ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

越南作家・李浩哲の小説2作を読む 「板門店」と「南のひと北のひと

2010-12-09 16:07:00 | 韓国の小説・詩・エッセイ
      

 李浩哲の小説「南のひと北のひと」(新潮社)「板門店」(作品社)の2冊を続けて読みました。もちろん日本語訳です。

 李浩哲(1932~)は78歳の今も新作を出している作家です。咸鏡南道元山(ウォンサン.現・北朝鮮)の出身で、1950年元山高級中学校3年の時に朝鮮戦争勃発。同年7月人民軍に強制動員されたが、12月国連軍の捕虜となり、その後釈放されて以来韓国で労務者生活等を経て1955年文壇にデビューした<越南作家>です。

※「板門店」の川村湊先生の解説によると、同い年の作家・後藤明生(1932~99)は生まれは永興(ヨンフン)だが中学は元山中学校で李浩哲と同窓。しかし同校に通ったのは1945年春から終戦までの数ヵ月で、後藤は李浩哲のことはよく覚えていない、と語ったそうです。同じことを川村先生が李浩哲に聞くと、彼の方は後藤をよく覚えていたとのことです。
 後藤明生と朝鮮のことは、いずれ記事にします。
※3歳年長の詩人・金時鐘(1929~)も元山生まれですが、中学校は光州の教員養成の学校でした。

 先に読んだ「板門店」の方は、朝鮮戦争そのものというより、当時の混乱の中で行き別れとなってしまった親子のその後とか、戦争中に軍令に反したかどで危うく処刑されかけた男がその後も持ち続けた偽りの証言者たちへの怨み等々、戦争にまつわるさまざまな人間模様を描いた6編の連作集です。

 もう一方の「南のひと北のひと」は、朝鮮戦争勃発の前から戦争中に捕虜となった時までの李浩哲自身の体験をベースにした、5編からなる自伝的要素の強い連作です。

 私ヌルボとしては、「南のひと北のひと」の方を興味深く読みました。
この小説について、あるサイトでは「とにかく面白くない」等々かなり手厳しく批判しています。
 たしかに、主人公の周囲のさまざまな人間像はいろいろ描写されていますが、激動する状況下、多感な若者に当然あったはずの内心の葛藤などがほとんど書き込まれていなくて、小説的な感興は今ひとつ食い足りない感は否めません。
 しかし、終戦後の38度線の北の社会や、学校内の雰囲気の変化等の記述は興味深いものがあります。
 たとえば、スターリンの肖像画の洪水の中で、地主から没収した土地をが小作人たちに分け与えられていくようす、熱に浮かされたように教条主義的な弁舌を長々とたれる「熱誠分子」の学生、いろんなタイプの教師たち等々。

また、本書では、越南者を時期によって3つに分けています。

 第1期は、1946年1月の信託統治の賛否をめぐる騒動の頃。当時の雰囲気は次のように描かれています。

 その四ヵ月間のわが中学内の雰囲気を振り返ってみると、何やら透明なガラス水槽の中か、童話の世界の中のように浮かび上がってくるものがある。それはようやく根を張りはじめた北の体制とは関係ない、大正や昭和初頭の日本とその後に彼らが経験した南の世相を適当にかき混ぜたビビムパプみたいな雰囲気だった。事実、教師たちの大半がこの学校の先輩たちで、日本の高等学校や大学の出身であり、中には欧米の水に浸かったひととたちもいたからだ。

 上記のような教師たちはこの時期に越南し、その後南で大學教授や高級官吏などになります。
 彼らの越南後に共産主義者たちが羽振りをきかせはじめます。越南した最初の校長は「今日はよいお天気です。みなさんの顔も今朝はとても晴ればれとしています」と朝礼で話していましたが、その後に赴任した校長は次のような二時間もの長広舌。「長い桎梏の歴史であった過去三十六年間、・・・いま日帝の鎖と軛(くびき)のもとから解放されて・・・、学生トンムたち! スターリン大元帥領導下の偉大なるソ連軍の・・・全世界の被抑圧階級の解放に足並みをそろえ・・・」。
 作者は「第一期で越南したひとたちはどこか、私たちとは人種が異なるひとたちではなかったかと思う」と記しています。また次のようにも記しています。
 「変化は何も信託統治の賛否をめぐる騒動の最中に、ある日とつぜん押し寄せてきたのではなかった。それは最後の駄目押しの一撃にすぎず、いつからかひそかにじわじわと迫っていたのだった。」

 越南の第2期は、38度線が凍てついた後の48年前後。
 そして第3期は朝鮮戦争中の1951年1月の中国軍参戦で国軍がソウルを撤退した時に避難民が大量に越南した時、ということです。

 上記の他にも、今では軍隊や学校での代表的体罰の名称になってしまっている<元山爆撃>の現場の状況なども描かれています。

 戦後の長い軍政下、全的な言論の自由がなかった時代の作家として、とくに朝鮮戦争や北朝鮮についてはいろいろ制約があったと思われます。先にヌルボも厳しい感想も記しましたが、その点は念頭において読むべきでしょうね。

※李浩哲さんは小説の取材等でときおり日本に来ているようです。<ブログかわやん>中にに分けてその時の記事がありました。また、その時の飲み屋での写真入りの記事もありました。金時鐘さんも一緒に写っています。
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これは楽しい(?)韓国語クイズ①  [同音異義の漢字語編]

2010-12-08 19:51:20 | 韓国語あれこれ
 韓国語学習者の皆さんの中で、韓国の新聞で<수목드라마>という言葉を見て、<드라마>はドラマでわかるとして、<수목>は何だろう?辞書で引き、<樹木>とだけあるのを見て首をかしげた経験のある方はいませんか? はい、数年前の私ヌルボがその1人です。正解は水曜木曜に放映される<水木ドラマ>です。<월화드라마(月火ドラマ)というのもありますね。

 これまでも、漢字語をハングルだけで書くとこんな誤解が起こる、という例はいろんなところで、またさまざまな例で取り沙汰されてきました。

 ヌルボ自身も、上記以外にも体験的誤解事例がたくさんありました。辞書を見て思いついたものも含めてクイズにしてみたので、やってみてください。
 正解は、→ の右を範囲指定すると現れます。

①진짜 자기를 찾아 여행을 떠났다. 
本当の自分を探して旅に出た。・・・と思ったら「本物の磁器」でした。

회화 공부을 하고 있어요.
絵画の勉強をしています。韓国語会話の勉強をしてる人はたいていひっかかりますね(笑)。

이상의 문학세계
理想の文学世界、じゃなくて李箱(李箱文学賞で有名な作家の名)の文学世界。

④그리운 향수의 향기
懐かしい香水の香り。詩人鄭芝溶(1902~50)の有名な詩「향수」は香水かと思ったら「郷愁」でした。

⑤그가 사실을 중시한 건 사실이다.
彼が写実を重視したのは事実だ。

⑥우리 팀은 지난해와 올해 잇따라 연패했다.
わがチームは去年、今年と続けて連敗した。連覇と思っておめでとう!と言われたりして・・・。

이사이사했다.
理事は引っ越した。これはわかりやすいですね。

⑧사람마다 사정은 다르다.
人それぞれに事情は異なる。事情の他に査定・射程・私情・射精等々、どれでもOK、じゃないですね。

여정이 그렇다면 여정을 맛볼 여유도 없어요.
そんな旅程では旅情を味わう余裕もないです。

⑩상대방의 무력과 자기 무력에 절망했다.
相手方の武力と自分の無力に絶望した。

자비로는 힘들어요. 자비로이 부탁해요.
自費はつらいです。慈悲をお願いします。

⑫도쿄도지사 일을 하고 있습니다.
東京都支社の仕事をしてます。え? 東京都知事じゃないの?

⑬실수없이 화장했다.
ぬかりなく火葬した。えっ、化粧してただけ!?

⑭그의 음모를 모르는 척했다.
彼の陰謀に気づかないふりをした。陰毛じゃないですよっ!(笑)

⑮김일성대원수는 한민족 모두의 대원수입니다.
金日成大元帥は韓民族皆の大のカタキです。例文に問題あり?

⑯한 교사에 능한 교사교사로, 교사한 생활를 보내고 있었던 그 사람은 교사내에서 교사했다.

ある巧詐にたけた教師の教唆で、驕奢な生活を送っていた彼は校舎内で絞死した。

 いかがでしたか? 全部©ヌルボのオリジナルです。⑥は単語だけは何かで見ましたが・・・。
 他でいくらでも引用してOKですが、出所も紹介しといてくださいね。
 また、ちょっとムリして文をこしらえたため、&韓国語自体があまり自信がないので、不自然な箇所もあると思います。お気づきの点があれば教えてください。こっそり直しますので・・・。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[12月3日(金)~5日(日)]

2010-12-07 23:46:16 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先週横浜のシネマ・ジャック&ベティで「金正日花/キムジョンギリア」という映画をやる予定がある、と書きましたが、それ以前に、今月25日から「冬の小鳥」(原題は「旅行者」)を上映します。今年公開の韓国映画の中でもトップクラスの佳作です。まだ観ていない方はこの機会にどうぞ! みなとみらい方面もいろいろと新しい建物や店ができてるようだし、映画とセットで横浜散策もいいですよ。韓国にこだわるなら、伊勢佐木町からちょいと西に入ると韓国関係の食堂だの韓国食材店だのもたち並んでます。

   ★★★ Daumの人気順位(12月7日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①なくな、トンズ(韓国)  9.9(352)
②瞳の奥の秘密  8.9(46)
③招かれざる客(韓国)  8.9(32)
④オーケストラ!  8.6(103)
⑤ケチなロマンス(韓国)  8.5(328)
⑥パンガ? パンガ! (韓国)  8.4(1089)
⑦不当取引(韓国)  8.4(943)
⑧新しい人生のはじめかた  7.0(1)
⑨The Switch  8.2(45)  
⑩二階の悪党  8.1(455)

 ⑤、⑧、⑨が新登場です。
 ⑤は後述。
 ⑧はダスティン・ホフマン主演の大人のラブ・ストーリーで、日本では今年2月に公開されました。韓国題は「하비의 마지막 로맨스」で、原題は「Last Chance Harvey」。
 ⑨は、親友(男)の反対を押し切って人工授精によって出産した女性が、7年後に彼と再会すると・・・、とこれだけでなんとなく筋が読めちゃいそうなコメディ。来年日本でも公開のようです。

【専門家による順位】

①不当取引(韓国)  7.7(8)
②バッハ以前の沈黙  7.6(3)
③招かれざる客(韓国)  7.5(2)
④ソーシャル・ネットワーク  7.4(9)
⑤啓蒙映画(韓国)  7.2(4)
⑤虹(韓国)  7.0(5)
⑦フェティッシュ(韓・米)  7.0(1)
⑦なくな、トンズ(韓国)  7.0(1)
⑨二階の悪党(韓国)  6.7(9)
⑩瞳の中の秘密  6.7(4)

 他のランクでも紹介していない、純粋の初登場は⑦の「フェティッシュ」だけ。韓国語表記は「페티쉬」です。2008年にソン・ヘギョがアメリカで撮った映画。代々受け継いだムーダン(무당.巫女)としての血から逃げるために韓国系米国人と結婚して逃げるように米国に行った女。夫も義母も篤実なキリスト教信者で、隣人たちとのつきあいも始まるのですが、ムーダンの運命が彼女を襲う・・・。今韓国のムーダンと、ムーダンに対する人々の見方はどうなってきているのでしょうね?

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月3日(金)~5日(日)] ★★★
         「超能力者」が200万人を超える

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・ケチなロマンス(韓)・・・・・・・・12/01・・・・・・・・469,840・・・・・・・・・・・・・・・606,188・・・・・・・566
2・・ウォリアーズ・ウェイ(韓・米)・・12/01・・・・・・・215,715・・・・・・・・・・・・・・・296,909・・・・・・・535
3・・スカイライン・・・・・・・・・・・・・・・11/25・・・・・・・・135,123 ・・・・・・・・・・・・・・801,841・・・・・・・421
4・・二階の悪党(韓)・・・・・・・・・・・11/24・・・・・・・・110,764・・・・・・・・・・・・・・・506,600・・・・・・・383
5・・ナルニア国物語・・・・・・・・・・・12/09・・・・・・・・・71,136・・・・・・・・・・・・・・・・71,468・・・・・・・180
    第3章:アスラン王と魔法の島
6・・不当取引(韓)・・・・・・・・・・・・・・10/28・・・・・・・・・57,913・・・・・・・・・・・・・2,701,052・・・・・・・294
7・・The Last Exorcism ・・・・・・・・12/02・・・・・・・・・52,033・・・・・・・・・・・・・・・・69,997・・・・・・・203
8・・超能力者(韓) ・・・・・・・・・・・・・11/10 ・・・・・・・・・44,836・・・・・・・・・・・・・2,115,879・・・・・・・340
9・・スウィッチ ・・・・・・・・・・・・・・・・12/01・・・・・・・・・・39,771・・・・・・・・・・・・・・・・60,062・・・・・・・195
10・・ソーシャル・ネットワーク ・・11/18 ・・・・・・・・・26,968・・・・・・・・・・・・・・・488,119・・・・・・・204

 1・2・5・7・9位が新登場と、半分入れ替わりました。
 1位、漫画家(イ・ソンギュン)とセックスコラムニスト(チェ・ガンヒ)が賞金目当てに組んで成人漫画を作ることになる、というちょっとエロチックなロマンテック・コメディ。原題の「쩨쩨한 로맨스」は「みみっちいロマンス」、「くだらないロマンス」、「ケチなロマンス」等々いろんなふうに訳されているようです。
 2位は、原題は「워리어스 웨이」。チャン・ドンゴン主演のハリウッド進出作品。アメリカでは12月2日に1500館で公開だそうです。西部が舞台で、村を守るため刀で的と対決するんだって? 当然英語ですよ。
 5位、シリーズ第3作。韓国題は<나니아 연대기(ナニア年代記): 새벽 출정호의 항해(夜明けの出征号の航海)>なんですね。日本公開は来年2月。吹替えの尾上菊之助がこの映画についての会見の場で、例の件で顔にケガをした市川海老蔵のことを心配してたとさ。
 7位、悪魔に取り憑かれた少女が奇怪な動きや行動をとる、・・・といえば、あの「エクソシスト」の系列ですね。韓国題は「라스트 엑소시즘」とそのまんま。日本公開は未定のようです。
 9位は上述しました。
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韓国語でも目(ヌン)と芽(ヌン)が同音というフシギ

2010-12-06 17:03:59 | 韓国語あれこれ
 11月29日の記事でアジア大会の囲碁について書きましたが、その時に韓国側の報道文中で「반 집 승」とあるのに気がつきました。前後から判断すると「半目勝ち」
 つまり、<目(もく)>のことを韓国語で<집>というのですね。それまで知りませんでした。집はもちろん本来は家です。
 ことのついでに英語では何というのか調べてみるとpointだそうです。※White wins a half points. (白の半目勝ちです。)
 囲碁の用語については、日本の用語が国際標準化されている(?)ことに対する韓国側の反対の動きもあるようで、いずれ記事のテーマとしてとりあげることもあろうかと思います。韓国語で各囲碁用語をどういうか興味をお持ちの方は<光永会公式ホームページ>中の「ハングル囲碁用語講座」を参照されたし。

 ところで、今回のテーマは囲碁でもなく、目(もく)でもなく、目(め)と芽(め)についてなのです。
 私ヌルボが韓国語の教わっているN先生が先日「ややこしや~」という問を発したのですが、それというのが「目と芽は同音異義語なのか? 本来的に同じ言葉だったのか?」というもの。
 さらに韓国語を見てみると、目(め)は韓国語ではもちろん눈(ヌン)。ずっと以前、初級用テキストで雪も눈ということも合わせてアタマに入れました。
 しかし、にはという意味もあるんですね。恥ずかしながら、知りませなんだです、はい。(芽といえばの方はこれまで何度も目にしましたが・・・。)

 つまり、日本語同様に、目と芽で同音になるんですね!

 韓国語の場合(눈=目と、눈=芽は本来同語?)も含めて、先生の問の正解はよくわかりません。しかし、ここでも日本語と韓国語の偶然なのか言語史上の必然なのかわかりませんが、不思議な共通点に気づかされました。
 さすがに言語学がご専門の日本人N先生ならではの問題提起です。

 さらにもう1例。動詞の<きく>です。
 最も一般的な音を<聞く>のほかに「薬が効く」「ブレーキが効く」<効く>があります。
 「薬が効く」と「ブレーキが効く」の2つの<効く>は原因→結果の因果関係がはっきりしているということで明らかに同じ語だし、<聞く>と<効く>もなんとなく(←無責任!)同じ1つの動詞だったような気がします。
 さて、これも韓国語で見てみると、

음악을 듣고 있다. (音楽を聴いている。)
이 약은 잘 듣는다. (この薬はよく効く。)
브레이크가 듣지 않는 다. (ブレーキが利かない。) 


 このように同じ動詞<듣다>を使うのですね。

 言葉自体の不思議、日韓の言語の共通性の不思議に、ただフーム、と感じ入るいうばかりです。他にも探せば同様の例があるかもしれません。
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韓国のネット上の辞典の活用などについて

2010-12-05 23:54:35 | お知らせ、その他いろいろ
 このブログ左側のブックマークに、私ヌルボがたまに利用している韓国のサイトの各種辞典類と、日常的に愛用しているといってよい韓国の新聞のリンク集<KOREA LINKNEWSPAPER>などを置いておきました。
 新聞+放送のリンク集でもう一つ、<ヤジ研 アジアメディアリンク>は、各新聞の韓→日訳が1クリックでできるという利点があります。(翻訳精度がもう少し高ければいいのてすが・・・。)
※韓国の新聞社・通信社のサイトの活用法については、昨年11月30日の記事を参照されたし。

 NAVERの辞典中には、百科事典・英語辞典・国語辞典・漢字辞典・日本語辞典・中国語辞典・フランス語辞典・用語辞典・医薬学辞典と、それ以外にオープン辞典・故事成語辞典・韓国語ことわざ辞典・流行語事典・方言辞典があります。
 オープン辞典はネチズン参加型の多様な分野にわたる知識・情報。たとえば「여행(旅行)」のジャンルを見ると、江ノ電についての投稿記事がありました。またオープン辞典を含むNAVER知識iNのサイトには、YAHOO知恵袋のような<지식(知識)Q&A>というのもあります。

 Daumの辞典の方にも百科事典・英語辞典・国語辞典・漢字辞典・日本語辞典・中国語辞典はあって、その外に文化原形(문화원형.←文化院型ではないと思うが・・・)という、韓国文化百科事典のようなユニークなものもあります。知識共有プロジェクト(지식공유프로젝트)というのは、早い話がウィキペディアです。

 私ヌルボは、ほとんどいつも電子辞書を携帯し、活用していますが、たまに電子辞書にもないような単語に出くわした時などにこれらの辞典を使ったりしています。しかし、ついおもしろそうな脇道に入り込んだりして、思わぬ時間の無駄遣いをしてしまうこともしばしばです。
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少女時代等について、対馬亘氏のすご~い文章

2010-12-03 15:14:01 | 韓国の音楽
 1つ前の記事で少し少女時代のことについて書いていて思い出したのが、ちょっと意外な感じ(?)の「週刊金曜日」(10月15日号)の音楽欄の、対馬亘「「韓流」が芯にはらむプロの世界」と題したなんともスゴい(!)一文。
 対馬亘という人は、相田冬二というペンネームの映画評論家でもあり、また「息もできない」等々のノベライズもしている人です。
 2ヵ月前の記事ですが、他のサイト等を見ても載っていないので、以下一部抜粋します。

 韓流を「洋楽」として捉えるか否かについては議論があってしかるべきだが、「洋楽」として捉えない場合、国際問題に発展しかねないので、「洋楽」として捉えたいと思うのだが、だとすれば、今回の一件は、「洋楽」としての快挙ということになるだろう。少女時代の日本上陸である。 
(中略)
 彼女たち(日本の若い女性ファン)もそのビジュアルに惹かれていることは間違いないが、プロモ映像を一切封印してCDに向き合ってみると、「GENIE」のありようは決してAKB48あたりと比較するべきではなく、むしろPerfumeなどの傍らに置いたほうがしっくりくることがわかる。
 未成熟なものを愛でる日本のカルチャーは長いこと、それこそ「少女時代」だったわけだが、韓流の根本は歌唱力の有無にかかわらずプロフェッショナリズムにある。そう、きわめてショウビズ的なのだ。少女時代にしてもそれは同じ。スタッカートされるリズムに、群唱がトッピングされる呼吸は、なめらかなムースのようなテクスチャーを持続させる。あたかも曇り空を切り裂いていく飛行機雲のごとく、あいまいな時空をさすらう怠(だる)い失踪は優れて現代的だ。もちろん日本語は「未成熟」である。しかしながら彼女たちが芯にはらんでいる「プロの世界」が、これから我が国のオーディエンスの耳をどう侵蝕し、調教していくのか楽しみだ。


 ・・・うーむ、すごいなー。こんな文章は私ヌルボにはどう逆立ちしたって書けそうにありません。と言いながらも、つい茶々をいれたくなっちゃいます。

 「洋楽」として捉えなければ「邦楽」になっちゃうから「国際問題に発展しかねない」というわけですか? しかし、ここまで脳細胞をムダに(?)働かせるのであれば、ムダついでに「洋楽」と「邦楽」という用語や音楽の分類についてまで疑問を呈してほしかったところです。
 「邦楽」といえば私ヌルボがまず思い浮かぶのはNHKでやっていた「邦楽百選」という番組。つまりこの語は本来的には日本の伝統音楽、狭義にはとくに三味線や箏等を用いた近世の音楽のことで、それがいつからかJ-POP等々も含めて国産の音楽を包括的にさす言葉となり、上述の本来的「邦楽」は「純邦楽」とよばれるようになっているようです。
 「洋楽」も本来は(音楽の様式上の分類の)西洋音楽のことなので、学校の音楽の授業で教わった音楽もほとんどは(「越天楽」等を除いて)洋楽で、J-POPも国産の「洋楽」ということになります。
 ・・・などと正面切って理屈をこねても現実には話をややこしくするだけだから(ブログ上は別として)言わないことにしてますが・・・。
 音楽の分類にまで踏み込むとさらに複雑になるので深入りは避けますが、「邦楽」「洋楽」という用語も、そうした言葉による分類も便宜的なものにすぎない、というのが当たり前すぎる結論です。

 また対馬さんは、「歌だけ聴いてみると」ですみそうなところを、「プロモ映像を一切封印してCDに向き合ってみると」と書いてますが、ヌルボが思うに、韓流各グループの魅力は歌も振り付けも全部ひっくるめての魅力ではないでしょうかねー・・・。
 ・・・などと心にいくつもの「?」を残しながら、いまだに記憶に残るユニークな音楽評でありました。

 ほんの少しだけ関連する記事で、11月23日付「朝鮮日報」に「소녀시대•보아 노래는 '메이드 인 북유럽'(少女時代、BoAの歌は<メイドイン北欧>)」という記事がありました。
 「願いを言って(소원을 말해봐')」や「ハリケーンビーナス(허리케인 비너스)」等の作曲はノルウェイの作曲家グループ、少女時代の「HOOT」はデンマークの作曲家によるもので、それに韓国で歌詞をつけて編曲し、アメリカと日本の振付師が振りをつけるそうです。

 音楽を聴く側だけでなく、作る側もまさにボーダーレスといったところですね。楽曲を聴いてもホントにどこの音楽だかわからないご時世です。久しい前から、日本のアーティストも曲名もアルファベット(またはカタカナ)が大半になってしまって、ヌルボのような昭和のおじさんはよくわかりませんがな・・・。
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韓国北朝鮮情報一杯の「週刊文春」 不肖宮嶋の延坪島写真、金正男、少女時代等々

2010-12-02 17:43:57 | 韓国関係の雑情報
 今日(12月2日)発売の「週刊文春」12月9日号は興味深い韓国・北朝鮮ネタ満載の上、毎年恒例の「2010ミステリーベスト10」等もあって、それから「海老蔵の顔面粉砕」の記事もついつい読んだりして、結局2時間近く読み耽ってしまいました。

 まず冒頭に「狂気の砲弾が降った島」とのタイトルで8ページ分の延坪島の現地写真。撮ったのは<不肖・宮嶋>こと宮嶋茂樹と文春の田中茂カメラマン。
 宮嶋氏の文によると、「ハングルペラペラ」の田中カメラマンと2人、避難の島民と逆に渡し船で延坪島に行き、「メシは赤十字の炊き出しでしのげた」が、「電気、水道、ガスはなし」で、「夜は零下になる厳寒」を、防空壕で「海兵隊がバラまいた毛布にくるまり」、「カチューシャ・ロケットの一斉射撃もかくや」という中で「一睡もできんまんま朝を迎えた」そうです。
北朝鮮側を撮った2ページ分の写真には、北朝鮮内によくある山腹の大きなスローガンが写ってます。「위대한수령김일성동지혁명사상만세!(偉大なる首領金日成革命思想同志万歳!)」と読めます。(혁명사상は読みづらいからか「文春」には訳されてませんが・・・。)
 不肖・宮嶋氏の勇ましい(?)発言の数々には首をかしげることも多い私ヌルボですが、これまで世界各地の戦地・死地に突撃取材してきた彼の写真はさすがに迫力があります。(迫力が問題じゃないんですが・・・。) 以前東京写真美術館でナマ宮嶋氏を見たのですが、やっぱり見るからに頑丈そうなガタイでしたね。(山岳写真家の白籏史朗さんはもっとすごかったけど・・・。)
 この延坪島砲撃に際しての日本政府のありようは、本文記事を読むほどに心配度が増してきます・・・。

 つづいて「スクープ」と銘打たれた「「私を蔑ろにするのか」金正男が王朝批判」と題する記事。後継者問題でカヤの外におかれた金正男が「おばさま」こと金敬姫(金正日の妹で張成沢の妻)に言った怨みごと(肉声)を外交評論家・井野誠一氏が入手した、というのがスクープなのかな? イマイチ、驚くような内容でもないけど・・・。記事は「孤立感を深めた正男は、次にどう動くのか」と蒸す出いますが、ヌルボとしては、伝えられるところの金正男の身の安全を中国が北朝鮮に求めたとかいうその具体的な状況を知りたいところ。

 「61年目の紅白選考「全舞台裏」」、事前の報道では少女時代等々の出場が有力視されていただけに、あれっ?と思ったK-POPファンは多かったでしょう。この記事によると「『紅白は日本の音楽祭だ』と、日本の芸能プロが束になって、韓国勢の台頭に猛反発したのです」とありますねー。ただ「隠し玉といえるプラン」として「K-POPの四組(少女時代・KARA・BIGBANG・東方神起)を特別枠で一挙に出演させるという計画が進んでいます」とも。はたしてどうなるでせうか??
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