新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

「米中露」の核三大国の三すくみから抜け出すには米国の決断次第

2022年03月15日 11時48分40秒 | 戦争と歴史

ロシアのプーチン大統領の執拗なウクライナ殲滅作戦により、国内ではオミクロン株による感染者数が減少したことにより、感染症関連専門家らがテレビから消えて、代わりにロシア問題の専門家や軍事ジャーナリストたちが連日あたかも見てきたかのようなコメントを発している。
 
と同時に国民の目が連日報道されているウクライナの惨状映像を見せつけられ、国内ではまだ通常国会が開催されていることすら忘れ去られているかのようである。
 
昨日の国会模様を、この御仁がいつものように解説しくれていた。
 
220315 与党筆頭理事が野党質疑に「いい加減にしろ」
 
◆質の低い議員、多すぎますよね。私自身、自分は愚かな奴だと思うことはしばしばですが、そんな私が「こいつ、よくこれで議員やれるよ」と思う人は多々おられます。こうした「郷土の恥」のような人は国会に送らないよう、主権者としてしっかり見ていかなければと思います。
 
◆いい加減にしないといけないのは与党筆頭理事の方ですね。
予算を審議して「もらう立場」だという事を自覚していなのでしょうね。
民主主義は少数意見を聴く姿勢そのものだと忘れたら政治家失格です。
 
◆わかるなー。自民党の体質、うるせえんだよとか言って、黙らせる感じ。こんなのが、数の論理でのさばってるってわけか??ロシアの味方してるってこと理解してるのかなー?いくら予算委員会で予算の話ししないからって、こっちの税金なんだから。税金返して欲しいです。ロシアにあげちゃうなら。
 
国会の参院予算委員会での与党の筆頭理事の野党議員の発言封じ込みとも思えるヤジは論外なのだが、一昨日の自民党の党大会では、岸田政権の発足後、初の開催となったのだが、ハト派を自任してきた岸田文雄首相(党総裁)が演説で強調したのは、ウクライナ危機を受けた日本の防衛力強化や、安倍政権下で党がまとめた憲法9条への自衛隊明記を含む「改憲4項目」の実現という保守色の強い政策だった。
 
強まる保守色、薄れる『岸田カラー』 自民党大会で『防衛力強化』『改憲』強調
    

◆「新自由主義的政策の転換」の表現消える
 首相は演説の終盤で「わが党が示す4項目は、いずれも今こそ取り組まなければならない課題だ。憲法改正という党是を成し遂げよう」と呼びかけた。
 党大会で決定した運動方針では、改憲の項目は新型コロナウイルス対応を上回る分量。「早期の実現」を掲げ「国民の理解を得つつ、憲法改正原案の国会発議を目指す」と明記した。
 池田勇人元首相以来のハト派の派閥「宏池会」を率い、穏健派として知られた首相だが、防衛力強化も真っ先に取り上げ、外交・安全保障政策の長期指針「国家安全保障戦略」など3文書の見直しを進める考えを重ねて示した。
 首相の演説には、随所に最大派閥の会長を務める安倍晋三元首相ら保守派への配慮がにじんだ。
 自らが掲げる「新しい資本主義」に関連し、安倍氏が進めた経済政策アベノミクスを「もはやデフレではないという状況にまで来ることができた」と持ち上げた。昨年の総裁選などで、安倍・菅両政権の経済政策との違いとして強調していた「新自由主義的な政策を転換」との表現も消えた。
◆安倍・菅両政権「負の遺産」には言及せず
 首相は改革姿勢をアピールしようと、総裁選で約束した党役員の任期制を決定したことを挙げ「自民党が自ら変われることを示し、信頼を確たるものにする」と胸を張った。だが安倍・菅両政権の「負の遺産」に言及することはなかった。
 安倍政権では森友・加計学園や「桜を見る会」の問題が表面化し、公文書改ざんや政治の私物化疑惑が次々と浮上。閣僚経験者らの「政治とカネ」の問題も相次ぎ、2019年の参院選広島選挙区を舞台にした買収事件では、河井克行元法相の実刑、妻案里氏の有罪がそれぞれ確定しているが、反省の弁や国民への謝罪の言葉はなかった。
 新型コロナへの対応では、3回目のワクチン接種は計画通りに進まなかったが、演説では後手に回ったことへの説明は素通りした。繰り返し訴えていた「最悪を想定」の言葉はなく、いまだに高齢者を中心に死者数が高止まりしているにもかかわらず「出口に向けて動きを進めて行く」と明言。経済を優先し、世論の離反を招いた菅義偉前首相の姿勢との違いは見えにくくなった。
 演説と運動方針では、連立を組む公明党との連携や、立憲民主党を支援する連合との関係強化も打ち出した。すべてが夏の参院選を意識した動きであることは間違いないが、各方面に手を伸ばすほど首相の独自色は薄まることになる。

 
やはり昨年の自民党総裁で「聞く力」を強調していた岸田文雄はその「聞く相手」が国民ではないことを自らさらけ出し、「岸田カラー」は「岸田カラッポ」だったようである。
 
そして首相になってからの「看板政策」も早くも模様替えしてしまったのだろう。
 
さて、高校の後輩で大阪府知事時代の部下でもあった大石あきこを訴えた橋下徹は、ロシアによるウクライナ侵攻に対し、テレビや自身のツイッターなどで「政治的妥結が必要」と独自の意見を発信していたのだが、出演したあるテレビ番組ではジャーナリストの櫻井よしこ論破され、最近では発言がトーンダウンしてきてきたらしい。      
 

 
まさに口先番長の地金が露呈してしまったということなのだろう。
 
ところで、お馴染みの長周新聞のコラム「 コラム狙撃兵」では最近のウクライナをめぐる情勢に関して、「熱狂」とファシズム」と題して最近のこんな風潮を危惧していた。
 
戦争反対! それは初めからはっきりしている。無辜の民衆が殺されるようなことは、いかなる国際情勢においても許されることではない。当たり前の話ではないか。ところがどうだろうか。ウクライナ危機の深層や歴史的経緯、そもそもの発端などどこ吹く風で、またそのような地政学的な事情など思考することすら放棄しながら、もっぱら西側から垂れ流される情報だけを見て、反ロシア、反プーチンに染まらなければけしからんというような、極めて一方的かつ極端なファシズムの空気が覆っているではないか。そうでない客観的立場に身を置こうとすると、「どっちの味方なのか!」と迫ってくる圧もすごいものがある。「プーチンの肩を持つのか!」「戦争反対じゃないのか!」などといってくる者もいる。ウクライナの民衆が逃げ惑わなければならない状況に同じように心を痛めているのに、なぜ、バイデンやゼレンスキーの味方でなかったら戦争を肯定しているかのような烙印を押され、プーチンの味方になるんだよ! どっちの味方でもねーよ! と思うのである。
 なぜ、どっちかの味方でなければならないのかも意味不明である。欧米vsロシアの矛盾に緩衝国家として巻き込まれたウクライナの民衆の生命を脅かさないためにも、一刻も早く停戦交渉に持ち込む第三国の介在が必要であり、そのためにはさし当たり焦眉の矛盾についても棚上げするくらい、ロシアに対しても粘り強く交渉できる客観的仲介者がいなければならないのに、そうではなく、一方のプレイヤーである欧米側すなわちアメリカをはじめとしたNATOの側に与して、プーチン悪玉論の側にいなければたちまちバッシングを浴びせるような空気が醸成されている。ネオコンのプロパガンダも大概である。

 
昨日、「プーチンの振り上げた拳の落とし処はどこにあるのか」の中で最後に「プーチンに手を差し伸べることができるのはやはり中国の習近平かもしれない」とつぶやいた。
 
そして、「 コラム狙撃兵」氏も、「ロシアに対しても粘り強く交渉できる客観的仲介者」の必要性を指摘している。
 
その肝心の中国の真意はなかなか国内大手メディアからは伝わってこない。
 
主要国の多くがロシアのウクライナ侵攻を糾弾する中、国連総会緊急特別会合の非難決議に棄権した中国に対して、西側メディアは友好国の蛮行に非難の声を上げられない中国が、国際的にきわめて苦しい立場に追い込まれたと伝えていたが、拓殖大学富坂聰教授はなぜ中国がロシアの行為を「侵略」と呼ぶことがないのかを、中ロ首脳会談後に出された声明を読み込みつつこんな解説をしていた。
 
米国は正義か?中国がロシアの行為を『侵略』と呼ばぬ正当な理由
 
■中国はなぜロシアの行為を「侵略」と呼ばないのか 共同声明から読む
3月11日、全国人民代表大会の閉幕を受け李克強総理が会見した。質疑ではロイター通信の記者が、ロシアの軍事侵攻を「非難しないのか」と質す場面が注目を浴びた。李総理はこれに正面から答えず、中国外交の原則を述べるにとどめた。同じようなことは3月1日、中国外交部の定例会見でもあった。汪文斌報道官がロシアのウクライナでの行いの「定義は何か?」と質されたのだ。
いずれも意図は同じで、中国にロシアの行いを「侵略」と非難させることだった。しかし中国は、「ウクライナ問題に中国の利害はない。中国はずっとウクライナ問題の是非曲直を見極めた上で立場を決めるとしている」と原則論で応じている。
こうしたやり取りを受け西側メディアは「(中国が)苦しい立場にある」と報じた。良好な中ロ関係に配慮するあまり、「ロシアをちゃんと批判できない国」だと。日本の読者が聞いても違和感はないニュースだろうが、正しい受け止め方とは言えない。
というのは報道官たちは苦しい言い訳をしたというよりも質問にうんざりしている様子がありありで、こう繰り返している。
共同声明を精読してくれ──。
ロシアの行動は侵略か否か。それも過不足なく書かれている。声明を読めば、侵略か否かを決められるのは「国連だけ」と中国が考えていることは明白だ。さらに踏み込めば、アメリカが自在に決める秩序には従えないということも理解できる。中国が対ロ経済制裁に歩調を合わせない理由も同じだ。そもそも中国は、制裁の効果を疑問視し続けてきた。
一方のロシアも、苦しいながらドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国の独立を承認し、彼らからの依頼を受けて平和維持のための軍事作戦を展開したという体裁を整えている。これが合法か違法かという論争は残るにしても、国連を意識した手続きは踏んでいるのだ。
アメリカの秩序に違和感のない日本からすれば、ロシアの暴挙に経済制裁を加えることは自然な話だ。しかし、世界は広いという視点に立てば、その考え方は通用しない。西側社会にも属さず、先進国でもなければ、アメリカとの相性が良くない国も数多く存在し、国際社会は形成されているからだ。
戦後の安全保障は、そうした国々を含めて国際連合が一つの秩序として機能することで平和を維持してきた。本来であれば、アメリカは国連の一員でしかない。それが中国やロシアの立場であり、理屈的にはむしろ筋が通っているのだ。
ロシアの暴挙を前に「侵略」という定義もできない中国は「間違っている」という西側メディアの圧力は、一見正しいようでいて明らかな既存秩序への挑戦と破壊なのである。
物足りないとはいえ機能していた一つの秩序を壊すリスクを世界は国際連盟で経験しているはずだ。
いま国連に代わり「アメリカがダメといえばダメ」という秩序をすべての国が受け入れられれば良いが、もしそうでなければ国際連合の権威は失墜──といってもすでにそうなっている面は否めないのだが──する。アメリカを正しい裁判官と認められない国々は、必然的に新たな秩序を確立しようと動き、対立軸を際立たせる。これこそ世界大戦へと向かわせる動力だ。
日本では、ウクライナの人々のため世界が団結してロシアを追い込むことこそが正義だと信じられている。だがそこには、相違点がありながらも何とか一つの秩序を共有しようとしてきた世界を決定的な分断へと向かわせる危うさが潜んでいることに思いを至らせる声が不足している。
われわれは正しいから国連は無視しても良いという考え方の先にあるのは、繰り返しになるが戦争だ。
その意味ではロシアの行いを肯定するというのではなく、彼らが戦争に向かう前にしていた主張を国連という秩序に照らして検証する必要もあるだろう。
さて、そういう意味でも中ロ首脳会談後に出された声明をもう少し細かく──以前にもメルマガで一度少し触れたが──見てゆかなければならない。
全文を読めば明らかなように声明は「反アメリカ」と「国連中心主義」に彩られている。
冒頭から「国際社会には少数の勢力が依然として一国主義を奉じ、強権的に他国の内政に干渉し、他国の持つ正当な利益を損ねている」と対米批判をしているのが典型だ。中ロはこれを認めず、「国連を中心とした国際体系と国際法を基礎とした国際秩序が必要」だと訴えている。
また四つに分けられた各ポイントでは、まず一で「『民主』は一部の限られた国の特許ではない」と、これもアメリカを中心に西側社会が内政に干渉することへの反発だ。アメリカの民主主義が基準ではなく、中ロは「国連憲章」と「世界人権宣言」こそが基準だと主張する。
続く二では、感染症対策、一帯一路構想、そしてマクロ政策、科学技術、気候変動などでの中ロの協力や見解に触れ、三で再び世界の安全についての話題に戻る。
持続可能な世界の安全をテーマとした中ロの合意のなかで特徴的であったのは、「中ロは相互に核心的利益を堅持することを重ねて表明し、国家主権と領土の保持と外部勢力が中ロの内政に干渉することに反対する」という一文だ。これもまたアメリカに対するけん制である。
三では「両国は」という主語に交じって「ロシアは」という主語も登場し「中国の一つの中国政策の支持と台湾が中国の不可分な領土の一部であることを承認し、またあらゆる形での“台独"に反対する」という一文も加わっている。
外国メディアが一斉に取り上げた「NATOの東方拡大に反対する」という一文も三のなかに記されたものだ。
ただ三の範囲は広い。AUKUS(オーストラリア、イギリス、およびアメリカ合衆国の三国間の軍事同盟)を念頭に核拡散への懸念や生物兵器禁止条約の重要性、INF(中距離核戦力全廃条約)廃棄後の欧州で緊張が高まったことなどを指摘している。そして「中国は」という主語で、「ロシアが提出した法的拘束力のある欧州の長期的かつ安定した安全保障の提案を支持する」という立場も示されている。
この提案に対しアメリカが冷淡に応じたことがロ烏戦争の一つの断面だと中国が考えていることが、ここから伝わってくるのだ。
中国の報道官たちが「共同声明を精読してくれ」と繰り返した理由も理解されたのではないだろうか。
そして最後に四がくるのだが、ここで中ロがターゲットにしたのが、実は日本だ。国連への支持と同時に「第二次世界大戦の歴史の歪曲と改ざんの企みに反対する」という一文がそれに当たるが、この話題は紙幅の都合で次の機会に回すことにしよう。
ウクライナ侵攻を目の当たりに、ロシアが破れかぶれの暴挙に出たとの解説が日本ではよく聞かれる。しかし声明を読む限り、ロシアが国連という価値観を案外大切にしていることがうかがえるのだ。

 
原則論を前面に押し出している中国に残念ながら、「ロシアに対しても粘り強く交渉できる客観的仲介者」を期待するのはかなり望み薄かもしれない。
 
「米中露」の核三大国の三すくみから抜け出すには、3週間ほど前に、「世界の『警察官』から引退した米国の凋落がウクライナ侵攻につながった」とのつぶやきの最後でも指摘した、
アメリカが、『ウクライナはNATOに入れない』と一言言えば、この戦争は起きなかった。たった一言コミットすればよかった。東アジア人の一人として率直に言わせてもらえれば、ロシアにすら勝てないアメリカが中国と『競争』して勝てるなどど、その自信過剰はどこから来るのか。ヨーロッパですら仕切れないアメリカが、どうやってアジア太平洋を制して指導することができるのか。」ということではないのだろうか、とオジサンは思う。
 
      

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