新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

一体どこを向いて謝っているのか岸田文雄

2023年12月26日 11時58分57秒 | 岸田文雄

ロッキード事件(1976年)、リクルート事件(1988年)が発覚した年の干支は「辰」であり、来年の辰年も政界(特に自民党)を揺さぶる大事件になるのでは、と半農半ジャーナリストの高野孟はこう書いている。
 
 「2024年パー券疑惑で『自民大崩壊』か?ロッキード事件もリクルート事件も『辰年』の奇妙な一致
  

■上がらぬ「政治とカネ」の腐敗体質を糾弾する声。自民党内若手の衰退
ゲン担ぎが好きな永田町になぞらえると、来年の干支(えと)辰年は政界疑獄の年。ロッキード事件(1976年)、リクルート事件(1988年)など、いずれも自民党政権を揺さぶる事件は辰年に起きていている。現在、地検特捜部が捜査中の自民党派閥の「政治とカネ」は岸田政権を崩壊させる可能性が大きいが、過去の自民党疑獄と今回の事件とは大きな違いがある。それは党内から「政治とカネ」の腐敗体質を糾弾し、改革しようという若手議員の声が出てこないという点である。
ロッキード事件では1976年2月から国会で疑惑追及が始まり、その年の6月に新自由クラブの母体が発足。すでに自民党を離党していた河野洋平らと若手議員を中心に金権政治批判の自民党離党組が参加して12月の総選挙で17人当選(追加公認1人)。田中派支配に打撃を与えた。もっとも新自由クラブ内の路線対立で分裂をして自民党との連立後に解体していったが、新自由クラブが世論の金権政治批判の受け皿として機能したことは間違いない。
リクルート事件(1988年)では事件発覚後の自民党国対委員会で一年生の武村正義が、「事件究明をマスコミや司法だけに任せていいのか。自民党自ら調査をおこない、政治と金の問題に真剣に取り組むべきだ」と発言。これに呼応して同じく一年生の鳩山由紀夫、石破茂、渡海紀三朗ら17人が「ユートピア研究会」を立ち上げて党の執行部に提言を続けた。
その後自民党は金丸脱税事件なども発覚したために、「ユートピア研究会」は自民党を離党して「新党さきがけ」を結成。小沢一郎らの「新生党」、細川護煕の「日本新党」などと非自民勢力で政権交代を実現させたものの、小沢を軸とした政権内部の対立と、それに乗じた自民党の切り崩しによって政権は短命に終わった。しかし、当時の「新党さきがけ」が掲げた「憲法遵守、大国主義・全体主義を排して政治改革を進める」という理念は今でも通用する。
■小選挙区制によって牙を抜かれてしまった若手議員たち
大型疑獄事件ではないが、2004年に日歯連が橋本(龍太郎)派への1億円ヤミ献金問題が発覚し、さらに埼玉8区の国会議員の悪質な買収事件を機に補欠選挙が行われた際に、党内から「政治とカネ」を改革する動きがあった。当時、書かれた世耕弘成のブログが興味深い。以下引用する。
 
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安倍晋三幹事長が進める党改革検証・推進委員会の「政治とカネのあり方」部会長に任命され、中間提言としてまとめた。
インターネットによる政治資金収支の公開。
政治献金を現金や小切手で受け取ることの禁止。
収支報告の際は残高証明の添付義務づけ。・政治家個人への政策活動費支給の廃止。・党から議員への現金手渡しの慣行の廃止。
─前近代的な慣行は政党支部に振込をすればいいだけの話だ。事務局長の塩崎恭久議員と入念に打ち合わせ、すでに辞任を表明している安倍幹事長の残存任期中に後戻りができないレベルまでにタスクフォースを編成することにした。しかし、この改革は党内の抵抗が非常に大きかった。結局、私が目指していたインターネットによる政治資金収支の公開は見送られた。
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この世耕ブログの内容は、塩崎恭久事務局長のブログとも符合するが、その後、この話は出てこない。今回の安倍派の裏ガネ作りでは、森喜朗が2004年から差配をしていたと報じられているから、時期的にも合っている。
ロッキード事件、リクルート事件、そして日歯連事件での自民党内の動きを見てきたが、いずれも若手が声を上げていて、成功・不成功は置くとしても自浄作用を働かせようとして足跡が見て取れる。今回、若手の声が聞こえてこない理由はいくつか考えられるが、小選挙区制によって牙を抜かれてしまったことは間違いない。そして、かつて党改革を叫んでいた世耕が安倍派疑惑の渦中の人物になっていることを見ると、もはや自民党に救いはないといえる。


 
「小選挙区制度」の弊害、そして2世、3世議員の跋扈などを考えると、もはや抜本的な解決案はないのだろう。
 
さらに「派閥」というヤクザ組織も大きな弊害となっているのだが、それを物語る特徴的な発言があった。
 
裏金問題で自見大臣が派閥退会届、二階俊博会長が激怒!《派閥という名のヤクザ組織》とSNS震撼
 


 
なんとなく階俊博会長の激怒した気持ちもわからないことはないのだが、所詮、2世議員の自見英子大臣なので、たたけばいくらでも埃が出てくるものである。
 
自見英子大臣に新たな「政治とカネ」疑惑…政治資金で父親の政治団体に“仕送り”していた
 

政治資金収支報告書の訂正が相次いでいる自見英子地方創生相(47)に新たな疑惑が浮上した。資金管理団体を通じ、2013年に政界を引退した父親の自見庄三郎元郵政相に毎年多額のカネを融通していたことが判明。8日の参院予算委員会で立憲民主党の蓮舫議員が追及した。
 娘から父親への“仕送り”に使われていたのは、父娘の政治団体だ。自見大臣の資金管理団体「ひまわり会」は庄三郎氏が代表を務める政治団体「庄政会」に対し、2016年に500万円、21年に400万円、22年に450万円を寄付していた。
 蓮舫に寄付の目的を問われた自見大臣は「庄政会は長年にわたり、政治活動を積み重ねてきた実績のある政治団体と承知している。私の父が代表しております」「国を思う気持ちは娘としては大変尊敬はしておりますが、所属する政党が異なり、政治資金団体の引き継ぎも行っていません」とシレッと答弁。自民党議員だった庄三郎氏は郵政民営化に反対して追い出され、紆余曲折を経て出戻りを画策するも、拒否されて引退した。
 自見大臣は「ひまわり会と協力関係にある政治団体として、政治活動に対してさまざまな継続的支援を受けていることを踏まえて寄付した」と釈明したが、額面通りには受け取れない。庄政会は収入の8割前後をひまわり会の寄付に頼っている上、支出はライオンズクラブの会費や写真撮影代、受章記念集増刷代など。「実績のある政治団体」の名残はない。政治団体同士の寄付名目での資金移動は非課税。贈与税や所得税逃れの装置として政治団体を悪用している疑いは濃厚だ。
集金力は億単位
 政治資金に詳しい神戸学院大教授の上脇博之氏はこう指摘する。
「税金逃れの不届き者の所業です。安倍元首相の資金管理団体に関係団体のカネを集めて非課税で相続した昭恵夫人、母親に相場より高い賃料を支払っていた疑惑がくすぶる加藤鮎子こども担当相もそうですが、身内で政治資金を私物化する動きは後を絶たない。血税が原資の政党交付金制度を廃止するのはもちろん、パーティー券収入の収支報告書への記載義務を厳しくするなど、入り口を縛って透明性を高めなければ、出口はやりたい放題。『政治とカネ』の問題は繰り返されます」
 日本医師連盟の組織内候補である自見大臣の集金力は億単位。コロナ婚した橋本岳衆院議員とはケタ違いだ。そのあたりもそそられポイントなのか。


 


 
強制捜索された二階派から退会するという「泥船から早く逃げ出したい」という思いだったのだろうが、身内で税金逃れという、「脱税」をしていたのだから何を言わんか、とあきれてしまう。
 
昔から「KY]という言葉が一時はやっていたが、今の岸田はまさに「国民の空気読めない」KY眼鏡に成り下がっていた。
 
 「政治資金問題『心からお詫び』岸田首相が経団連会合で 『国民の信頼あっての政治の安定』
 
 

岸田首相は25日、来賓として挨拶した経団連の会合で、自民党派閥の政治資金問題に触れ、「たいへん遺憾で、心からおわびする」と述べた。
岸田首相は、東京都内で開かれた経団連の審議員会での挨拶で、派閥の政治資金問題に触れ、「国民の皆様から疑念を持たれている事態を招いていることは、たいへん遺憾なことで、心からお詫びを申し上げる」と陳謝した。
その上で、「国民の信頼あっての政治の安定であり、政治の安定あっての政策の推進だと、改めて肝に銘じて対応していきたい」と述べた。


 

 
 
かなり違和感を覚える岸田文雄の発言であった。
 
自民党の各派閥の政治資金パーティーのパーティー券の購入先はほどんどが自民党に献金している経団連傘下の企業である。
 
謝るのなら、「せっかく購入してもらったパーティー代の一部を課税対象とならない自身の懐に入れてしまったことを詫びるのならまだわかるのだが、そもそも国民の平均給与の10倍以上の歳費を得ている国会記議員に対する国民の怒りと不信感は内閣支持率に如実に表れており、経団連の審議員会で陳謝したということは、やなはり岸田文雄内閣は国民のほうを、むいてはいないということを改めて宣言したと同じであろう、とオジサンは思う。
 

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