いつからなのかは不明だが、最近の岸田文雄政権と政権党の自民党との関係が決して良好ではないということが露呈し始めている。
発言の真意はともかく、自民党幹事長が野党時代の発言であった「所得制限はつけるべき」ということを撤回して「児童手当の所得制限撤廃」をするべきと国会で発言したことについて、岸田文雄は、「岸田首相、茂木氏の児童手当所得制限撤廃『一つの意見』」と、バッサリ切り捨てていた。
従来の、というより「アベ・スガ」政権時代はありえなかったことであり、何しろ、政権与党の幹事長の発言を、まるで野党の提案を一蹴するかのように切り捨てるということは岸田文雄と自民党の関係が実はうまくいっていないことを物語っているのではないかと勘繰られてしまう。
あらら〜、せっかく茂木幹事長が過去を「反省」して、野党にも協力を呼びかけたと思ったら、その翌日にはこれ。茂木さんの発言は、一つの意見に過ぎないんですってよ。ったく→岸田首相、茂木氏の児童手当所得制限撤廃「一つの意見」(産経新聞)https://t.co/9Sk04mxNfv
— Shoko Egawa (@amneris84) January 30, 2023
ところで、外遊とは、留学や研究、視察などを目的として外国を訪問することを指すのだが、特に政治家など公人が外交目的で諸外国を歴訪することに対して使われることが多い。
この場合の「遊」は、「よその土地に出かけること」なのだが、何を勘違いしたのか、「外国で遊ぶ」という外遊が国会議員の中では常識になっていることも事実である。
それでは政治家ではない単なる秘書が父親の外遊にくっついて訪問先で単独行動した場合、しかもその父親が一国の総理だったら、それは「不肖の息子」のお遊びと済ますわけにはいかないことは当たり前である。
週刊新潮が一部始終をすっぱ抜いていた。
「岸田総理の長男・翔太郎氏が父の外遊先パリ、ロンドンで“観光三昧" 異例の親バカに元首相秘書官は「観光に行く暇などない」と一喝」
子を愛する余り判断を誤る父。甘えて愚かな振る舞いをする子。世間に「親バカ」「子バカ」の例は山のようにあるが、岸田文雄総理(65)も例外ではなかった。批判に抗して長男に秘書官の重責を担わせてみたものの、その任に堪えず。悪評が漏れ出ているという。 ■政権の寿命を左右するポジション そんな中、手負いの総理を支えるのは、身の回り、すなわち“側近"たちの仕事。そこが盤石であればこの難局は乗り切れるはず。 ところが、だ。 「今、政府に関わるスタッフたちの間で“大丈夫か?"と話題になっている“側近"がいるんです」 と声を潜めるのは、さる政府関係者。 「それというのが、首相秘書官の岸田翔太郎さん(32)のこと。言わずと知れた総理のご長男ですよね。昨秋に秘書官に就いたばかりですが、早くもその言動に疑問符が付いているのです」 首相秘書官とは、正確には内閣総理大臣秘書官といい、文字通り総理を秘書、つまり黒子として支える役職だ。 総理が任ずる「政務担当秘書官」と、各省庁から選ばれた「事務担当秘書官」とに分かれ、現在、前者は嶋田隆・元経産省事務次官と翔太郎氏の2名、後者は財務省や警察庁などからの6名の出向者が務めている。 歴代の長期政権には、大物の政務担当秘書官が付き物であった。約5年続いた小泉政権には飯島勲氏が控え、「官邸のラスプーチン」の異名でにらみを利かせていたし、約8年続いた第2次安倍政権時の経産省出身、今井尚哉氏は「総理の分身」と言われるほど信頼が厚かった。その人の資質や能力が政権の寿命を左右すると言っても過言ではない。 ■「翔太郎氏の振る舞いが…」 「岸田総理は1月の初旬から中旬にかけて、欧米5カ国を訪問しています」 と言うのは、先の政府関係者。 総理一行は1月9日に日本を出国、その後フランス、イタリア、イギリス、カナダ、アメリカでそれぞれのトップと会談を開き、内外記者会見を終えた後、15日に帰国している。 しかし、 「そこに同行していた翔太郎さんの振る舞いがあまりに物見遊山めいていたことが話題になっているんです」(同) ■観光地を巡りたいという要請 今回の外遊の目的は5月に行うサミットの地ならし。自国、しかも総理の地元・広島で開催するだけに、その成否は支持率に直結するから、G7中5カ国の首脳と会談する意味は極めて重大であった。 「まず、フランスで最初の問題が発生しました」 と先の政府関係者。 岸田総理が同国に到着したのは現地時間の1月9日。到着後、ユネスコ事務局長の表敬を受けた後、憲法院の院長と懇談、国際エネルギー機関の事務局長の表敬も。マクロン大統領とノートルダム大聖堂を訪れた後、共同記者会見、夕食会、会談に臨むという分刻みのスケジュールだ。その間、 「現地の大使館には翔太郎さんから、パリ市内の観光地を巡りたいとの要請があったそうです。大使館は車を回し、彼はお望みの名所を訪れている。それだけでなく、夕食はビストロを、とのことで、現地のアテンドで気心の知れたスタッフと舌鼓を打ったそうです」 翔太郎氏はパリが初めてだったとか。カジュアルなレストランでさぞ楽しい宴を開いたことであろう。ちなみに、その時間、岸田総理は大統領と膝を突き合わせて話し合っていた。 「その次の訪問先、イタリアでは滞在時間も短く、翔太郎さんも大人しくしていたのでは」 と政府関係者が続ける。 「が、続いて訪れたイギリスでは、また“ご要望"が。いわく、ロンドン市内を“見学"したいとのことで、やはり大使館が回した車で、ビッグベンやバッキンガム宮殿を訪れ、ハロッズにも寄っています」 ■カナダで“事件"が 老舗超高級百貨店でお買い物を楽しんだわけだが、やはりその日の岸田総理は多忙で、シンクタンク所長の表敬を受け、スナク首相と会談、ロンドン塔を訪れた後は会見にも臨んでいる。親の心子知らずとはこのことか。 翔太郎氏の「諸国漫遊」はこれにとどまらない。この後、一行は大西洋を越え、カナダに到着するが、ここでも周囲のひんしゅくを買う“事件"を起こしたという。 同国で岸田総理は、トルドー首相との会談を行い、その後、首相主催の経済関係者を交えた昼食会に出席した。その場に翔太郎氏も同席していたが、「彼は首脳たちとは別テーブルだったそうです」 と政府関係者。 「そこで、トルドー首相と写真を撮りたいと言い出した。そんな予定はなかったのでスタッフはあたふたしていたとか。結局ゴネ得で、会の終了後、別室でトルドーと総理と三人で写真に納まることができた。慌てた現場からは“いい気なもんだ"と文句の声が上がっていたそうです」 むろん総理の息子でなければ実現しなかったはず。 ■大使館員も観光に同行 おまけに、海を越えても観光気分は抜けていなかったようで、 「オタワ市内のマーケットに出向き、酒屋でワイン、土産物屋でお土産購入に勤しんでいた、とのこと」(同) 首相との記者会見に臨むパパを横目に、心は日本の友人知人に向かっていたということだろうか。 「その後、岸田総理はアメリカへ向かい、ワシントンでバイデン大統領などと会談して外遊を終えます」 と政府関係者が続ける。 「この旅程の間、翔太郎さんにはリエゾンと呼ばれる、現地での調整・連絡係の大使館員が常に付いていました。ですから、こうしたスタッフも“ご観光"に同行させられることになったんです。また、観光地巡りの度に大使館の公用車を出す必要があったため、それにも手間がかかる。各国の大使館員にとって大きな負担となっていました」 ■“親バカ人事" 翔太郎氏は1991年、広島生まれの32歳。地元の名門・修道中高から慶應義塾大に進み、卒業後は三井物産に就職したエリートだ。6年間勤務した後、2020年に岸田事務所で公設第2秘書となる。岸田家は現総理のみならず先代も先々代も衆議院議員を務めているから、「政治一家」の4代目に当たる。 父の総理就任1年後の昨年10月、首相秘書官に就くも、「縁故採用」と批判されたのは記憶に新しい。 「就任時から岸田総理は、翔太郎さんを秘書官にするつもりでいました」 と解説するのは、政治ジャーナリストの泉宏氏だ。 「しかし、岸田事務所には総理が政界入りした時から傍に仕える生え抜きのベテラン秘書がいた。苦労に報いる意味もあり、まずは彼を付け、その後1年経った際に翔太郎さんに交代させた。総理にとっては既定方針でしたが、臨時国会召集翌日のタイミングになったために、“親バカ人事"との批判を招いたわけです」 とはいえ、前述のように、翔太郎氏はまだ32歳で、永田町歴も2年とキャリア不足は否めない。 「総理はそう遠くない将来、跡継ぎとして翔太郎さんの政界入りを想定しているはず。総理自身も翔太郎さんと同じ31歳の年に父上の秘書になり、政界でのキャリアをスタートさせていますから、それと同じ道を歩ませているように見えます」 箔付けの感が強い人事だったというわけである。 ■朝食も一緒 その翔太郎氏がどんな仕事をしているかといえば、 「首席秘書官である嶋田さんは、元経産次官であることからわかるように政策の人。一方の翔太郎さんは総理の身近に控え、意向や体調を見つつ、細かい日程管理や調整をするのが仕事です」 と解説するのは、政治ジャーナリストの青山和弘氏。 「総理の細かな変化に配慮することが職務。もうひとつの仕事としてSNS対策があります。岸田総理はSNSを全く見ませんので、それを補うのが若い彼。総理の言動や政策がSNS上でどう見られているかをチェックし、報告しています」 もともと総理のご長男への溺愛ぶりはつとに知られていて、地元・広島の政界関係者によれば、 「岸田さんの事務所の会報のタイトルは『翔』。息子さんの名前から取ったものでしょう。総理になる前は議員宿舎、総理になった今は公邸で一緒に暮らしています。総理就任後は毎朝、4~5時に起き、一緒に朝食を取りながらコミュニケーションを図っているそうです」 自民党関係者も言う。 「翔太郎さんは首相秘書官になる前から、複数回、総理の外遊に同行し、政府専用機にも乗せてもらっていました。将来に向けて経験を積ませるためでしょうが、政府専用機とは文字通り、政府のスタッフが乗るためのもの。息子とはいえ、立場としては衆議院議員の事務所スタッフに過ぎない翔太郎さんが乗っていたのには、違和感を禁じ得ません」 ■「とても観光に行く暇などなかった」 内閣府によれば、政府専用機はその都度の外遊で必要と判断されたメンバーが搭乗可能で、使用者に特段の規定はないという。 しかし、「話を聞いて驚きました」 とは、過去の内閣で首相秘書官を務めたさる人物。 「少なくとも自分が秘書官の時は総理の事務所の秘書を政府専用機に同乗させたことはありません。彼らは基本的に外交とは関係がありませんし、身の回りの世話なら、外務省のスタッフで可能。外遊に連れて行くという発想すらありませんでした」 と言うから、やはり「特別扱い」の感ありあり。 物見遊山についても、「よくそんな暇があったなという印象です。自分は現地で業務に追われ、とても観光に行く暇などなかったですから……」 失礼ながら、翔太郎氏のキャリア不足は否めず、外交現場に行っても役割がなく暇を持て余していたのだろうが、それにしても真剣味に欠けていることだけは間違いない。 |
それにしても、なんで首相同行大手メディアでなく週刊誌が事細かく報道できたのかという疑問がわく。
「岸田首相の長男秘書官「外遊中に観光旅行」報道ではてな…同行した大手メディア記者は何をしていたのか?」という記事によれば、「岸田首相は5月に広島で開かれるG7サミットの地ならしを目的に欧米を歴訪。当然、複数の総理番記者に加え、現地の特派員記者らも同行していたはずだが、これらの記者は翔太郎氏の行動をどう見ていたのか。」と疑問を投げかけ、
「《まさかとは思うが、大手メディアの記者も秘書官と一緒に観光していたりして。だから、誰も報じられないとか》といった指摘が出ている。
さらには、「このまま翔太郎氏の疑惑について大手メディアが『沈黙』するのか、それとも徹底追及していくのか。その報道姿勢も問われている。」と結んでいたが、おそらくは官邸から口止めされていたのであろう。
独自取材できない野党は週刊誌記事を見て、立憲民主党が公用車の使用状況や訪問先などについて、政府に質問状を送っていたのだが、「【速報】政府 岸田翔太郎氏の“外遊中の観光"報道めぐる質問状に『ゼロ回答』 訪問先など公表せず」という隠ぺい姿勢を見せた。
さすがにネット民からはこんな声が殺到していた。
●公表するかどうかではなく、質問状に対して回答すれば良いのではないかな 特に問題になる行動がなければ、きちんと回答するば良いでしょう しかも、週刊誌の取材ではなく国会議員の質問なんだから、回答した上で公表は控えるでも良いと自分は思うけど 勿論、その回答内容によっては、質問した側が問題と思えば公表と言うか、これは問題だと指摘するだろうし、問題がないと思えば内容を確認したが公務なので問題はないと言えば済むだけの話。きちんと回答しないといけないよね。 ●具体的な訪問先などは「総理の随行者の訪問先は従来より公表はしていない」などとして詳細を明らかにしませんでした。 ⇒慣習に固執する理由が分かりません。 この件はメディアでも大きくとりあげられて国民の関心が高い事案です。 公表しない理由が法的に禁止されているとかならまだしも「従来より公表していないから」というのは如何なものでしょうか? 「首相動静」が公表されているのですから、秘書官が秘匿というのは考えにくいですが。 公表してもしなくてもいいものであるならば公表すれば済む事。 逆に公表しない事で「やましい事があった」と疑念を持たれても致し方無いと思います。 ●政治経験も省庁での勤務経験もない自分の息子を、重要ポストである総理秘書官に抜擢して、国民からは報酬の無駄だの、権力の岸田家への集中化にような批判を浴び、それでも悔い改めることなく外遊中の観光旅行を疑われいるにもかかわらず、ゼロ回答というのはよろしくないですね。 疑いを晴らすうえでは、情報の徹底的な公開が必要なことは危機管理上も明らかで、危機管理のなっていない岸田政権ならでは対応と言えるでしょう。 問題はこのような対応をみて国民がどう判断するかだけど、支持率は下げ止まっているようだし、不満に思っても野党支持にならないところが岸田が反省しない理由であることも明らかで、この国は独裁と言ってよいのかもしれない。 |
こんな世論に敏感に反応したのか昨日の予算委員会では、こんな答弁をしていた。
「岸田首相、土産『閣僚らに配るため』 長男秘書官の買い物で答弁 立民・山井氏『国民へ向けた仕事させるべき』」
によれば、「ある省の幹部は「土産は閣僚へ配布」との首相答弁に「閣議後会見で大臣が『何をもらったのか』と追及されかねない。とんだ外遊土産。巻き込まないでほしい」と怒りをあらわにした」という。
さらには、「質問状への回答で首相や松野博一官房長官が答弁に立たず、官僚に委ねたことには「『情報が外務省から漏れた』と断じた官邸の意趣返しだろうが大人げない」(同省関係者)との批判が聞かれ、波紋は国会から霞が関へと広がっている。」というから、岸田文雄は自民党幹部のみならず霞が関官僚を疑心暗鬼させているらしい。
もはや、岸田文雄が「獅子身中の虫」であるバカ息子翔太郎のクビを切るまで、騒動は収まらないのではないか、とオジサンは思う。