戦犯の母方の祖父を自慢しているのが安倍晋三なのだが、同じように硫黄島の戦いで玉砕した日本軍守備隊最高指揮官の栗林忠道陸軍大将が母方の祖父であるという衆議院の憲法審査会で筆頭幹事を務める、自民党の新藤政調会長代理の新藤義孝。
その所属団体が「日本会議国会議員懇談会」とか「神道政治連盟」そして「硫黄島問題懇話会」などを見ればおのずとどのような人物かは容易に想像がつくものである。
2012年の衆議院選挙前の候補者へのアンケートでは、
「問14:(核武装)日本の核武装について、あなたの考えに近いものを一つ選んでください。
回答:1. 将来にわたって検討すべきでない」
と回答していた。
このような御仁なので、「自民・新藤政調会長代理 『憲法審査会で安保議論を』」と息巻くのは当然であろう。
昨日は、「安全保障上の脅威となるヤツは早く排除すべし」と冒頭で安倍晋三非難したのだが、さっそくその安倍晋三に追従する輩も現れていた。
「『敵基地攻撃能力、自民会合で拡大案「ミサイル基地限定ではなく』 安倍元首相の訴え踏まえ…憲法逸脱の懸念」
自民党安全保障調査会は11日の会合で、外交・防衛政策の長期指針「国家安全保障戦略」など3文書改定に向けて、相手国の指揮統制機能を含む敵基地攻撃能力の保有案を示した。これまではミサイルの早期迎撃に主眼を置いた議論だったが、日本への攻撃を指揮する中枢などを含む考えを追加。出席した議員から賛同する意見が相次ぎ、月内にまとめる政府への提言に盛り込むことでおおむね一致した。憲法に基づく専守防衛を逸脱する恐れがある。 会合では、安倍晋三元首相が基地に限定しない「中枢攻撃」の必要性を訴えたことも踏まえ、調査会執行部が敵基地攻撃の範囲について「相手国のミサイル基地に限定されるものではなく、指揮統制機能なども含まれるとすべきではないか」と提起した。政府が従来、保持する防衛力は「自衛のための必要最小限のものに限る」としてきたことから、「『必要最小限度』の自衛力は時々の国際情勢などの諸条件を考慮しながら議論すること」として、時代に応じて柔軟に考える必要性の確認も求めた。 ◆憲法との整合性問われる 政府が敵基地攻撃を法理論上、可能とするのは、自衛のための手段が他にない場合なら憲法が認めている必要最小限度の措置と考えているからだ。 ただ、相手国の軍事拠点などを幅広く攻撃する能力の保有は、憲法に基づく「専守防衛」を超えた本格的な打撃力を持つことになりかねず、憲法との整合性も問われる。歴代政権は相手から攻撃を受けた時に初めて反撃することや、防衛力を「自衛のための必要最小限のものに限る」ことなどを柱とする防衛戦略を採ってきた。相手国の軍事拠点だけでなく、戦争遂行能力そのものを壊滅しようとする自民党の主張は、武力は限定的、抑制的に行使するという従来の見解との乖離かいりが大きく、憲法の理念を逸脱しかねない。 調査会幹事長代理の宮沢博行衆院議員は会合後、記者団に「わが国で(憲法上)禁止されているのは、都市部や人口密集地への攻撃だと多くの議員は思っている」と語った。 新たに保有する能力の名称を実態に即した形で見直すことも議論した。「自衛反撃能力」や「領域外防衛」など、複数の意見が出たため、結論は持ち越した。 |
そもそも「憲法はGHQからの押し付け」と信じ込んでいる連中には、「憲法との整合性」なんかは眼中には無くそんな憲法なんか変えてしまえという浅薄な発想しかないのだろう。
元内閣官房副長官補の柳澤協二はある雑誌で「敵基地攻撃の副作用を考えろ」と言っていた。
「敵基地攻撃能力」といってもどの程度の目標を攻撃するのかわからない。当然、ミサイルの撃ち合いになるわけですから、こちらの攻撃能力をどうやって防護・温存するのか。さらにその周辺にいる住民をどうやって守るのか。それらがセットにならないと「敵基地攻撃能力」は成立しないと思います。せめてそういう議論をしてから考えるべきだと思います。 米国防省の2020年次報告書は、中国は射程が500~5500キロメートルの地上配置型中距離ミサイルを、弾道ミサイルと巡航ミサイルを合わせて1250基以上持っていると指摘しています。 それに対して自衛隊は何基のミサイルを保持して対抗するのか。歴史的に言えば攻撃側は相手の3倍の軍事力が必要とされています。中国の3分の1で良いのか。あるいは3倍の3000基を持つべきなのか。現実的に考えていかないと、「敵基地攻撃能力を持つのか持たないのか」の議論そのものに意味がない。 日本には今でもその気になれば敵基地に届くミサイルは持っています。問題は「敵基地を攻撃するぞ」ということを宣言することが日本にとって有利に働くかどうか、ということです。 黙って持っている分には角が立たないが、力もないくせに「中国の基地を攻撃する」という政策を口にすると、かえって攻撃される動機を3つくってしまう。そにような副作用も考えたうえで結論を出さなければだめだと思います。 |
日本にとっての「敵基地」とはどこの国の基地を指すのか。
上記の柳澤協二の考えでは敵基地は中国を想定しているらしいのだが、安倍晋三にとっては北朝鮮が念頭にあるらしい。
それは「北朝鮮の脅威」をことさら繰り返し訴え、危機感を煽って最大限に利用しているからであると、防衛ジャーナリストの半田滋は「新安全保障論」でこう分析していた。
1998年、北朝鮮が東北地方を横断するルートで「飛翔体」を発射したのを受けて、偵察衛星にあたる情報収集衛星の導入を閣議決定した。「宇宙の平和利用」の空文化はここから始まった。 2003年には北朝鮮ミサイルの「脅威」を背景に、米国が開発したミサイル防衛システムの導入を閣議決定。これまで1兆円を超える導入費を米国に献上した。 12年、北朝鮮が「人工衛星の打ち上げ」を予告すると「警戒のため」と称して自衛隊の部隊配備を計画していた沖縄県の宮古島と石垣島に地対空迎撃システム「PAC3」を持ち込んだ。一方飛翔ルート直下の多良間島へは2人の自衛官を送り込んだだけ。 「頼りになる自衛隊」を演出し、宮古島の駐屯地は19年に開庁、石垣島は22年度に開庁する。 政治利用の最たるものは、北朝鮮がミサイルを発射する度に全国瞬時警報システム(Jアラート)を鳴らしたことだろう。 内閣官房の「国民保護ポータルサイト」には弾道ミサイル落下時の行動として「地面に伏せて頭部を守る」と大真面目に書かれている。上から落ちてくるミサイルに有効とは思えないが、政府はJアラートを鳴らし続けた。 全国の自治体には避難訓練を行うよう求めてきたが、18年6月、当時の菅義偉官房長官は突然、訓練中止を発表した。初の米朝首脳会談ががあり、対話ムードに配慮したのだという。 翌年、2回目の米朝首脳会談が不調に終わると、北朝鮮は、ミサイル発射を再開し、今日に至っている。だが政府はJアラートを鳴らすことなく、避難訓練も再開していない。「北朝鮮の脅威」は政府の都合で高くもなり低くもなる。 岸田文雄政権では、敵基地攻撃の検討が進む。「火星17」を含め今年になって発射した11回のミサイルはいずれも移動式だ。どこにいるのかわからない神出鬼没のミサイル 発射機を攻撃をするのは 不可能に近い。この事実を政政権幹部が知らないはずがない。」 |
そして、こう結論づけている。
「敵基地攻撃は米軍の持つ兵器と性能を揃え、米軍と自衛隊が共同作戦行動できるようにするための方便ではないのか。真の意図を疑わなければならない」
攻撃することばかり思考して、攻撃されることをまともに思考しないことに今日の戦争狂いの特徴があろうと安倍晋三を批判したところで馬の耳に念仏である。
狡猾な安倍晋三の真の意図は岸田文雄政権に対して、防衛費を大幅にアップして米国の最新鋭の戦闘機や武器を爆買させて、己の存在感を米国に示し再び、否3度目の復帰を狙っているのではないだろうか。
そうなれば必然的にこんな声が出てくるのは当然であろう。
「『自民党を叩き潰さなければ…』福田赳夫元首相秘書で党OBの中原義正氏が断言する理由」
「今の自民党はかつての自民党とは全く違う」「とりわけ清和会(清和政策研究会)を潰さない限り、日本の再生はない」ーー。こう怒りの声を上げるのが、福田赳夫元首相の秘書で、自民党本部情報局国際部主事を務めた経験を持つ中原義正氏(79)です。 https://t.co/kVfwK1ITug #日刊ゲンダイDIGITAL
— 日刊ゲンダイDIGITAL (@nikkan_gendai) April 10, 2022
「自民党を叩き潰さなければ…」福田赳夫元首相秘書で党OBの中原義正氏が断言する理由/
— 但馬問屋 (@wanpakuten) April 11, 2022
国政選挙で平気でカネをばらまき、汚職と疑われても仕方がない議員ばかりだ。国会で嘘をつくのも当たり前。無茶苦茶だ。
息子の晋三氏は中身が何もない。内政も外交も勉強していない。 https://t.co/yDA8Hmictv
安倍晋三に中身も何もないことは誰もが分かることだが、そういう「裸の王様」を祭り上げないとやっていけない自民党や日本社会が問題なんだろうと思う。
— 💙Tenko in Heaven💛 (@T_waraguchi) April 11, 2022
周りがマトモであれば、あんな首相は誕生しなかったに違いない。 https://t.co/fj7b3Kd1eN
昔も「自民党をぶっ壊す」と喚いていた自民党員もいたが、したたかな自民党は容易には潰れつぶれはしないし、かつての「万年野党」みたいに瓦解するjこともない。
こんな自民党を支持する国民がいる限りは、たとえ清和会やいまやその会長でもある安倍晋三を潰したところで残念ながら大手マスメディアに守られている自民党は選挙で右翼議員が議席を失うまでは 永遠に続くのであろう、とオジサンは思う。