新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

「コロナ対策」と「五輪開催」は、「虻蜂取らず」である

2021年04月26日 11時38分13秒 | 菅義偉

投票前から大方の予想通りの、自民党の「全敗」(3敗)となった25日の国政選挙結果であった。
 
しかし、自民党の牙城と思われていた参院広島選挙区での再選結果は、過去2番目の低い投票率(33.61%)でありながら、低投票率の場合の「組織票」が機能しなかったということは自民党にとっては致命的であった。

 
 ▼宮口治子、諸派・新。当選。37万860票
 ▼西田英範、自民・新。33万6924票。
 ▼佐藤周一、無所属・新。2万848票。
 ▼山本貴平、NHK受信料を支払わない方法を教える党・新。1万6114票。
 ▼大山宏、無所属・新。1万3363票。
 ▼玉田憲勲、無所属・新。8806票。  
  
恒例により、在京各社の「社説」を紹介しておくが、讀賣新聞は「自民の全敗」に声が出なかったのか、Web版社説では一切触れていなかった。
 
朝日新聞「自民3戦全敗 政権運営、反省の時だ
有権者の判断材料は「政治とカネ」の問題に限るまい。3度目の緊急事態宣言に追い込まれたコロナ対策をはじめ、これまでの政権運営に対する総合評価の表れとみるべきだ。首相にはその謙虚さを求めたい。
 一方、共闘が功を奏し、3勝した野党も慢心は禁物だ。長野では、立憲の候補者と共産、社民の地元組織が結んだ政策協定に国民民主が反発し、推薦を一時白紙とする混乱があった。近づく衆院選に向け、選挙区での候補者の一本化と同時に、共通の公約づくりや政権の枠組みに対する考え方のすり合わせを急がねばならない。
 
 
■毎日新聞「衆参3選挙で自民全敗 政権半年への厳しい審判
衆院議員の任期満了まで半年を切った。今回の全敗を受けて、自民党内で「菅首相で総選挙が戦えるのか」との声が強まる可能性がある。
 ただし、今は、コロナの感染爆発を抑えられるかどうかの瀬戸際である。衆院解散をちらつかせたり、政権延命を画策したりするような状況ではない。
 首相はまず喫緊の課題であるコロナの収束に全力で取り組み、有権者の不安や不信に応える責任がある。


  
■産経新聞「自民党『3敗』 有権者の厳しい声を聞け 
「政治とカネ」が最大の争点となった参院広島再選挙は、公職選挙法違反で有罪判決が確定した河井案里前参院議員(自民離党)の当選無効を受けて行われた。与党にとって逆風だったが、それをはね返せなかったのは、有権者に場当たり的な対応を見透かされていたからではなかろうか。
 自民党候補は選挙戦序盤に封印していた「政治とカネ」の問題について、終盤で党本部の批判に転じるなど、真摯にこの問題に向き合ったとは言い難かった。

政権擁護紙の産経新聞ですら、批判せざるを得ないということであろう。
 
■東京新聞「衆参で自民3敗 政権批判と受け止めよ
首相をはじめ自民党は、政治とカネの問題を巡る厳しい世論を深刻に受け止めるべきである。
 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、感染拡大防止や医療態勢の逼迫(ひっぱく)解消に向けた有効な手だてを講じられない政権に対する不信感も、与党・自民党への厳しい判断につながったのだろう。
 3つの国政選挙は、衆院選や7月4日投開票の東京都議選の行方を占う前哨戦とも位置付けられ、発足半年の菅政権の政権運営や政治姿勢を問う選挙でもあった。
 不戦敗を含む全敗を受けて、自民党内で菅氏の下では衆院選は戦えないとの意見が出てくれば、首相交代論が一気に高まり、9月に行われる党総裁選での菅氏再選は難しくなるかもしれない。


 
政権批判の代表的な見方は以下の通りかもしれない。
 
しかし、総選挙となればこんなわけにはいかないことは当たり前なので、「一方、野党側にも課題を残した選挙でもあった。立憲民主、共産、国民民主、社民の野党各党は三選挙区とも野党「統一候補」を立てて臨み、勝利したが、共産党の協力を巡って陣営内に亀裂も残した。次期衆院選で野党共闘を進めるには、選挙態勢の立て直しが急務となるだろう」(東京新聞)という指摘は当然のことである。
 
それでも、少なくとも衆参で2/3の議席を占めていた改憲派議員が減ったということの意義は大きい。

 
さて、「コロナ対策も五輪もしっかり進めていく」と、まさに「二兎を追う者は一兎をも得ず」を文字通り行邁進している菅義偉。
 
「国民の生命と財産を守るのは国の役目」と言って憚らなかった菅義偉だが、だれが見ても五輪開催強行は「国民の生命を守る」ことからは程遠い。
 
それを実証するかのような動きがあった。
 
「赤旗」が、東京五輪・パラリンピック組織委員会が日本看護協会に対して、看護師約500人を大会の医療スタッフとして動員するよう要請したことを明らかにしていた。 

看護師『5日以上を500人』 五輪組織委が看護協会に要請 本紙入手の文書で判明 
組織委は五輪の競技場などに医務室を設置し、医療スタッフを配置する計画。政府は大会期間中に医師、看護師など約1万人の医療スタッフを必要としています。本紙が入手した組織委の要請文によると、「新型コロナウイルス感染症等の感染拡大に伴い、看護職の確保が不十分な状況に至っております」と説明。全国から看護師約500人を集めるよう求めています。
 活動場所は競技会場、選手村の総合診療所(発熱外来含む)、選手村分村、宿泊療養施設など。選手らが新型コロナ感染症を発症することを前提にした対応を求めているとみられます。
 参加日数は原則5日以上。早朝、深夜も含め、1シフトあたり9時間程度としています。大会前の5~7月に予定されている役割別研修の参加は「必須」としています。
 感染の再拡大で政府は25日に、東京都、大阪府、京都府、兵庫県に緊急事態宣言を出します。連日1千人を超す感染者が出ている大阪は医療が逼迫(ひっぱく)しており、政府は各省庁が所管する医療機関に看護師の派遣を呼び掛けるなど深刻な状況が続いています。
医療体制さらに圧迫
健生会ふれあい相互病院(東京都立川市)看護師 井澤有里美さん
 大阪では新型コロナウイルスの感染拡大で命が救えない状況に直面しています。看護協会は大阪に看護師を応援に出そうとマネジメントをしていますが、それがどれだけ大変か。医療の現場では1、2人の派遣であっても「支援頑張ろうね」と絞り出すようにして送り出しています。
 これから医療機関はワクチンの接種もしていきます。通常診療とは別に、人手を割いて特別の体制が必要です。そんな中で、海外から多くの選手、関係者が来たらどうなるか。この方たちが発熱したら外国語での対応など大変な作業になり、医療体制はさらに圧迫されます。
 私たちの目の前には病気になっている人がいます。「オリンピック成功のため」という理由で、苦しんでいる患者さんの前から看護師がいなくなっていいのか。いまは新型コロナに立ち向かうべき時であり、オリンピックは中止すべきです。

 
政府内には「国民の7割以上が常に五輪開催に反対しているものの、いざ東京で始まれば反対していた人たち誰もがテレビで競技にくぎ付けになり、メダルラッシュに沸けば誰も『反対』などと言わなくなると思っている」という輩もいるそうだが、あまりにも国民をバカにしている。 
 
少なくとも国のトップの菅義偉には、改めて「虻蜂取らず」という言葉の意味を考えてもらい、さらに、「虻蜂取らず鷹の餌食」という警句もあり、言い換えれば、「コロナ対策も五輪もしっかり進めていけばどちらも失敗し政権を手放す」ということではないだろうか、とオジサンは思う。 

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