昔から政界では不祥事を起こし辞職したた議員がその後の選挙で当選すれば「禊が済んだ」と平然と語られていた。
それはあたかも有権者の負託に応えたということを錦の御旗のごとく大手を振って国会に戻ってきた。
今回の総選挙でも国民を欺く「裏金」を蓄え「脱税」していた多くの議員連中がいたが。大半は落選したのだが、自民党から正式に公認をされなかった、いわゆる選挙に強い連中は、与党で過半数割れした穴埋めにこんなことになっていた。
「自民 無所属当選4人に会派入り要請し了承 さらに2人にも要請」
ネット上では、唖然とし呆れる声が多数あった。
先週のヒルカラナンデスで予告したとおり「新党裏金」との実質的な「連立」が最初に来ましたね
— プチ鹿島 (@pkashima) October 30, 2024
つまり裏金議員が影響力をむしろ高めるということです#衆院選ナンデス #ヒルカラナンデス
→世耕、西村、萩生田、平沢の4氏に自民会派入りを党幹部が打診 | 毎日新聞 https://t.co/nakujMB3aw
先週のヒルカラナンデスで予告したとおり「新党裏金」との実質的な「連立」が最初に来ましたね
— プチ鹿島 (@pkashima) October 30, 2024
つまり裏金議員が影響力をむしろ高めるということです#衆院選ナンデス #ヒルカラナンデス
→世耕、西村、萩生田、平沢の4氏に自民会派入りを党幹部が打診 | 毎日新聞 https://t.co/nakujMB3aw
自民党。ついにここまで来た。巨額裏金議員を次々に追加公認。「もはや善悪なんてどうでもよい、背に腹は代えられない、とにかく政権維持、利権確保だ」と血相を変えて策謀を巡らす。自民党の頭の中に全く無いものがある。それは国民の生活。自民党は確実に日本を滅ぼす。日本が自民党を滅ぼすべき時。 https://t.co/yIZUKIyFxa
— 小沢一郎(事務所) (@ozawa_jimusho) October 30, 2024
『無所属出馬し当選の6人が自民党会派入りへ“裏金”問題の西村氏・萩生田氏・平沢氏・離党の世耕氏ら』とのニュース。驚きを通り越して、あきれるばかりだ。裏金への厳しい審判の直後に平然と開き直るとは、自民党はすでに死んでいる。国民よ、私たちは舐められている・・・ https://t.co/Xpc9kGgRsd
— 泉 房穂(いずみ ふさほ) (@izumi_akashi) October 30, 2024
そして自民党内では、総裁選後から燻っていた火の粉が燃え始めていた。
「高市早苗を担いで反撃開始か?“黒幕”気取りの麻生太郎が『石破下ろし』に打って出るタイミング」
■年内に「起きるしかない」政変。石破首相では戦えぬ参院・都議両選挙 自民党の単独過半数を42も下回る191議席という総選挙の結果は、同党の歴史で最悪から2番目の大惨敗である。 自民党は1955年の結成以来、2度の選挙で政権を失っており、その最初は1993年の「政治改革解散」。定数511、過半数256に対して同党は33足りない223で細川護煕政権を実現させた。次が2009年の政権交代時で、定数480、過半数241に対して同党は122も足りない119で、民主党=鳩山由紀夫政権を実現させた。それに比べて今回は、定数465、過半数233に対して同党は191である。 それぞれ定数が異なるので、定数に対する獲得議席の占有率で比較すると、今回は41.1%で、09年の24.8%には遥かに及ばないが、93年の43.6%を下回っていて、予め野党が結束を準備していれば政権交代が起きてもおかしくなかった。 逆に言うと、立憲民主党の野田佳彦代表は、選挙戦を通じて「政権交代」を訴え続けたものの、単独過半数を獲得できるだけの候補者を用意できておらず、そうであるなら他の野党と選挙協力をして候補者の一本化を図るしかないというのに、どちらでもない中途半端に流れ、野党第一党の責任を果たさなかった。 ■1)自民党の敗因は石破の右往左往の無様さ 現象論のレベルで言うと、石破の、安倍政治に批判的であるが故に長く党内野党に甘んじてきた経歴、 あの渋味の風貌で低く落ち着いた声で語ることによって醸し出される一見すると考え深そうな人柄、 それらを掛け合わせれば安倍の亜流でしかない菅義偉・岸田文雄両政権とは違った政権運営を見せてくれそうな雰囲気、 ――といったものは、結局、全くの幻想にすぎなかった。彼の「反安倍」は意外にも骨筋が通らない口先だけのもので、その裏にはさして深い考えがあるわけでもないのでコロコロ言うことが変わるのも当たり前。情けないほどの無定見であることが早々に露呈してしまった。 私が「これはあんまりじゃないか」と耳を疑った、信じられないような例を1つだけ挙げれば、彼が所信表明などで繰り返した「デフレ脱却こそ最優先課題」という台詞である。 言うまでもなく「デフレ脱却」は11年前に始まった「アベノミクス」の当初からの中心スローガンであり、私に言わせればそれがそもそものボタンの掛け違えとなった大誤認なのだけれど、それをなぜ今時、石破が口にするのか。しかも時代は巡っていて、現に人々が困っているのは過度の円安を一因とする物価高であって、総理が言うとすれば「インフレ脱却こそ最優先課題」ということでなければおかしい。 朝日新聞の原真人は10月19日付「多事奏論」欄でこう述べた。 ▼デフレは物価下落が続くことで、そこから脱却するとは物価を上げることだ。この物価高の下でさらに物価をあげようとはかなり倒錯した問題意識である。 ▼石破がこれを持ち出したのはやや意外だった。……7年前、日本記者クラブでの講演でアベノミクスや異次元金融緩和を批判していたからだ。「こんな政策をいつまでもできるわけがない」「おかしくないかと誰も言わない自民党は怖い。大東亜戦争の時がそうだった」とも。 少なくともこのことで明らかになったのは、石破はアベノミクスの何が問題かを全く理解しておらず、誰が草稿を書いたのかは判らないが、「デフレ脱却こそ最優先課題」と渡された原稿に書いてあれば、その通りに読み上げて平気でいる程度の人物だということである。このことに象徴される無定見、それ故に誰かに言われればコロリひっくり返る発言の右往左往のみっともなさが、国民に見抜かれてしまった。 本質論のレベルで言うと、「安倍政治」の余りにも酷い害悪――お友達主義体質、アベノミクスの出鱈目、安倍流大軍拡の行き過ぎをクリーンアップすることは、日本国民のために必須であるのはもちろんのこと、自民党自身にとっても避けて通れないステップであるはずだが、石破にそれを担うだけの力量はなかったということである。 ■2)麻生が高市を担いで反撃開始か 総裁選の第1回投票の結果が示したように、安倍政治の継承を掲げる高市早苗とそれを担ぐ旧安倍派、麻生派と、曲がりなりにも「非安倍化」を目指す石破支持勢力とは、党内を二分して拮抗している。石破政権のヨタヨタぶりを見て、高市派が「これでは来春の都議選、来夏の参院選は戦えない」と声を上げ石破下ろしに打って出るタイミングを見計らっているのは当然だろう。 しかし、この陣営の黒幕を気取る麻生太郎=党最高顧問は、事を急がず石破がボロを出し続けるのをよく見極めてから一気に動くのが上策と考えていて、最終的には、都議選の不調を理由に石破を引き下ろし、高市総裁で参院選を戦うことを想定していると言う。 とはいえ、高市派の勢力も総裁選の時がピークで、衰えが速い。総裁選で高市の推薦人として名を連ねた衆院議員は11人(うち安倍派7人)だったが、今回選挙でその中の7人(うち安倍派6人)が消えた。また、今年2月に解散するまでの安倍派を取り仕切っていた「6人衆」のうち、塩谷立は立候補断念、世耕弘成は離党して無所属で上がってきたが党外にあり、高木剛は落選したので、残っているのは松野博一、萩生田光一、西村康稔の3人だけである。 さらに、第2次安倍政権を生んだ2012年総選挙で出てきた「安倍チルドレン」は、当初119人の大勢力を誇ったが、今回選挙を経て生き残っているのは46人にすぎない。麻生がいくら力んで最後の勝負をかけようとしても軍団そのものが半分かそれ以下に縮んでしまったのでは、なかなか戦いにならないだろう。 ■3)公明党衰弱で自公連立の行方不安 公明党は、いささか極端かもしれないが、今回選挙で「終わった」のではないか。解散時32議席が24に減ったという数の問題以上に、党首の石井啓一が埼玉14区で、副代表の佐藤茂樹が大阪3区で、共に落選し役職を辞任せざる得なくなるという、党としての組織そのものが壊滅しかかっている。 自公連立が始まって25年。それに慣れ切って、自民党との協力以外に選挙のやり方を知らない体質になってしまった。そのことを悪い形で象徴したのが、自民の裏金非公認議員30人以上に公明党として「推薦」を付与したことで、この問題に敏感な有権者から「何だ、公明も共犯者なのか」と」思われたことが大きなダメージとなった。 加えて、基盤である創価学会の急速な高齢化によって活動量そのものが減退して行く中で、ピーク時=2005年には900万票近くあった比例得票数も、ついに今回600万を切って過去最低の596万票を記録するという有様。どこまでも自民に従って心中するしか道はないのかを問い直す機会が迫っているのではないか。 ■(4)維新は大阪ローカル政党に戻った 維新が全国政党化する可能性については本誌は一貫して疑問視していて、その主な理由は、「大阪都」という主張が全く普遍性を持っておらず、大阪はそれでいいとしても神奈川や京都や兵庫や福岡も「都」になればいいのかとの問いに対する答えを用意していない大阪エゴ的な超ローカル性にある。そこをはっきりさせて全国的な国と地方の行政の形を絵解きするのでなければ、維新は全国政党にはなりようがない。 前回総選挙で東京はじめ関西以外でも議席を得、それをマスコミは「全国政党化」への進撃が始まったかに囃し立てたが、本誌はそれに批判的で、いずれむしろ大阪に立て篭もるしかなくなるのではないかと予測した。実際、今回選挙で起きたのはそれで、確かに大阪では全19区を支配する圧倒的強さを見せたものの、それは逆に同党が、関西万博をカジノ施設開設に繋げようという邪悪な構想でますます超大阪エゴに嵌まり込んでいることの裏返しにすぎない。 ■(5)立憲も国民も「中身」で勝負していない 立憲と国民民主は結果的には躍進したが、「中身」で勝負して勝ち上がってきたわけでなく、また本当に勝ってしまったらどんな政権を樹ててこの3~4年間に何と何を実現するのかの具体的なビジョンも示していないので、人々に希望を与えることにはならなかった。 「中身」とは、安倍とその亜流の12年間を通じて溜まりに溜まって人々の足に絡みついて前進を阻んでいる汚泥のようなものを、徹底的に取り除いて次の時代に向かって踏み出せるようにすることであり、そのためには裏金問題に象徴されるお友達同士で舐め合う陰鬱な政治体質の一掃、出鱈目の限りを尽くして何の成果も上げずに終わった「アベノミクス」の総決算、対米従属をさらに深化させつつ膨らんでいく大軍拡への歯止め――という3分野で「脱安倍化」を追求することである。石破がそれをやれるならそれでよし、やれなければその時は「だから我々の出番でしょ」と言って野党が政権を預かってその課題をさらに先まで進めて行くのでなければならない。 ところが立憲の野田は、彼自身が菅義偉や岸田文雄と並ぶ「安倍亜流」であり、そのような中身の勝負で石破に立ち向かっていない。国民の玉木雄一郎も、その野田と、「保守中道路線」という名の自民への擦り寄りを競い合っているだけの安全野党にすぎず、だからこの選挙結果は誰をもワクワクさせることがないのである。 |
昨日の「つぶやき」でもあたかも国民民主党がキャスティングボードを握っているかのような動きを批判したが、与野党の各党をそれぞれ分析してみると、今回の「選挙結果は誰をもワクワクさせることがない」ということなのか。
もっと素直に当選した議員や落選した議員たちに「一喜一憂」していた御仁がいた。
「自公過半数割れ、野党大躍進にも素直に喜べないワケ」
衆院選の結果が出た。予想を大きく上回り、自公で過半数割れ、という大逆転。「自民党にお灸をすえる」どころか、政権交代まで考えられる歴史的結果となった。野党は大躍進。なのだが、何かもろ手を挙げて万々歳、という気持ちに素直になれない自分もいるのだ。 確かに私がこの世で2番目に嫌いな政治家、甘利明氏は落選した。3番目に嫌いな下村博文氏も落ちた。そもそも議員として認めたくなかった杉田水脈氏は立候補もしなかった。実に喜ばしいはずなのだが、その裏で萩生田氏はからくも当選した。なんとしぶといことか。もはや「ハギューダ」という名のエイリアンのような生命体ではないのかと思うしぶとさだ。 大幅に議席を増やしたのは立憲民主と国民民主。しかしあまりうれしくないのは、この人たちが過去の自民党と真っ向から対立していたわけではなく、「隠れ自民党」「第2自民党」に限りなく近いのではないかという疑念が拭いきれないからだ。 れいわ新選組が9議席と3倍増したのは良かった。しかしそもそも今回の争点である裏金問題、2000万円問題をスクープした赤旗を発行している共産党が議席を減らしているのは、何とも解せない。いよいよ私が前から提唱している党名変更など、検討し始めるのもよいのではないか。 |
最後に「今回の選挙で、米覇権が衰退してBRICSが台頭し、非米化や多極化が進んでいる世界の中で日本がどうすべきかという外交安保の話は、争点にも話題にもなっていない」という世界情勢を紹介しておく。
「BRICSが多極型世界の準備完了」
BRICS諸国は、10月22-24日にロシア中央部のカザンで開いた年次定例サミットで、米英が作った既存の世界経済システムに依存しない、独自の経済システムを構築する過程を(一応)完了した。 BRICSクリア、ブリッジ、ペイ、ユニット、保険、格付けなど貿易、決済、通貨に関する機能。穀物取引所から産業運輸インフラやデジタル環境の共同整備まで、多分野にわたる経済システム構築がサミットの宣言に盛り込まれている。 2022年2月のウクライナ開戦後、米国側から強烈に(不当に)経済制裁されたロシアと、次に制裁されそうな中国が結束し、制裁を乗り越えるために、BRICSを主導して対米自立した非米側システムの構築を開始した。 (多極型世界システムを考案するロシア) (資源の非米側が金融の米国側に勝つ) 2年半の構築・試用期間を経て、今回のサミットで非米システムがほぼ完成し、今後は本格運営に入っていく。非米システムは米国側より不便だろうが、何とか機能するところまで作れたのだろう。 BRICSは今回のサミットで、非米側の多極型世界システムを完成した。中露の言い分は、米国が覇権延命のためにライバルになりそうな露中などを敵視制裁したり、途上諸国の資源を安く買い叩いたりするのが不当だから、敵視制裁されても潰れないようにする正当防衛として非米システムを作った、というものだ。 米国が良質な覇権策をやっている限り、中露は便利な米国システムに満足し、わざわざ不便な非米システムを作る必要などなかった。米国は、中露を不必要に敵視制裁し、ウクライナの露系住民を殺して戦争を誘発する極悪だが自滅的な策をやり、中露BRICSが非米システムを作りたくなるように仕向けた。 米中枢の隠れ多極派は、米議会を動かして、リーマン危機後の米金融システムの最大の延命策だったQE(造幣による債券買い支え)を2022年3月からやめさせ、替わりに米政府が急増する財政赤字の一部を注入して金融システムを延命させている。米国債は過剰発行になり、長期金利や金相場がじりじり上がっている。これは、ドル崩壊の兆候だ。 BRICSは今回のカザン宣言に、人為説に基づく地球温暖化対策や、パンデミック対策も盛り込んでいる。人為説はシミュレーションを歪曲したインチキだ。米国側がインチキを軽信して手放した石油ガス利権は、BRICS・非米側の手中にある。それなのにBRICSが温暖化対策やるって変だ。これには裏がある。 |
おそらく首班指名は石破茂におちつくのだろうが、そうなれば「石破茂は、かつての安倍晋三に劣らず(むしろそれ以上に)トランプと気が合いそうだ。国内で劣勢でも、首相職が維持できれば、安倍がやり残した、トランプに牽引された対米自立」の証として「日米地位協定」の見直しに期待できるかもしれない、とオジサンは思う。