丁度1年前にこんなことをつぶやいていた。
「いずれにしても来年も数千種類の食品関連の値上げが確実でますます国民の生活苦が明らかな現状を顧みない岸田文雄の大増税政策を止めるのは、解散総選挙しかないのだろう、とオジサンは思う。」
そしてやはり解散しなかった、否、できなかった岸田文雄は甘く見ていた裏金疑惑により自民党自体が揺らぎ始めていた。
最近は「鈍感力」が褒められる岸田文雄だが、その指摘は決して間違ってはいないようである。
「政権幹部が次々聴取 この異常事態に会食三昧で居座りの岸田首相」
【巻頭特集】ちょっと前までふんぞり返っていた閣僚、党幹部らが地検に一斉に呼ばれて聴取される前代未聞の混乱に、シレッと会食を続ける支持率1割首相の厚顔に唖然。なぜこんな異常事態を招いた首相が居座っているのか。 https://t.co/nckEC7KfM8 #日刊ゲンダイDIGITAL
— 日刊ゲンダイDIGITAL (@nikkan_gendai) December 23, 2023
自民党派閥の裏金疑惑を受け、岸田首相がチンケな言葉で信頼回復の決意を語ってから1週間。案の定、党内は東京地検特捜部の本格捜査に「火だるま」だ。 安倍派と二階派の事務所へのガサ入れに続き、松野前官房長官や高木前国対委員長、世耕前参院幹事長ら安倍派の中枢幹部に次々と任意の事情聴取を要請。近く実施の見通しで、萩生田前政調会長と西村前経産相の聴取も検討しているもようだ。いわゆる「5人衆」は一斉聴取の様相である。 公訴時効にかからない2022年までの5年間で、安倍派の裏金づくりは計5億円規模とされる。派閥主導の裏金システムの実態解明には幹部からの聴取は不可欠。とはいえ、21年10月の岸田政権発足以来、「政権の要」を務めてきた松野をはじめ、安倍派一掃人事まで閣僚や党幹部だった面々が、特捜部に呼ばれて一斉聴取とは前代未聞だ。 20日発売の月刊誌「Hanada」最新号掲載の西村、萩生田、世耕のインタビューは、もはやブラックジョークだ。西村は〈いま総理だったら、何をしますか〉と聞かれ〈第一に積極財政、第二に長年取り組んできた中東政策〉を掲げ、萩生田は〈大谷翔平選手の二刀流どころか、三刀流、四刀流でなければ総理は務まらない〉とビミョーな例えで意欲を示した。世耕に至っては〈いずれは国の舵取りをやってみたいなとは思っています。それだけの経験は積んできた自負もある〉とキッパリ。3人揃って臆面もなく「将来の首相」への野望を言葉の端々ににじませているのだ。 取材時期は、世耕が11月下旬、西村と萩生田は今月上旬。その間も特捜部は裏金捜査を着々と進めていたが、「俺たちに火の粉は及ばない」とタカをくくっていたのだろう。いいツラの皮だ。 聴取対象の5人衆のうち、松野と西村は直近5年間に派閥の実務を取り仕切る事務総長を経験し、高木は現職。特捜部は安倍・二階両派閥の会計責任者を立件する方針で、共謀が認められれば歴代の事務総長も刑事責任を追及される。松野、高木、世耕はそれぞれ1000万円を超える裏金化の疑いがあり、罪に問われかねない立場にある。 派閥の論理にどっぷり漬かり抜け出せない ちょっと前までふんぞり返っていた5人衆に対する聴取要請の報を受け、自民党内は右往左往。所属99人の大半が裏金化を疑われる安倍派の議員や秘書を中心に「次のターゲットは誰だ」「うちは2000万円弱だけど、大丈夫か」と疑心暗鬼に陥り、殺気立っている。 そんな混乱を尻目に、トップの岸田はシレッと会食の日々だ。21日夜に「ザ・キャピトルホテル東急」の日本料理店「水簾」で森山総務会長と会食したのに続き、22日昼も官邸を抜け出し、高級ホテル「The Okura Tokyo」の日本料理店「山里」で麻生副総裁、茂木幹事長とランチ。裏金捜査を受け、党幹部と今後の党内情勢や政権運営について意見を交わしているにしても、豪華メシは必要ない。 22日夜は「ホテルニューオータニ」の会員制クラブ「ガーデンコート」に駆け付け、ゴルフ仲間の山本有二元農相や東急の野本弘文会長らと会食。いよいよもって、ムダな歓談だ。前々からの約束だったのかもしれないが、党内が「政治とカネ」で揺れる中、連日の高級ホテル通いは、ますます世論の反発を招くだけ。支持率1割首相の“鈍感力”には唖然だ。 安倍・二階両派が強制捜査を受けた19日も、岸田は母校・開成高校OBの親睦団体「永霞会」の会合に出席。在学当時の世相を振り返り、「今日より明日はよくなると信じてみんな日本人が頑張った。今の日本をそういう国にしていきたい」と抱負を語ったという。 同僚議員の政治生命が「今日より明日」と日増しに危ぶまれる中、この厚顔ぶり。その足で都内の高級中華料理店に移り、地元・広島選出の国会議員や広島県議会関係者らとの会合にも参加。四川料理に舌鼓を打っていた。岸田の胃袋と神経はどうなっているのか。「食事が喉を通らない」という常人の繊細さとは無縁のようだ。 毎度おなじみ当座しのぎの突貫工事 安倍派一掃の後任人事も突貫工事の付け焼き刃だ。特に当選10回のベテラン、無派閥の渡海紀三朗衆院議員を政調会長に据えた背景には、今なお岸田の「派閥重視」の姿勢がうかがえる。 当初は9月に岸田派に入会した田村憲久政調会長代行の起用案が有力視されたが、岸田はウジウジ。なぜなら同じ岸田派の林芳正氏を官房長官に登用したばかり。安倍派の退場に乗じて2ポストを奪ったと党内で受け取られ「岸田派の焼け太り」と言われるのを恐れたという。果たせるかな、田村の起用案には麻生が「岸田派ばかりじゃないか」と反発したらしい。 今や依存を強める麻生に岸田があらがえるはずもなく、裏金捜査に揺れる安倍派、二階派から選ぶわけにもいかない。選択肢が限られる中、茂木派の加藤勝信元官房長官も候補に挙がったが、すでに党4役に茂木幹事長、小渕選対委員長がおり、3人目の登用は「茂木派偏重」と党内の不満を買ってしまう──。思い悩む中、甘利前幹事長に要職から遠ざかっていた渡海を推挙され、岸田は食いついたというのだ。 しょせん「派閥均衡」に苦しんだ末の窮余の策。岸田は政調会長起用を電話で打診した際、渡海が政治改革の意欲を伝えたのに対し、「それはそれとして」と素っ気ない返事だったという。毎度おなじみ当座をしのげればどうでもいいのだ。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)が言う。 「これだけ派閥の弊害が露見しても、岸田首相は派閥の力学を引きずったまま。安倍派一掃に対し、二階派の閣僚を残すダブルスタンダードも、派閥のバランスに左右されている証拠です。とりわけ二階派だった小泉法相の続投はあり得ません。検察の指揮権を持つ法相が捜査対象である組織の息がかかっていれば更迭がスジですが、二階派の報復を恐れてか、小手先の派閥離脱のポーズでごまかす。岸田首相は『御恩と奉公』の旧態依然とした派閥の論理にどっぷりと漬かり、むしろ派閥の力学に従った方が首相の在職日数を増やせると思い込んでいるフシすらある。いくら国民を愚弄しようが、わが身が大事。驚くほどの日和見主義です」 受け身、侮り、逃げ回り 岸田にもう少し、マトモな神経があれば、こんな異常事態を招いていなかった。派閥パーティー収入の不記載問題が浮上した時点で、自民党総裁として素直に国民にわびて自派閥の実態を説明。他派閥にも洗いざらい打ち明けるよう指示しておけば、ここまで政治不信が高まることはなかった。 ところが、岸田は裏金事件を非常に甘くみていた。各派閥任せの受け身の姿勢に徹し、収支報告書の訂正で済むと侮っていた。11月下旬には国会で疑惑を追及されても「裏金うんぬんという指摘は当たらない」と答弁。楽観ムードの“お花畑”から一転、事態の急変後も「政府の立場」を理由に説明を拒み、派閥パーティー自粛や自身の派閥離脱など場当たり的な後手対応を積み重ねた。より国民の不信感を募らせ、もはや何をやっても許されない域に達している。 「自民党自体の存立を否定されても仕方のない局面なのに、岸田首相は派閥の在り方や法改正の方針など、具体策を何ひとつ示そうとしない。『事態の推移を見ながら、しかるべきタイミングで』と逃げ、決断は常に先送り。もう何もできない政権に継続の正当性はありません」(立正大名誉教授の金子勝氏=憲法) まず説明も謝罪も懺悔もなく、ただ居座り続ける首相を一刻も早く引きずり降ろすこと。それが自民党再生の第一歩だ。 |
核心を突いたこんなコメントもあった。
今回の裏金の仕掛け人が、麻生氏と総理で、
— レボリューション21ⓒ・秋野景春 (@presidentkei201) December 23, 2023
目的が清和会つぶしと経世会の復権、
総理続投だからだと思います。
なので、総理はご満悦なのだと、
本当なら今、退陣していたはずですから。 https://t.co/ExmYHay3Hn
まあ、今年もあと1週間足らずで終わるが、小中学生たちは冬休みに入っており、勤労者諸氏は連日の忘年会で残りも4日足らずといったところかも知れない。
「身内の不祥事で始まり身内の不祥事で暮れる…岸田首相の今年1年『信頼と共感の政治』には遠く」
身内の不祥事で幕を開け、身内のさらにヤバい不祥事で暮れようとしている…。残すところあと1週間となった今年の日本政治を振り返ると、岸田文雄首相にとっては、冒頭のフレーズの様な進み方をした1年ではなかったかと感じる。 現段階で「今年の日本の政治を振り返る」師走感の空気は、永田町にはあまりない。自民党派閥パーティーの政治資金事件が現在進行形で動き、安倍派幹部らの東京地検特捜部による任意の事情聴取もささやかれ、動き次第では岸田政権の今後にも大きく関わる問題だからだ。そんな中ではあるが、岸田政権で起きた主な印象深い出来事を少し思い返してみたい。 1月に発覚したのが、長男で秘書官を務めた翔太郎氏による「外遊中観光&おみやげ購入疑惑」だった。世襲の首相の、さらなる世襲後継者と目され、政務秘書官という重要ポストに就いて「身びいき」批判もあった長男が、外遊先で現地大使館の公用車を使って観光やみやげ物購入に回っていたと「週刊新潮」が報道。首相はしばらく国会でこの問題を追及された。かばう思いもあったのか、おみやげ購入は首相秘書官の「公務」と明言した答弁には、やはり首をひねった。 結局、長男はその後、首相公邸での親族忘年会写真の流出で、秘書官を辞することになったが、「首相の精神安定剤」(自民党関係者)といわれた長男は、こうした報道がなければ「首相は辞めさせなかった」(同)。実際、おみやげ問題の後に職を退くまでに時間がかかった。ご子息は表舞台からは去ったが、世襲批判を受けても「首相が後継を断念することはない」(政界関係者)ようだ。 長男の問題のすぐ後、2月には当時の首相秘書官が性的少数者(LGBT)に対する差別発言をオフレコでしたことが表面化。こちらはあっさり更迭された。首相は通常国会の冒頭から、身内の問題で尻ぬぐいに追われるはめになった。 ただ、この後、首相の運は明らかに上昇カーブを描いた。「外交の岸田」を自任する首相らしく、12年ぶりに来日した韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との「オムライス外交」や、G7首脳でしんがりだったとはいえ、外遊先から番記者もまいて内密に敢行したウクライナへの電撃訪問。ゼレンスキー大統領に持参した広島のお土産品「必勝しゃもじ」の是非に賛否両論は出たが、政権への評価は内閣支持率に反映され、「早期の衆院解散」が現実味を帯びて語られたのもこのころだった。 4月の5つの衆参補選も負けたのは1つだけ。5月の広島サミットではゼレンスキー氏の電撃来日もあった。「今思えば、あのころが岸田政権のピークになるだろう」。最近、こうした声をよく永田町で聞いた。 6月の通常国会閉会直前の「解散におわせ」で、永田町には「解散突風」が吹いたが、複数の関係者は「首相は解散するつもりはなかったはず」と声をそろえた。10月の臨時国会に向けても、首相が衆院解散に踏み切るとの予測があったが結局、尻すぼみに。首相はこのころから、「先送りできない課題1つ1つに一意専心取り組む。それ以外のことは考えていない」と繰り返すようになる、すでに内閣支持率は下降気味。政局が起きそうな空気はあまり感じられなかった。 9月に行った内閣改造は、「辞任ドミノ」が起きた昨年に続き、再び鬼門に。政務三役がそれぞれの担当分野に関する問題で辞任に追い込まれ、特に過去の税金滞納を認めて退いた神田憲次・前財務副大臣の問題には大きな批判が起きた。 「政治とカネ」の問題に、国民は敏感だ。物価高に国民が直面する中でこうした問題が起き、その後「裏金疑惑」も含めた自民党派閥の政治資金問題が、特捜部による強制捜査という異例の展開をたどった。内閣支持率は「危険水域」の2割も切り、過去には退陣に追い込まれた政権もある10%台まで落ち込んでいるのが現状だ。 首相は先日、岸田派の会長を退任する考えを示したが、今年はじめに菅義偉前首相から、首相在任中も派閥会長にとどまることの疑問を呈されても退かなかった。「後手後手」が多かった今年の「岸田政治」を象徴していたように感じる。 今年1月の通常国会開幕時の施政方針演説。岸田首相は「政治とは、慎重な議論と検討を積み重ね、その上に決断し、その決断について国民の代表が議論し、最終的に実行に移す、そうした営み」とした上で「さまざまな議論を通じ、慎重の上にも慎重を期して検討し、それに基づいて決断した政府の方針や、決断を形にした予算案・法律案について、国民の前で正々堂々議論し、実行に移してまいります」と訴えた。「検討」「決断」「議論」の積み重ねにより「信頼と共感の政治を、本年も進めていきます」とも訴えた。 ただ「検討」は乱発したが、「決断」も「議論」もあまり見えなかった。しかも、始まりも終わりも、広い意味での「身内」の不祥事に直面した。首相が訴えた「信頼と共感の政治」がますます後退していると感じる年の瀬だ。 |
さて、毎日新聞の専門編集委員である倉重篤郎が共産党のホープ・山添拓にインタビューした記事を週刊エコノミスト Onlineに載せていた。
「共産党随一の俊英 山添拓が岸田政治の断末魔を暴く」
岸田政権そして自民党に致命傷を負わせた裏金問題の本質とは何か? それは独裁政権下の腐敗であり、記載できないカネの使途ではないか。共産党のホープ・山添拓氏が政権断末魔を斬り、混迷のいまの真の問題を明らかにする。 派閥のパーティー券収支を巡る裏金事件、その政局的破壊力が日々永田町で猛威を振るう。岸田文雄首相は、その中心にいる安倍派の閣僚4人の更迭を含む内閣大改造人事を断行した。安倍派パージにより混乱の収拾を図ろうとしている。 ただ、事が首相の思惑通りにいくかどうかは不透明だ。岸田派もまたパー券収支での不記載が指摘された。安倍派以外の政権内要職者に少額でも同様の裏金が出てこないとも限らない。交代すべき役職者のなり手がいない、と報道されている。「岸田丸」泥舟効果が顕在化してきた。自民党の面々、皆叩(たた)けば埃(ほこり)が出てくる輩(やから)ばかりで、ここでリスクを取りたくない、というのが本音であろう。下手すると泥舟本体の交代を迫られる可能性がある。 その行方は自民党内権力闘争に委ねることにし、この稿では事件の謎にメスを入れたい。一つは、不記載の理由と裏金の使途である。政治資金収支報告書に書き込めば何の問題もないのに、なぜそうしなかったのか。不記載を立件されると公民権停止になることぐらい先刻承知のはずである。 安倍(晋三元首相)1強時代の驕(おご)りもあっただろうし、不記載でよいと派閥から指示があった、との証言も飛び出した。ただ、何か大きなメリットがなければそんな危ない橋は渡らない。では、そのメリットとは何か。個々の議員側からすると、表にできない自由に使えるカネの創出、ということになる。飲み食いではないだろう。内閣で言えば官房機密費的なものか。 パー券を多額購入した企業団体側からするとどうか。議員にキックバック(還流)された部分については、その議員との関係で利益誘導的期待感を抱いてもおかしくない。あらゆる慣習、仕組みは利害によって支えられている、とすれば、それが何であったかが解明されない限り、抜本的再発防止にはつながらない。 実はもう一つわからないことがある。なぜこの局面で、安倍派壊滅につながるスキャンダル捜査が検察当局によって大々的に展開されているのか。安倍政権時代、検察人事に介入しようとしたことに対するリベンジ的なものがあるのか否か。 かつての大疑獄「ロッキード事件」もまた検察主導型(検察リークとメディア報道で事件の骨格を作り被疑者を追い込むパターン)であった。その背景には、田中角栄元首相を嫌った米国一部勢力と時の三木武夫政権の以心伝心、共同作業があった、とされている。春名幹男『ロッキード疑獄 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス』(KADOKAWA、2020年10月)が迫ったテーマだが、今回の事件の背景はどうなのか。 政局に蠢(うごめ)かず、国会には事件の本質、背景に斬り込むことを求めたい。本来なら裏金問題調査特別委員会を特設して、検察捜査と並行して事件の解明に当たるのが筋である。ロ事件もリクルート事件も国会で証人喚問を行い、新事実を発掘、自浄機能を発揮してきた。今回はどうか。弁護士でもある共産党きっての俊英・山添拓参院議員に事件解明の要所と国会の役割を聞いた。かつて本欄に登場した音楽プロデューサー松尾潔氏が、自民の石破茂氏とともに「超党派政治家ドリームチーム」の筆頭に挙げた、言葉と理路の政治家である。 やはり問題は使途か? 「よく不記載問題として報道され、収支報告書に記載さえすれば問題ないと言われる。確かにそうだが、記載しないだけの理由があるのではないか。つまり、入る方を書かなかったのは、出る方に書けなかった理由があるからではないか。議員側がキックバックを受けたカネをどのような形で使っていたかまで、明らかにさせるべきだ。5年で5000万円といわれている人もいる。通常の歳費収入や政治資金とは別で、帳簿上書けない出費があり、その入りも必要になった、という構図に思える」 独裁政権下で裏金作りが常態化か 使途は飲み食い? 「それなら書けますよね。地方議員を接待するとか、土産を渡すこともあるかもしれないが、合法的出費なら領収書付きで問題なく書き込める。書けない支出は何か。それを明らかにすべきだ。買収に使われた可能性もあるのではないか」 「パー券を買う企業団体も程度の違いはあるだろうが、基本的には何らかの便宜供与を期待しての購入でしょう。政治側が資金提供者に利益誘導するという利権構造があって、パー券収支の流れに沿って、企業団体側の利益になるような政治的、行政的な動きをしたとすれば、別の事件になる可能性もある」 不記載という単なる形式犯を超えたものがある? 「そう思いますね。表面化していることは、派閥側の収入の不記載と個々の議員の入りと出の不記載だが、そのカネは何のためにプールされたり、キックバックされているのか、それが裏金問題の本質ではないか」 なぜ派閥経由なのか? 「最大派閥といわれる安倍派のパワーに対する政治的期待も強かったのではないか。議員側には集めやすい、という事情もある」 かつて、迂回献金疑惑というのがあった。2004年に発覚した日歯連の闇献金問題から派生したもので、自民党の政治資金団体経由で特定の議員に献金できる、という闇システムが表面化した。立件には至らなかったが、本来、組織(派閥)宛ての資金が特定議員にも届く点では似ている。 「同じ派閥でもパー券を誰から買うかは選び得る。どのみちその派閥に行くのはわかっているので、この人から買いたいというのはあるだろう。企業団体側にとってみると、大派閥と特定の議員個人の両方に恩を売れる。買う側、売る側双方にわかりやすいかもしれません」 安倍派なぜ多い? 「それだけ緩んでいたのではないか。何で緩んだかは、安倍派の人に聞いてみないとわからないが、あれだけ長期間にわたって数を頼み、やりたい放題やってきたという体験がある。『これくらいは問題ない』ということが慣例化、浸(し)み込んでいたんでしょうね」 モリカケ桜効果? 安倍政権下、森友、加計、「桜を見る会」問題で行政権の乱用や法令違反があったが、安倍氏の政治責任を問うには至らなかった。 |
本来ならば、政権交代可能な野党が存在していれば、とっくに日本は変わっていたことであろう。
共産党は山添拓のような若手をもっと積極的に登用して世代交代を急がなければならない時が迫っているのではないだろうか、とオジサンは思う。