今晩、今シーズン初めて横浜スタジアムにナイター観戦に行ったら、思いもよらぬ中日・山井投手のノーヒットノーラン! ヤター!!(私ヌルボ、名古屋生まれ。) さすがに今回は9回で岩瀬にスイッチというのはありませんでした。(笑) ヌルボのノーヒットノーラン観戦は、2000年4月にバンチ投手のを観て以来2回目です。
・・・ということで、記事書きが遅くなってしまいました。記事の日付けは28日ですが、実際はとっくに29日になってます。
韓国の街歩き中、時節柄「냉면 개시(冷麵開始)」の貼り紙が目にとまりました。これを見ると、関川夏央が食堂で「ネンミョンケーシを下さい」と言って店員さんに笑われたというエピソードを思い出します。(「ソウルの練習問題」が出たのはちょうど30年前か・・・。この頃古いネタが多いなー。)
昨日発売の「週刊文春」(7月4日号)で、平松洋子さんも「冷麵あります」という見出しでソウルの冷麵屋を訪ねた時のことを書いています。88(パルパル)オリンピックの2年前というから1986年のことですね。
過去記事(→コチラ)で紹介した「韓国むかしの味」にも書かれているように、韓国各地に足を運んであのヌタウナギのようなおぞましい(!?)モノまで食している彼女ですが、やはりブームの起きるずっと以前から行っているのですね。
その「とくに看板もない、木造のちいさな店」(←名前や場所等は記されていない)で厨房に入れてもらった平松さん、そこで「もっとも知りたかった謎」、すなわち「そもそも朝鮮半島の麵は、なぜ嚙み切れないほどハードなのか」という謎が「一瞬で解けた」と記しています。
それは手動の製麵機(麵押し機)を見たから、なのだそうです。
背丈1mほどの筒状の道具で「筒の上からこねておいた生地を入れ、手押しポンプみたいな柄を一気に引き降ろす。すると、筒先の盤の無数の穴を通過して、いっせいにすだれのように垂れてくる細い麵。そのすぐ下、ぐらぐら沸騰した大釜の熱湯が待ち受ける」という構造になっています。
そしてお店の人の説明。「生地を押すとき圧力がかかるから、麵に強い弾力がでるんです。昔っからのこの道具がなきゃだめ」。
以下、平松さんの文をそのまま引用します。
そうだったのか! 世界最強のコシの秘密はこれだったか。じゃがいものでんぷん、そば粉、水、三つの配合の妙だと思っていたけれど、それだけではなかった。「むぎゅっと押しだす道具」の存在をはじめて目にして、わたしは興奮し、取材ノートにスケッチを書きつけた。
・・・残念ながらそのスケッチは載っていないので、その麵押し機=クッストゥル(국수틀)を画像検索してみました。結果は→コチラです。すると、木製のかなり大きなテコのような道具の画像がたくさん出てきていますが、どうみても相当に昔の、博物館の展示物のようなもので、現在使っている道具とはとても思えません。それ以外の金属製のものは電動のものばかりで、平松さんが見たと思しき麵押し機は簡単には見つかりませんでした。
・・・が、ついに見つけたゾ!というのは、春川にあるマッククス体験博物館にある物。コネストの記事(→コチラ)にも画像がありますが、この博物館を紹介した動画(韓国語)の中にありましたので載せておきます。
【2:40から、家族連れが講師の女性に教わりながら、この道具を使って麵作り体験をしています。】
さて私ヌルボ、なんでこんなちょっとムキになっていろいろ調べたのかというと、先の平松さんの文章に疑問をもったからなのです。どこかというと、お店の人の説明部分。
「生地を押すとき圧力がかかるから、麵に強い弾力がでる」というのは理由と結果が逆でしょう。つまり「生地が硬いから強い力を加えないと下の穴から出てこない」ということではないでしょうか?
強い力で押すと強い弾力がでるのなら、トコロテンも力いっぱい押しだすとコシのあるトコロテン(??)が出てくるはず。(笑)
右隣りの席で野球を観ていたベイスターズファンの理科専門・I先生にこの件について尋ねると、「おっしゃる通りです」。そして、麵類のコシの強さを決定づけるのは、小麦粉等を水で延ばして捏ねるとか叩くくとかすると形成されるグルテンが・・・云々云々以下省略とのこと。
(あ、もしかして強い圧力を加えるとグルテンの形成が促進される云々ということがあるのかな?ってことは訊かなかったな。)
また左隣りのベイスターズファンF氏は、「美味しんぼ」の中にあった讃岐うどんの腰の強さをテーマにした話のことを驚異の記憶力を発揮して語ってくれました。帰宅後の検索の結果は→コチラです。
「週刊文春」の記事に戻ります。
日本蕎麦が生地を麺棒で広げ、包丁で切って麺を作るのに対して、冷麵(やマッククス)は上記のように麵押し機で穴から麵を押し出すというのを現地で見て、平松さん、感動したお気持ちはわかりますが・・・、やっぱりヘンですね。ま、そんなに目くじら立てるほどのものでもありませんが・・・。
それから、この記事では次のようにも書かれています。
いまでももちろん、伝統のおいしさを守る冷麵屋の厨房には、この手動の麵押し機がちゃんとある。
ふーん、そうなのかー、・・・ってホントにそうなのかなー?
ウィキペディアの「冷麵」の説明には次のような記述もあります。
人力で操作する木製の押し出し機が使われていた時代は太い麺だったが、電動の製麺機が登場して以降の麺は徐々に細くなっていった。
人力で操作する木製の押し出し機のことは過去形で書かれていますよ。また、穴を小さくして麵を細くするためには、電動で強い力を加えなければならないということでしょう。
しかしはたして、今の韓国で、手動の麵押し機を使い続けている冷麵屋はどれくらいあるのでしょうか?
少なくとも、先週行った鳥致院(チョチウォン)の大衆食堂チェーン店・キムパプ天国の冷麵は手動でないことはたしか。え、もしかして出来合いの袋入りの麵?
あら、その鳥致院で食べた冷麵のことも書こうと思ったのですが、ここまで(ムキになって)たくさん書きすぎてしまったので、また別の機会にします。
【春川のマッククス体験博物館は、建物自体が昔の麵押し機をデザインしています。】
・・・ということで、記事書きが遅くなってしまいました。記事の日付けは28日ですが、実際はとっくに29日になってます。
韓国の街歩き中、時節柄「냉면 개시(冷麵開始)」の貼り紙が目にとまりました。これを見ると、関川夏央が食堂で「ネンミョンケーシを下さい」と言って店員さんに笑われたというエピソードを思い出します。(「ソウルの練習問題」が出たのはちょうど30年前か・・・。この頃古いネタが多いなー。)
昨日発売の「週刊文春」(7月4日号)で、平松洋子さんも「冷麵あります」という見出しでソウルの冷麵屋を訪ねた時のことを書いています。88(パルパル)オリンピックの2年前というから1986年のことですね。
過去記事(→コチラ)で紹介した「韓国むかしの味」にも書かれているように、韓国各地に足を運んであのヌタウナギのようなおぞましい(!?)モノまで食している彼女ですが、やはりブームの起きるずっと以前から行っているのですね。
その「とくに看板もない、木造のちいさな店」(←名前や場所等は記されていない)で厨房に入れてもらった平松さん、そこで「もっとも知りたかった謎」、すなわち「そもそも朝鮮半島の麵は、なぜ嚙み切れないほどハードなのか」という謎が「一瞬で解けた」と記しています。
それは手動の製麵機(麵押し機)を見たから、なのだそうです。
背丈1mほどの筒状の道具で「筒の上からこねておいた生地を入れ、手押しポンプみたいな柄を一気に引き降ろす。すると、筒先の盤の無数の穴を通過して、いっせいにすだれのように垂れてくる細い麵。そのすぐ下、ぐらぐら沸騰した大釜の熱湯が待ち受ける」という構造になっています。
そしてお店の人の説明。「生地を押すとき圧力がかかるから、麵に強い弾力がでるんです。昔っからのこの道具がなきゃだめ」。
以下、平松さんの文をそのまま引用します。
そうだったのか! 世界最強のコシの秘密はこれだったか。じゃがいものでんぷん、そば粉、水、三つの配合の妙だと思っていたけれど、それだけではなかった。「むぎゅっと押しだす道具」の存在をはじめて目にして、わたしは興奮し、取材ノートにスケッチを書きつけた。
・・・残念ながらそのスケッチは載っていないので、その麵押し機=クッストゥル(국수틀)を画像検索してみました。結果は→コチラです。すると、木製のかなり大きなテコのような道具の画像がたくさん出てきていますが、どうみても相当に昔の、博物館の展示物のようなもので、現在使っている道具とはとても思えません。それ以外の金属製のものは電動のものばかりで、平松さんが見たと思しき麵押し機は簡単には見つかりませんでした。
・・・が、ついに見つけたゾ!というのは、春川にあるマッククス体験博物館にある物。コネストの記事(→コチラ)にも画像がありますが、この博物館を紹介した動画(韓国語)の中にありましたので載せておきます。
【2:40から、家族連れが講師の女性に教わりながら、この道具を使って麵作り体験をしています。】
さて私ヌルボ、なんでこんなちょっとムキになっていろいろ調べたのかというと、先の平松さんの文章に疑問をもったからなのです。どこかというと、お店の人の説明部分。
「生地を押すとき圧力がかかるから、麵に強い弾力がでる」というのは理由と結果が逆でしょう。つまり「生地が硬いから強い力を加えないと下の穴から出てこない」ということではないでしょうか?
強い力で押すと強い弾力がでるのなら、トコロテンも力いっぱい押しだすとコシのあるトコロテン(??)が出てくるはず。(笑)
右隣りの席で野球を観ていたベイスターズファンの理科専門・I先生にこの件について尋ねると、「おっしゃる通りです」。そして、麵類のコシの強さを決定づけるのは、小麦粉等を水で延ばして捏ねるとか叩くくとかすると形成されるグルテンが・・・云々云々以下省略とのこと。
(あ、もしかして強い圧力を加えるとグルテンの形成が促進される云々ということがあるのかな?ってことは訊かなかったな。)
また左隣りのベイスターズファンF氏は、「美味しんぼ」の中にあった讃岐うどんの腰の強さをテーマにした話のことを驚異の記憶力を発揮して語ってくれました。帰宅後の検索の結果は→コチラです。
「週刊文春」の記事に戻ります。
日本蕎麦が生地を麺棒で広げ、包丁で切って麺を作るのに対して、冷麵(やマッククス)は上記のように麵押し機で穴から麵を押し出すというのを現地で見て、平松さん、感動したお気持ちはわかりますが・・・、やっぱりヘンですね。ま、そんなに目くじら立てるほどのものでもありませんが・・・。
それから、この記事では次のようにも書かれています。
いまでももちろん、伝統のおいしさを守る冷麵屋の厨房には、この手動の麵押し機がちゃんとある。
ふーん、そうなのかー、・・・ってホントにそうなのかなー?
ウィキペディアの「冷麵」の説明には次のような記述もあります。
人力で操作する木製の押し出し機が使われていた時代は太い麺だったが、電動の製麺機が登場して以降の麺は徐々に細くなっていった。
人力で操作する木製の押し出し機のことは過去形で書かれていますよ。また、穴を小さくして麵を細くするためには、電動で強い力を加えなければならないということでしょう。
しかしはたして、今の韓国で、手動の麵押し機を使い続けている冷麵屋はどれくらいあるのでしょうか?
少なくとも、先週行った鳥致院(チョチウォン)の大衆食堂チェーン店・キムパプ天国の冷麵は手動でないことはたしか。え、もしかして出来合いの袋入りの麵?
あら、その鳥致院で食べた冷麵のことも書こうと思ったのですが、ここまで(ムキになって)たくさん書きすぎてしまったので、また別の機会にします。
【春川のマッククス体験博物館は、建物自体が昔の麵押し機をデザインしています。】