もうすぐロシアのウクライナ侵攻から1年になる昨今、ウクライナ支援のNATOの主要国の動きに大きな変化が表れている。
第2次大戦の教訓を生かし、欧州を戦場にしてはいけないと、ウクライナへの武器供与も慎重にしてきたドイツ政府はここにきて主力戦車「レオパルト2」を供与する方針を決めた。
既にフランスは昨年来、自走榴弾(りゅうだん)砲「カエサル」をウクライナに提供してきたが、今回軽戦車「AMX-10 RC」、歩兵戦闘車「マルダー」の投入を決定。
欧州各国はロシアから交戦国とみなされるのを嫌い武器供与も最小限にしてきたが、政策転換が始まったといえるのだが、英国も主力戦車「チャレンジャー2」の供与を決め、米国も主力戦車「エイブラムス」を供与することになり、ロシアとウクライナは地上戦が主戦場になりつつある。
「在野のアナリスト」氏は最近の情勢をこう書いていた。
「ウクライナへの戦車供与」
独国、米国など、次々と戦車の供与を表明していますが、正直ウクライナにとっては乗りこなすのも大変な兵器を、ちょこちょこ少量送られても困るところでしょう。むしろ、どんと一括で百台とか、そういう送り方ができればよいですが、自国の防衛力の低下も考えれば、そうもいかない。一方で、自国の兵士を供与して戦車の活用を行わせる、といったことまでできれば、一気に形勢が傾きます。ただそんなことをすれば、露国は間違いなくそうした国も参戦した、として攻撃対象に加えることになるのでしょう。 そんな中、森元首相が「露国が負けるはずない」と講演で語り、波紋が広がります。露国利権を築いてきた森氏。「負けてもらっては困る」が本音でしょう。ただここで西側が供与する戦車が、機能し始める半年後、情勢ががらりと変わる可能性もある。問題は、露国の負けが確実になったとき、露国の次の選択肢が何か? です。重要なのは2点、露国が大量破壊兵器など、無茶な攻撃を仕掛けることと、露国内で政変が起きること、です。政権内は、プーチン氏の傀儡が多いですが、軍の重要人物をころころと変えていると、クーデターが起きる可能性がある。それで露国が平和的な国になればよいですが、むしろより危険な国へと変貌する可能性もあります。 ウクライナでは、露軍から鹵獲した戦車をつかい、反撃しているとの話もあります。明らかに露軍の方が犠牲が多く、また兵器すら奪われて反撃を食らう。プーチン大統領のメンツどころか、露国が物笑いの種です。個人はTV報道で、未だに真実を知らない、といったことはありますが、軍内は心穏やかでないはずです。その怒り、いら立ちが頂点に達したとき、軍はクーデターという手段をとることが往々にしてあります。 今年、露国があえて欧米各国にむけて、戦線を拡大するようなちょっかいをかけることが警戒されますが、それと同時に露国の政変についても、警戒しておいた方がよいのでしょう。以前、ウクライナに勝たせたくない、というのが西側の本音と語る人もいましたが、戦車の供与は明らかにそれとは異なる、露国に勝たせたくない、西側の事情が透けてみえます。そしてそのとき、露国にも異なる決断が迫られるのでしょう。 |
さらに、元国連紛争調停官の島田久仁彦が、プーチン氏が軍事侵攻という暴挙に出た動機を改めて分析した上で、「プーチン大統領は失敗したのか否か」について詳しく検証していた。
「威光に翳りも。プーチンのウクライナ軍事侵攻は、結局『失敗』だったのか?」
■プーチン大統領は失敗したのか? 「もし皆さんが日本の45倍の領土を持ちつつ、その6割が永久凍土に覆われ、国土の8割にあたる土地で人が住めない環境にある国で、国内に190近い少数民族を抱え、14の国々と国境を接している国のリーダーなら、この世界はどう見え、その世界でどう振舞うでしょうか?」 勘のいい方ならすぐにこの“リーダー"が誰のことかお分かりになるかと思います。 はい、典型的なランドパワーの国であるロシアの大統領ウラジーミル・プーチン大統領です。 プーチン大統領が始めたウクライナへの侵略を支持することはできませんが、今後、どのような解決策を見出すことができるのかという観点からは、このような暴挙に出た動機を再度検証し、理解しなくてはならないと感じます。 世界最大の領土を持つにもかかわらず、そのほとんどが不毛な土地であり、旧ソ連崩壊後は14の国々と国境を接することになったロシアを前任者から受け継いだのがプーチン大統領です。 他国に囲まれているという状況を持つ国々の特徴としては、最大の国家安全保障対策・国防策は周辺国に攻め込み、領土を拡大し続けることですが、そこには終わることのない恐怖の連鎖とそれを消し去るためのさらなる攻撃が待っているだけです。 ロシアがウクライナに侵攻してからすぐにプーチン大統領が子供からの質問に答える番組がありましたが、その際、子供に「ロシアの国土はどこからどこまでだ?」と尋ね、「ロシア・ウクライナ国境やクリミア半島からシベリアまで」と答えた子供に対し、「ロシアの国土は陸地が続く限りどこまでも広く永遠だ」とプーチン大統領が答えたエピソードを急に思い出しました。 まさにこれこそが、ロシア、そしてプーチン大統領の奥底に秘められたmentalityなのではないかと思います。 クリミア半島の併合 北オセチアへの攻撃(ジョージア) チェチェン共和国への攻撃 そして、今回のウクライナ侵攻と東南部の一方的な併合・編入… 大ロシア帝国の復興を夢見るプーチン大統領という表現を私もしてきましたが、権威の復興・力の拡大というよりは、果てしない恐怖への自然反応と表現できるのかもしれないと感じています。 さて、そのプーチン大統領が始めたウクライナへの侵攻から1月24日で11か月が経ちました。 2022年2月24日に侵攻した当初「3日ほどでウクライナ全土が陥落する」と評価されていたことを踏まえると、プーチン大統領とロシアの企ては失敗に終わったと言えるかもしれません。 しかし、まだロシアもウクライナも負けていないという現実からは、戦争の遂行という観点では完全なる失敗には終わっていないとも言えます。少しこじつけにはなりますが、そのような見方も可能になってきます。 苦戦しつつも、ロシアと国境を接するウクライナ東部ドンバス地方(ロシアが一方的に併合した)におけるロシアの支配は広がっていますし、南部でも激戦が続いており、実際にはまだ負けていません。 ただ、ウクライナ軍による予想をはるかに超える抗戦と、欧米諸国とその仲間たちが挙ってウクライナへの軍事・人道支援に乗り出してウクライナの生存のための戦いを後押ししている状況とその威力については、ロシアおよびプーチン大統領は読み違いをしていたと言えることは失敗を意味すると思われます。 まだまだ余力があると言われ、かつ常に核兵器使用の可能性をちらつかせることでNATOの介入をあるラインで止め、大国同士の破壊戦争に至りかねないロシアへの武力攻撃を予防することには成功していますが、ロシア軍およびロシア経済に対する打撃はかなりの規模に達しているのも事実です。そしてその打撃の大きさが、ロシア国内におけるプーチン大統領の支持層の結束を揺るがしていると言われています。 穏健派はプーチン大統領のもとを去るか、ラブロフ外相や中央銀行総裁のように盲目的に従うかに分かれていますが、その影響力・発言力は日に日に弱くなってきており、代わりに核兵器使用も厭わず、ウクライナの消滅さえ進言するような強硬派(超強硬派)が影響力を増しています。 前大統領のメドベージェフ氏はその一人と目されていますが、彼の過激な発言はプーチン大統領とのユニゾンとも言える状況で、仮にプーチン大統領の体制転覆を狙っても、後には同じく、またはそれ以上の過激派が控えているということを国内外にアピールする狙いも含まれていると、ロシア・ユーラシア政治の専門家グループは分析しています。 最近、メディアではプーチン大統領と彼の“料理人"と称されたワグネルの指導者エフゲニー・プリコジン氏との確執が伝えられていますが、それはどうも情報戦のための材料であり、実際には協力関係は深まっており、対ウクライナ攻撃のレベルが一段階上げられる兆しではないかと思われます。 統合参謀本部議長のゲラシモフ上級大将を総司令官に据え、ロシア軍のミサイル攻撃、爆撃および核戦力サイドの攻撃レベルを上げ、ワグネルに東部・南部での地上戦を任せ、予備召集兵をそちらにつけて攻撃力を上げるという形式をとっていると分析されています。 言い換えると伝統的なランドパワーとしての戦闘はワグネル中心の陸上部隊に任せ、大規模な攻撃と中長期的な打撃を正規軍に任せたとも言えるでしょう。 プーチン大統領が昨年秋から戦略上のレベルアップを行ったウクライナのインフラと補給路の破壊攻撃は、前任の総司令官で現副司令官のスロビキン上級大将がはじめ、それをゲラシモフ総司令官が継続・拡大し、隣国ベラルーシ軍とも連携してウクライナを包囲する作戦を指揮しているようで、今後この攻撃はさらに激化するものと思われます(そしてまだスロビキン上級大将も失墜しておらず、実際に作戦の指揮を執っているようです)。 ベラルーシ軍と組んで行われる可能性がある戦闘方式では、ターゲットはポーランド国境地帯の補給の玄関リビウ周辺はもちろん、首都キーフ周辺、そして決して看過できませんが、再度チェルノービレ(チェルノブイリ)原子力発電所がリストに入っているとされます。 軍事的にはこれを防ぐためだと考えられますが、ドイツが重い腰を上げてついにドイツが誇るレオパルト2戦車をウクライナに提供することが決定されたようです。 実際の戦場への投入は日本のゴールデンウイーク頃になると言われていますが、その性能から戦局を大きく変え得る材料になると言われています。 しかし、見落としがちな点は、このレオパルト2戦車を実際に操縦するのは、高度に訓練されたドイツ兵・ポーランド兵ではなく、ウクライナ兵であるという点です。アメリカが供与することを決めたとされるエイブラムス戦車(31基?)と共に、ドイツ国内の米軍基地(NATO)でウクライナ兵を訓練することになっているようですが、両戦車が持つキャパシティーをどこまで最大化できるかは未知数です(そして実際に何基供与されることになるのかによっても変わってきます)。 ドイツはこの決定で欧州各国との亀裂・足並みの乱れを解消したかに思われますが、まだ実際にいつ何基供与し、それはどのモデルなのかが決められていないことと、エネルギー資源および食糧資源などの供給の首根っこをロシアに握られている事実は変わらず、できることならロシアとあまり対立したくないというドイツ議会の思惑もまだ透けて見えることから、どの程度の効果が発揮できるかはわかりません。 その背景には、11か月も継続し、ドイツを含む欧米諸国とその仲間たちが対ロ経済制裁を課した反動が自分たちにも降りかかり、家計・経済、そして生存に向けた戦いに欧州各国の市民が疲弊して飽き飽きしてきていることがあります。 「ロシアそしてプーチン大統領が行っていることは決して許されないし、ウクライナ国民の痛みにシンパシーを強く感じるが、同時に止まらないインフレは私たちの生活を苦境に陥れているので、ただwe stand with Ukraineとばかりは行っていられなくなった」 ウクライナのゼレンスキー大統領が恐れていた厭戦機運の高まりと支援の停止・停滞、そして何よりも関心の薄れ・消滅が、まず欧州各国で現実化してきているように思われます。政府は何とかウクライナ問題をクローズアップし、支援の継続を行おうとしていますが、ウクライナへの支援はどの国の政治体制でも選挙の票につながらないという悲しい現実の前に、残された時間はあまりないのかもしれません。それはどうも米国も同じようです。 それゆえに戦局を一気に変え、停戦に持って行きたいということでここにきて最新鋭戦車の投入ということになったのだと思われますが、これは確実にロシアをさらに刺激することとなりますし、インド・トルコを軸とした第3極を形成するアフリカ諸国・中東諸国・ラテンアメリカ諸国から「さすがにやりすぎ」との非難が欧米諸国に向けられ、それらの国々とロシアの接近を進めることにつながる恐れがあります。 実際にラブロフ外相が南アを訪れて両国の親密な関係をアピールしていますし、中東諸国はウクライナ問題から距離を置き、エネルギー資源という財産をベースに利益を拡大し、さらに対欧州のカードを増やしていくことで、パワーバランスに変化が出てきています。 そこで何が起きているのでしょうか? 「欧州と米国のintegrityの綻びの拡大」 「世界の分裂(3極化)、とくに欧米中心型の世界秩序の終焉に向けた動き」 などです。 そして興味深いのが、最近の中ロに共通する動きともいえるのですが、中ロをベースとした国家資本主義陣営の影響力拡大よりも、つく側を決めていない大多数の国々と地域を欧米諸国とその仲間たちから引きはがすという戦略への転換が見られることです。 「内政・国内情勢に口出しをせず、実利で結びつく」という現実路線とも言えます。 平等・自由・民主主義というイデオロギーではなく、それぞれの国々の在り方を相互に尊重するということですが、そこには独裁も人権侵害も存在し、少数派の存在は認めつつ権利は認めないという暗部が存在します。 多民族国家であるエチオピア政府の現状しかり、独裁を通じてintegrityを図るスタン系の国々然り、そして言わずもがなロシアと中国も同じで、これらは大まかにいえば地政学的な関心と恐怖に基づく心理であり、もしかしたらプーチン大統領とロシアが戦う理由なのかもしれません。 最初にも書きましたが、ロシアは14の国と国境を接し、190近くの少数民族グループを抱えている大国ですが、港は冬季には凍結し、常に不凍港を探してきた歴史があります。 ただ元々の地政学的なメンタリティーはランドパワーとしてのものであり、直接的な脅威には先んじて攻め込んで克服し、自らの領土の安全・安心を拡げようというスタイルです。 2014年のクリミア併合後8年間にわたり、NATO諸国はウクライナを軍事的に支援し、ついにはユーラシアにおいてロシアに次ぐ第2の軍事大国にまで仕上げてしまいました。自国の国家安全保障の観点からNATOの東方拡大を嫌い、NATO諸国に辞めるように再三警告してきたにも関わらず、無視されたことで最後の手段に出たというのが、いいか悪いかという価値判断を挟まずに、今回のことを見た場合に理解できることです。 NATO諸国と日本のような仲間に共通しているのは、あまりランドパワー的な思考がなく、どちらかというと文化や経済力などといったソフトパワーの拡大に重点を置くシーパワー的な思考ですが、ロシアや中国といった広大な土地を持ち、かつ他国に囲まれ、国内にも反乱分子となりうる少数民族グループを多数抱えるランドパワー的な国は、力による拡大こそが最大の防御という思考に発った行動を取りがちです(ちなみに最近の中国は、これまでにランドパワーとシーパワー両方を志向してうまく行った国がないという歴史上のチャレンジに挑んでいるように見えますが、元々はランドパワー的な思考が強く、ゆえに中央集権的な統治で全体を抑え込むというスタイルと分析されます)。 現在、ロシアが仕掛けているウクライナへの攻撃は、このような見方をすると、強大化しつつあった隣国が自国にとっての脅威となる前に潰してしまうという思考に基づくものと思われますが、それがウクライナを超えてさらに西に波及してくることを恐れて、欧州各国はウクライナを支援し、欧州がロシアの影響下にこれ以上入ることを許せないアメリカは、同盟国と民主主義の根幹を守るためという“大義"の下(価値観の拡大と普及を通じて影響力を拡げるシーパワー的な思考)、抜きん出てウクライナの支援に勤しんでいます。 しかし、少し意地悪な見方をすると、ウクライナの後ろ盾となり、武器を供与している欧米諸国とその仲間たちの中で、本当にウクライナのために戦っている国は皆無だと考えます。 以前にもお話ししたとおり、ゼレンスキー大統領は「これはウクライナにとっての生存のための戦争であり、私が司令官だ」と言っていますが、これはアメリカも欧州各国も崩さない、越えない一線であり、あくまでもウクライナの戦いを助けるという位置づけです。 もちろんロシアによる蛮行と暴走を止めるために、ロシアを懲らしめないといけないという意思は働いているでしょうが、実際には、欧米vs.ロシアといった核兵器を持つ大国同士が直接的に交戦することがないように、ウクライナを大国間の緩衝材として使い、(NATO側から見れば)ロシアとの戦いの全面にウクライナを立てて、欧米諸国とその仲間たちの“代理"としてロシアに対する攻撃を加えるという戦略です。 「ウクライナを用いてロシアの力を削ぐことが出来ればよし。ウクライナが国として存続するか否かは別として、現在のウクライナの場所を欧米諸国とロシアとの緩衝地帯にできれば“解決策"としての最低条件は整う」 このところ調停グループでの活動を通じ、関係者と協議していると、ふとこのような絵柄が見えてきたように思います。 その中で気になったのは、すでにロシアが押さえている・押さえようとしているドンバス地方と南部、クリミア半島の帰属には、実際にはさほど拘っておらず、大国ロシアとの間に緩衝地域が半永久的に存在することの方が大事というニュアンスが感じられます。 ではロシア・プーチン大統領はどこに力点を置こうとするでしょうか? 上述の緩衝地帯案は、“今回"の特別作戦の落としどころとしては受け入れ可能なアイデアになるでしょうが、そこにはbig ifが必ず付きます。 それは「クリミア半島、ドンバス地方、ウクライナ南部のオデーサ周辺などをおさえている状況を現状と設定し、その状況を固定化する」という内容です。 ウクライナとしては絶対に受け入れられない条件となるでしょうが、もし国内のサポートも失った支援国(欧米諸国とその仲間たち)が、ウクライナの頭ごなしにロシアと同様の話し合いをして「それでいい」と受け入れてしまったらどうでしょうか?それでもウクライナはロシアと戦い続けるでしょうか?そこは、私には分かりません。 ただプーチン大統領がそこで止まるかは疑問です。NATOメンバーになっていない旧ソ連の共和国は格好の“次の“ターゲットになるでしょう。特にプーチン大統領が「恩をあだで返した」と怒っているトカエフ大統領が治めるカザフスタンや、別の独裁国トルクメニスタン、ウクライナ侵攻後、プーチン大統領を公然と非難するアルメニアなどは今後恐怖に震えることになるかもしれません。プーチン大統領としては、本心ではバルト三国あたりを攻めてしまいたいところでしょうが、NATO憲章第5条適用によるNATOとの戦争は避けたいとの理由から、すぐにはターゲットにはならないかと思います。ただし、常にロシアの脅威には晒され続けるかとは思いますが。 それに気づいて歴史的な立ち位置を覆したのがフィンランドとスウェーデンでしょう。NATO加盟を急ぎ、トルコに散々虐められながらも耐えているのは、非NATO国である限り、常にロシアの拡大の脅威から逃れられないとの思いからだと思われます。特にロシアと直接的に約1,400キロメートルの国境を接しているフィンランドは、過去に攻め込まれた記憶もあり、さらにNATO憲章の第5条の適用対象になることを望んでいると思われます。 ただ、大多数はロシアとの決別を選んでいると言われていますが、フィンランド国内にはロシア系住民もまだ多く、ウクライナ東部やクリミア半島のケースがそうであったように、何らかの“同胞救出のための作戦"がロシアによって実行される可能性に晒されているのも現実です。 ではタイトルの問いに戻りましょう。 「プーチン大統領は失敗したのか?」 ウクライナへの侵攻という意味では、軍事的に苦境に立たされ、多くの犠牲を出してしまったという点と、当初の予想を大きく上回る戦争期間でロシア経済を疲弊させ、国際経済からの切り離しを経験したという点では、失敗の要素が多いかと思います。 ただまだ負けてはいないことと、欧米諸国とその仲間たちからの支援にもかかわらず、確実にウクライナの力を削ぎ、一方的にではありますが、国土も“拡大"したという点では、ロシア的な視点では目的は一部達成されているとも言えます。 そして一応はウクライナ支援で一致している欧州各国とアメリカの結束における温度差をあからさまにし、欧米の分断を煽る効果があることや、第3極に位置する多くの国々をアメリカと欧州各国から切り離し、欧米諸国とその仲間たちによる対ロ制裁の穴を作ることが出来たこと、そして欧米諸国とその仲間たちの国際情勢における影響力の低下を明らかにしたことは、もしかしたらプーチン大統領が獲得したもの、そしてロシアにもたらしたものと性格付けできるかもしれません。ちょっと強引ですが。 そして同床異夢ではあってもアメリカや欧州と対抗するための仲間として中国との関係が密接になり、国内では一度下がりかけたプーチン大統領の支持率が再び上昇したこと(大統領選を控えている身としては心強い)はもしかしたらプラス要因として評価されるのかもしれません。 ただ、今回のウクライナ侵攻ではっきりしたことは、めちゃくちゃ強いと思われていたロシア軍の脆さと、旧ソ連の国々でスタン系の国々がプーチン離れを起こそうとしており、プーチン大統領の威光に陰りが見えたことも確かです。この点は、プーチン帝国を建設し、大ロシア帝国の再興を願うプーチン大統領にとってはネガティブな要素でしょう。 今後、ウクライナに対する侵攻・攻撃が次のステージに上げられる際、プーチン大統領はこのネガティブイメージを払拭すべく、本格的な攻撃に出ることが予想されます。さすがにプーチン大統領が音頭を取った核兵器の使用の可能性はまだ低いと感じますが、ただ核のボタンを持つ3人衆の一人であり、面子を重んじるゲラシモフ統合参謀本部議長が総司令官も兼任することになったアレンジメントは、以前に比べて“通常兵器の延長線上のチョイス"としての戦術核兵器の使用に向けたハードルを少し下げたように思います。 プーチン大統領の失脚の可能性は考えづらく、そしてまだロシア軍には余力が十分にあるという分析をベースにした場合、今後カギを握るのは、「これからどれだけの期間、欧米諸国とその仲間たちはウクライナを支え続けることが出来るか」という点だと考えます。 負け切ってはいないが、まだ勝ってもいないこの状況下で、プーチン大統領はどのような次の手を打ち、欧米諸国とその仲間たちはどのように応じ、そしてゼレンスキー大統領はどのように立ち振る舞うのか? まだまだ戦争は長期化し目が離せませんが、解決策・落としどころを探るのであれば、良いか悪いかという評価は外して、プーチン大統領がこのような行動に及んだ背景、各国のリーダーがとる行動の背後にある心理、そしてロシアからの攻撃を許してしまったウクライナとそのリーダーであるゼレンスキー大統領が直面する現実とそれに対する心理…。 これらを一度整理してみることが必要ではないかと考えます。 |
この記事を読むと詳細な分析は素人では手が届かないほどの内容なのだが、残念ながらプーチンとゼレンスキーの本音を直接聞くことができない「隔靴痛痒」レベルなので最終的な「落としどころ」は神のみぞ知るといったところなのだろう。
さて話は国内に目を向けてみると、相変わらず岸田文雄政権に対する突っ込みどころは満載である。
岸田父子・裸の王様 政権私物化〜文雄はバイデンに貢物、翔太郎はパリロンドン漫遊!日本の政治どうなっちゃうの?国会開会ダメダメ満開TOP10は今週も盛りだくさん!
最近、こんな青年に注目が集まっている。
早大在学中には早稲田大学雄弁会に所属しており、大学卒業後、経済産業省に入省し、通商政策課長補佐等を務める。
経産省を退職後、ボストン・コンサルティング・グループに約1年半勤務し、2019年5月に退社して、2019年第25回参議院議員通常選挙茨城県選挙2人区で立憲民主党から立候補し得票数2位で初当選した若干37歳の小沼巧。
単なる官僚出身者議員とは異なり、その名の通り巧みな演説には一目おかれている。
以下に、今国会の参院本会議での質問風景をご覧ください。
この立憲民主党の若大将から攻められた日本の宰相の評価はどうなのだろうか。
「岩下俊三のブログ・凡庸なる宰相こそが、、、」
馬鹿宰相の起こしつつある政治的「重大誤謬」が、国民から見過ごされた「まま」であるのは誠に残念なのである。 というのは二流のお坊ちゃま君で頭も悪いし度量もないうえに世情に疎いだけでなく政策通でも、とりわけ彼の経済音痴、外交音痴ぶりは皮肉な意味で「目を見張る」ものがあると言えるからである。 ただ僕はかつての安倍一強の力学のなかで、凡庸なだけの「順番待ち」と、これと言った対抗馬がいない(的外ればかり)のなかで「総理総裁」なった運、そしてその「傀儡使い(安倍)」がいきなり凶弾に倒れた「幸運?」、、、などに恵まれた「無能な宰相・岸田」が、その後急に、なにか「勘違い」したように次々と長年の懸案事項を「一挙に解決?」する姿勢を示したのがちょっと気になるだけである。 というのは運だけで器でもない「国のトップ」になったしまった人間こそが、国家を破滅させかねない、「政治的大誤謬」を起こしてしまう、そのような歴史の繰り返しに「妙な不安」を感じてしまうからであろう。 たぶん考えすぎとして「一笑」されるだけであろうが、しかし、只の売れない絵描きの卵だった奴とか陸軍大学の劣等生だった能楽師の倅だとか、卑近な例ではレニングラードの「団地っ子」のはなたれ小僧に過ぎなかった奴が、、、と例をあげればキリがないが「意外な運命で」独裁者になったものほど国家そのものを崩壊させてしまう恐れがあることが多いからそう考えるのだろう。 ゆえにふさわしさの微塵もない奴が幸運にも宰相となって、自分を潰しかねない最大派閥がにわかに親分を失いかつ統一教会問題でガタガタになると、もう怖いものはなく役職上ひとこと「解散権」で脅せばだれも「御身可愛さ」で「党内」で逆らうものはいなくなる。(むろん10増10減も)それにくわえ当分「国政」選挙がないのだから「ダラ官(僚)」の覚えさえ目出度ければいくら本人が無能でも安泰であるから財務官僚には「増税」防衛官僚には「反撃力」そして経産官僚には「原発再稼働」そして福祉関係などの官僚には(異次元の?)「少子化対策」の「お土産=飴」を与えて置けば国民の支持(内閣支持率)など「全く」気にすることなどないということになっている。 さらには自分の支持率が如何に下がろうとも野党支持率が一向に上がってこないという「現実」は無能遣唐使(検討史?)に一層の大胆さを与えているに違いないのだ。 おまけに彼の政治目的は「宰相」になること「だけ」であったから当面の彼の課題は今年五月のいわゆる広島サミットで故郷に錦を飾ることなのだから、すべてのスケジュールは「そのこと」にされているのである。 ちなみに防衛力増強予算増強を国会も通さずヨーロッパ・カナダを訪問し、そして米の耄碌売電にそれを宣伝し売れ残りセコハン武器を言い値で買い入れる約束までしたのは、いずれも彼等の「歓心」を得て「サミット?」(何のための?)を成功させたいばかりであるのは見え見えなのだ。 ゆえに五月8日にコロナを五類に下げ(広島サミット:5月19日(金)~5月21日(日))堂々とマスクを外して列強の首脳と並ぶことを彼は夢見ているのである。 つまり物価高にあえぐ国民の暮らしなど一顧だにせず自分の高揚感でひたすら突っ走る無能だが「幸運な宰相」の危なっかしさこそが国家を滅ぼすトリガーになりかねないことを国民はよ~く覚えておくことが重要であるといえよう。 だって彼がこれまでにやってきたことと言えばほとんどが「検討」ばかりで強いて言えば強引に国葬を挙行したことと「重税」喇叭を高らかに掲げてきた「ぐらい」しかないのであるから、、、。 いずれにしても無能馬鹿を宰相にいただくことは無駄ばかりではなく「危険」なのだと警告したい!!!! |
冒頭から「罵詈雑言」の嵐なのだが、決して間違ってはいない指摘であろう。
「物価高にあえぐ国民の暮らしなど一顧だにせず自分の高揚感でひたすら突っ走る無能だが「幸運な宰相」とはあまりにも核心をついているのだが、この宰相に「進軍喇叭(ラッパ」だけは吹かせてはならない、とオジサンは思う。