い。ちなみに韓国以外の外国籍GKはランゲラック(名古屋グランパス)とカミンスキー(ジュビロ磐田)。外国人GKの中で韓国籍は圧倒的に多い。2009年からC大阪で活躍するキム・ジンヒョンらの影響もあるが、Kリーグが1999年から外国人GKの所属、出場を禁止したルールが大きいようだ。韓国は自国GKの育成に成功した一方で、同様のルールがある中国には移籍できず、ヨーロッパへの移籍はかなりハードルが高い。それで優秀なGKが、日本に流れ込んできたという経緯がある。
GKの補強は即効性がある。優れたGKは失点になるはずのシュートを防いでくれる。個人の力でチーム力を上げてくれる。だから外国人GKの補強は日本に限らず、ヨーロッパの強豪クラブの多くも外国人GKだ。
だからといって自国のGKが育たないわけでもなく、例えば1990年代のポルトガルは外国人GKが目立っていたが、ビトール・バイーアやキム・シルバ、リカルド・ペレイラといった名手も生み出していて、ポルトガル代表のGKが弱点という事態にはなっていなかった。
かつてGK王国だったイングランドも、今ではビッグクラブのGKは軒並み外国人選手になった。しかし2018年ロシア・ワールドカップでは、若手のジョーダン・ピックフォード(エバートン)が活躍している。外国人GKが増えると必然的に自国GKの層が薄くなるとはいえ、代表チームのGKに相応しい選手がいなくなることもないようだ。
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サッカー後進国であった日本は、初めてプロサッカーのJリーグを発足した当時は、諸外国の元代表クラスの選手を呼び寄せて、国内選手のレベル向上と観客動員数の増加を図っていた。
日本のJリーグ発足の1993年より10年ほど早く発足した韓国のKリーグでは、1990年代、ソ連(タジキスタン)出身のGKヴァレリー・サリチェフが大活躍したことで、多くのクラブがロシア人選手に正GKの座を託すようになった。
結果、韓国人GKのレベルが低下し、この状況に危機感を抱いたKリーグ側は、1999年から外国人GKの選手登録を禁止するレギュレーションに変更したことにより、この環境下で育った韓国人GKが現在、Jリーグに大量流入しているということらしい。
「外国GK選手の鎖国政策」を続けた結果が、国内GKの、それも体格的に近いに日本に流出したということになる。
プロサッカーのクラブでは国籍は問わず、チームにとって必要とあらば高額な移籍金を支払って代表クラスの選手を世界中から集めることが常識である。
日本における韓国人GKは決して高額な移籍金が動いたわけではないだろうが、少なくとも韓国人GKが体力的にも精神的にも日本人GKより優れていることは間違いない。
一部の時代遅れの大人や嫌韓本に洗脳された若者は意味もなく韓国を差別するが、たとえテレビ界からは「韓流ブーム」が去ったとしてもJリーグではこれからもまだまだ韓流GKが続きそうである、とオジサンは思う。