新・定年オジサンのつぶやき

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トマホークでは日本の食料安全保障は実現しない

2023年02月18日 12時17分07秒 | 岸田文雄

自らの国会での不用意な発言から、総理秘書官の差別発言につながり、矢面に立った岸田文雄は、「岸挽回」ではなく「名誉挽回」とばかりに、お馴染みの「やってる感」を演じたのだが、やはり、その後の対応、も含めて墓穴を張ってしまった。
 
首相、元秘書官の差別発言を陳謝 LGBT支援団体と面会」 
 
   

岸田文雄首相は17日、LGBTなど性的少数者の支援団体の関係者と官邸で面会した。元首相秘書官の荒井勝喜氏の性的少数者に対する差別発言に関し「心からおわびを申し上げたい」と陳謝した。同性婚の法制化を巡り「社会が変わってしまう」とした自らの国会答弁については「法律、制度が変わるという意味で使った。制度を議論していく必要があるとの趣旨だ」と釈明。LGBT理解増進法など個別の法整備には言及しなかった。
 差別発言後、首相が関係者に直接陳謝したのは初めて。女性活躍担当の森雅子首相補佐官にLGBT理解増進の担務を17日付で追加した。
 首相は荒井氏の発言について「不当な差別と受け取られる極めて不適切なものだ。多くの方に不快な思いをさせた」と説明。政権の目指す社会像として「多様性が尊重され、全ての人々が互いの尊厳を大切にする社会を目指すべく努力しなければならない」と表明した。支援団体関係者の意見を参考にするとともに、LGBTの理解増進に向けた取り組みを進めるとした。

 

   
岸田文雄の犯した大きなミスは2つある。
 
1つは「言葉の使い方である。
 
祖父が金田一京助で、父が春彦という家系をもつ日本語研究の第一人者の金田一秀穂が、こう指摘していた。
 
『社会が変わってしまう』の印象は【明らかに否定的』 言葉のプロが分析 同性婚めぐる首相発言
 
岸田文雄首相が同性婚制度に関して「社会が変わってしまう」とした国会答弁を撤回せず「ネガティブな発言をしたつもりはない」と述べたことに、釈然としない思いを抱いている人も多い。発言は、同性婚への否定的な見方が表れたものではないのか。元首相秘書官による性的少数者への差別発言もあって岸田政権の認識が問われる中、言語学者ら専門家に首相の国会答弁を分析してもらった。
◆「…てしまう」はよくないことで使う 金田一秀穂氏
 

 
「明らかに否定的ニュアンスを表している」。祖父・金田一京助氏、父・春彦氏に続く日本語研究の第一人者である金田一秀穂杏林大名誉教授はそう言い切る。「外国人に日本語を教える時、『てしまう』というのは『残念だ』とか『よくないことで使う』と教えている」と解説する。
 首相は1日の衆院予算委員会で、同性婚制度導入について問われ「全ての国民にとっても家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」と述べた。共同通信の世論調査で発言は「適切ではない」との答えが57.7%で「適切だ」の32.2%を大きく上回る。
 金田一氏は「試合に負けてしまった、入院してしまったと言う場合にはいいが、『結婚してしまった』と言うと、とても残念な気持ちを伝えてしまうことになるので、使ってはいけないと教えている」と述べる。
  国語辞典編さん者の飯間浩明氏は「首相の表現は全体的にはっきりしないのでもどかしい」と話す。その上で「国会会議録を見ると、同性婚制度を巡る議論は2010年代後半には活発化している。そろそろ首相自身がどう考えるのか聞きたい」と注文を付けた。
◆「見守りたい」→「今はやらない」 大人の解釈
 また、首相は、超党派の議員が合意したのに自民党内の反対で国会に提出できない性的少数者の理解増進法案についても「政府としては議員立法の動きを尊重しつつ、見守っていきたい」と自らの考えを示さず、指導力を発揮していない。
 金田一氏は「人は会話する時、字義通りに意味を伝え合っていないというのが言語学の常識。例えば、夜遅く帰ってきた子に親が『今何時だと思っているんだ』と問うときは時間を聞いているのではなく『遅くてけしからん』との意味で言っている」と指摘する。
 その上で、首相の「見守りたい」発言は「『今はやらない』とはっきり言えない事情があるのだと判断するのが大人の理解。『見守る』は『何もしない』『見ているだけ』と解釈するのが国語力ではないか」と話した。

 
「言葉が命」でもある政治家は、言質を取られないように支持者らからの陳情には決して「YESもNO」も言わず、「前向きに検討する」と返答することは常識になっている。
 
陳情者は「前向き」という言葉から「少しでも良くなる」と錯覚するのだが、政治家からすれば「検討の結果ダメだった」という言い訳が用意されているものである。
 
そして2つ目のミスは、なにか不都合なことが生じた場合、あたかもそれを解決するために「専門にを対応する担当者」を任命するのだが、その担当者の過去の国会での対応の拙さをl考慮しないで任命したことである。
 
政府 森まさこ首相補佐官をLGBTの人たちへの理解広げる担当に
     
政府は、LGBTの人たちへの理解を広げる担当に、女性活躍を担当する森まさこ 総理大臣補佐官をあてることを決めました。
同性婚への差別的な発言で総理大臣秘書官が更迭されたことをきっかけに、国会では、LGBTの人たちに対する理解を増進するための議員立法などをめぐる議論が活発になっています。
こうした中で政府は17日、LGBTの人たちへの理解を広げる担当に、女性活躍を担当する森まさこ 総理大臣補佐官をあてることを決めました。
森氏は、参議院福島選挙区選出の当選3回で58歳。平成19年の選挙で初当選し、これまでに法務大臣などを務め、おととし11月の第2次岸田内閣の発足に伴って総理大臣補佐官に就任しました。
松野官房長官は記者会見で、「性的指向や性自認を理由とする不当な差別や偏見はあってはならず、森補佐官はLGBTに関する理解を国民に広く普及する役割を担う。多様性を認め合う包摂的な社会の実現のため、しっかりと取り組んでもらいたい」と述べました。
森まさこ氏「この役目を全力で果たしていきたい」
森まさこ総理大臣補佐官は、総理大臣官邸で記者団に対し「責任の重大さを感じている。岸田内閣が、多様性を重視し、全ての人の人権が守られる包摂社会を作っていくことを目的としている中で、この役目を全力で果たしていきたい」と述べました。

 
 
 
 
法務大臣当時の国会答弁は、やはり単なる飾り物大臣だった。
 
 
  
 
今後、LGBT理解促進担当の森まさこが岸田文雄が掘ってしまった墓穴をさらに広げないことを期待するばかりである。
 
ところで、日本を取り巻く安全保障関連が大きく変化をしたという名目でNATO諸国並みに軍事費をGDP比2%を目標に大幅な増税を企んでいる 
 岸田文雄なのだが、本当に国民を守るには、戦闘機やミサイルなんかではなく、もっと大切なことがあるのではないだろうか。
  
 「食料安全保障の強化」と口先では言っていたが、その具体的なビジョンは全くもっていなかった岸田文雄。 
  
先進国で自給率最低。ニッポンの食料安保を脆弱にした主犯は経産省か農水省か?
 
高い飢餓リスク。世界で最も食料安全保障が脆弱な国家ニッポン
2月6日の衆議院予算委員会で、立憲民主党の野間健議員は岸田首相の施政方針演説について、このように指摘した。
「岸田総理が施政方針演説で農業に言及した箇所は、1万1,494字のうち121文字しかなく、過去20年間の施政方針演説で最も少ない」
輸入肥料や飼料の高騰などで農家・酪農家が悲鳴をあげているというのに、岸田総理は農業に関心がないのではないか、というのが野間議員の疑念であろう。
カロリーベースの食料自給率が38%にすぎず、食べ物はおろか種や肥料、牛や豚のエサさえも他国からの輸入に依存するこの国で、アベノミクスの末路ともいえる円安が進み、高値で爆買いする中国に買い負ける傾向が強くなっている。
ただでさえ、世界はしばしば異常気象に見舞われているうえ、新型コロナウイルスの蔓延もあって、食料の生産、流通が打撃を受けている。そこに、世界の小麦輸出の30%を占めるロシアとウクライナの戦争が起こり、穀物相場を押し上げたため、他の食料生産国に輸出を渋る動きが出始めた。まさに、世界で食料の争奪戦が起きているのだ。
岸田首相は巨額の防衛費を用意して米国から兵器を輸入する安全保障政策には熱心だが、人間の生命の源である食料をどんな国際状況においても確保する防衛手段の構築については、ほとんど何のビジョンもないように見える。
施政方針演説では「肥料・飼料・主要穀物の国産化推進など、食料安全保障の強化を図りつつ…」とほんの一瞬、この問題に言及はしたものの、具体的方策は示されず、熱量は全く感じられなかった。
能天気な岸田首相の姿勢とは裏腹に、日本の食料安全保障の現況は、かなり危ういようである。二人の専門家の意見を聞こう。
元農水官僚ながら現在は経産省所管の独立行政法人「経済産業研究所」の上席研究員をつとめる山下一仁氏は、ウクライナ侵攻や中国の爆食などで、国際的な食料品価格が上昇しても、所得が高い日本では、買えなくなって食料危機が起こることはないと指摘する。ただし、台湾有事が起きたときは別だといい、その深刻度について、こう述べる。
「台湾有事などで日本周辺のシーレーンが破壊されると、小麦も牛肉も輸入できない。輸入穀物に依存する畜産も壊滅する。この時は、国内にある食料しか食べられないので、ほとんど米とイモだけの終戦時の生活に戻るしかない。しかし、終戦時の1人1日当たり米配給量(成人で2合3勺、年間126キロ)を今の国民に供給するだけで1,400万トン以上必要なのに、農林水産省が示した今年の米生産上限値は675万トンである。これでは半分以上の国民が餓死する」(経済産業研究所のサイトより、以下同じ)
同じく元農水官僚の鈴木宣弘・東大大学院農学生命科学研究科教授は、食料輸出国が輸出をストップし、お金を出しても買えない事態が懸念されるとし「日本は世界で最も食料安全保障が脆弱な国であり、それゆえ最も飢餓のリスクが高い国」と断言する。
その根拠として、現在でも先進国で最低レベルの食料自給率が、今後も低下し続けると予測されることをあげる。
「日本のカロリーベースの食料自給率は、2020年の時点で、約37%という低水準だ。(中略)しかし、37%というのは、あくまで楽観的な数字に過ぎない。農産物の中には、種やヒナなどを、ほぼ輸入に頼っているものもある。それらを計算に入れた『真の自給率』はもっと低くなる。農林水産省のデータに基づいた筆者の試算では、2035年の日本の『実質的な食料自給率』は、コメ11%、野菜4%など、壊滅的な状況が見込まれるのである」(鈴木宣弘著『世界で最初に飢えるのは日本』2022年12月発行、以下同じ)
国内で食べる食料が、国内で生産されたものでどれほど賄えているかを示す割合が食料自給率だ。カロリーで表す方法(カロリーベース)と、生産額で表す方法(生産額ベース)があるが、飢餓を問題にするならカロリーベースで考えるべきだろう。
日本におけるカロリーベースの食料自給率は2021年時点で38%だ。今の調査方法になった1965年は73%だったが、2010年以降は40%を割り込んでいる。
戦後、主食としてコメだけでなく、小麦を原料とするパンなども多く食べられるようになり、肉、卵、油を使う料理も広がった。家畜のエサにするトウモロコシなどの穀物や、油のもとになる大豆、菜種などは、山が多く平地が少ない日本で大量につくるのは難しいため、どうしても海外からの輸入に頼らざるを得ない。
農林水産省の試算では、輸入が止まった場合、イモ類を中心に栽培すればなんとかカロリーの面では日本人の食をまかなえるが、いつも食卓はイモが中心となり、卵は7日に1個、肉は9日に1食といった食事風景になるという。
山下氏は、台湾有事のようなことがないかぎり日本では食料危機の心配はないと言い、鈴木氏は世界的な不作や国同士の対立による輸出停止・規制によって、お金を出しても買えない事態に陥る可能性があると言う。両者にやや危機意識の違いは見られるが、いったんコトが起きれば日本人の餓死するリスクが格段に高くなるとする点では共通している。
しかし、日本の食料安保をこれほど脆弱にした“主犯"は誰かとなると、両者の間には大きな違いがあるようだ。
山下氏は農水省・JA農協・農林族議員の、いわゆる農政トライアングルによる減反政策の弊害を指摘する。
「終戦後、日本は大変な飢餓に苦しんだ。このため、食糧増産を目的として、終戦時の900万トンから20年をかけて1,445万トン(1967年)まで米生産を拡大した。しかし、その後、農政トライアングルが主導した減反政策によって、逆に50年間で半減され、とうとう700万トンを切ってしまった」
米価を高く維持するための減反政策で耕作面積は減り続けた。農地の造成により、720万ヘクタールの農地があるはずなのに、実際には440万ヘクタールしかない。その差280万ヘクタールを、半分は転用、半分は耕作放棄で喪失したと山下氏は指摘する。
現下のように穀物の国際価格が上昇すると、農政トライアングルが必ずといっていいほど持ち出すのが「関税や補助金などで国内の農業保護を高めるべきだ」という主張だが、国はこれまでJA農協という利益団体の声を聞き入れて農業予算を投じ、そのため逆に国内生産が減少してしまったのが実態だという。
一方、鈴木氏は、日本の農業が過保護でその結果として競争力が低下したというのは間違いだと主張し、米国の強い競争力の源泉について次のように指摘する。
「アメリカは穀物輸出補助金だけで多い年には1兆円近くも使う。補助金で安くした農産物で世界の人々の胃袋をコントロールするという、徹底した食料作戦を実行している」
輸入されている主要農畜産物のうち、米国産が占める割合は小麦73%、トウモロコシ64%、大豆73%、牛肉42%というありさまだ。
貿易自由化で食料の米国依存が進み、国内の農業が疲弊していってもなお、政府が食料自給率を上げようとしなかったことについて、鈴木氏は「食料自給率を上げて、国民の命を守るということは、アメリカからの輸入を減らすことを意味する。そのため、政治家も官僚も、そうした方向性の政策はやろうとはしない」と述べ、貿易自由化を推進した経産省、経産省官僚に牛耳られた第二次安倍政権、そして農業予算の削減に熱心な財務省をやり玉に挙げる。
「日本の『食』を、安全保障の基礎として位置付けるどころか、むしろ、貿易自由化を推し進め、相手国に差し出す『生け贄』のように扱ってきたのが、いまの政府だ。その結果、自動車などは、輸出先の関税が下がったので、大きな利益を享受している。いまの政府で力を持っているのは、経済産業省や、財務省だ。(中略)第二次安倍政権では、今井尚哉秘書官を始め、経産省出身者が官邸を牛耳った。(中略)日本の農政を台無しにしている、もう一つの犯人は、財務省だ。(中略)彼らは予算を削ることしか頭にない」
たしかに今の岸田政権も、政務担当の首席秘書官が元経産省事務次官、嶋田隆氏であり、経産省主導が続いている。
両氏の問題意識は新自由主義的な規制改革をめぐって真っ向から対立しているようにみえるが、多分、どちらの見方も正しいのだろう。農政トライアングルが既得権死守にやっきになってきたことも事実だし、経産省主導の安倍政権が自由貿易の名のもとに、米国の言いなりになったのも事実である。
人手不足、低所得、後継者難により農家の減少は続いている。耕作放棄地は増える一方だし、農業に参入した大企業はほとんどが撤退している。コロナ禍による牛乳の余剰や、エサ代・電気代の高騰で、酪農家が悲鳴をあげ、倒産・廃業が相次いでいる。農家や酪農家への支援予算が中抜きされ、効果的に使われていないという問題もある。
この国の農業をどうやって立て直すのか。政府は昨年12月27日、食料安全保障強化政策大綱を決定した。食料を過度に輸入に依存する構造を改めるため、自給率の低い小麦や大豆などの国内生産拡大へ向けて水田の畑地への転換を推進するなどという内容だが、山下氏や鈴木氏が示す課題を解決できるかとなると、甚だ心もとない。そもそも、これまで農業政策は計画倒れを繰り返してきた。
農業界の既得権益や経産省の省益が幅を利かせている限り、食料安全保障が強化されていくとは思えない。いい加減に政府は、日本を蝕むムラ社会の呪縛から抜け出すべきである。
ただし、岸田首相にそのリーダーシップを期待するのは所詮ムリかもしれないのだが…。
 
 
かつて「飽食の時代」といわれた時期があったが、日本農業の問題という点では2030年に昭和一桁世代といわれている、戦後の日本農業を支えてきた生産者たちが、おそらく完全にリタイアしている時期となり、このままでは自然に農業消滅ということになってしまう。
 
省益を守り米国の言いなりに自由貿易を推進してきたツケが徐々に日本の自給率の低下を招き、コメの代わりに「サツマイモ栽培」を幕府が奨励したような江戸時代に戻ることがないように、日本を蝕むムラ社会の呪縛から抜け出すことができるリーダーの登場を期待するしかないのだろうか、とオジサンは思う。
 
   
  

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