本ブログの1つ前の記事を読んでアタマに血が上った方は、この記事で冷ましてください。
5月31日「朝鮮日報」のヤン・サンフン論説委員が書いた「世界は日本が好きだと言っている(세계인은 日本이 좋다고 한다)」と題したコラムについてです。
原文は→コチラですが、今日「朝鮮日報」(日本版)にも翻訳がアップされていました。(→コチラ。) 日本版では、見出しを「それでも世界から愛される日本」と少し変えて訳しています。(「それでも」とはなんだ!?(笑))
内容はというと、英国BBCが毎年行っている国別評判調査での日本の評価をめぐるものです。
その調査では日本は毎年トップ圏内に入っていて、今年も「政治家による破廉恥な過去史否定」にもかかわらず世界で4番目の高評価であり、ヤン・サンフン氏は「韓国人と中国人による圧倒的な否定的評価がなかったら、日本は今年も、世界で最も人気ある国の座を争っていたかもしれない」と述べています。
続けて彼は人気度1位だったドイツと、日本を比較していますが、「中央日報」のキム・ジン氏とは比較にならないほど冷静な筆致です。
「ドイツに比べると日本には、良心的な過去史反省をしなければ耐えられないという外部環境はないも同然だ」と分析したりもしています。
しかし、ヤン・サンフン氏のコラムの主旨は日本に対する物言いではなく、以下のように「調査対象の17ヵ国の中で10位と12位の間を行ったり来たりしている」韓国の人々に向けて書かれています。
韓国がさらに伸びるということは、もっと強くなるというだけでなく、世界の人々から好かれ、尊敬される国になるということだ。韓国がもっと伸びるということは、礼儀・信義・正直・清潔・規律・遵法・誠実・団結の面で韓国も日本に劣らない国なるということだ。
・・・ということは、それらの点で劣るということを認めているのです。
その具体例として、自身日本を訪れた時、違法駐車を1台も見かけなかったこと、道路に唾を吐く人も、車の外にたばこの吸い殻を投げ捨てる人も、1人としていなかったこと、歩道のブロックがずれている場所も、ほとんど見かけなかったこと、タクシーに乗った際に運転手に電話を渡して別の車の仲間に現在地を伝えるよう頼んだところ、「運転中には電話できないことになっています」と丁重に断ったことをあげています。
私ヌルボ、この記事でも原記事の下段の読者コメントを見てみました。するとキム・ジン氏のコラムと全然フンイキが違うのです。
総数54件のうち、感情ムキダシの日本非難はほとんどなし。
また日本人が喜びそうなコメントに対して「賛成」の数が多いことも、キム・ジン氏のコラムの反応からは信じられないほどです。
以下、主なものを紹介します。
先進国の共通点は、正直、秩序をよく守るという点である。正直ではない社会に対する自身の評価はあまり・・・なのだが、外国の人たちにいい評価を受けられることが期待できるのだろうか? 時折韓国の国家公権力が嘲弄されるニュースに接する外国人は「情けない国」と見下すだろう。・・・問題の核心は正直と秩序だ。(賛成22:反対1)・・・賛成数最多。
日帝36年受難史を耳が痛いほど聞き、日本人を暴悪な連中と思っていたが、初めて日本に行ってみて、きれいな街や丁寧な礼節にむしろその思いが遠のいていった記憶がある。子供の頃から"人のことを先に考えなさい"という家庭教育から彼らの高い公衆道徳心が出てくるという話を聞いて、それがまさに我々の親たちが見習うべき点だと考えた。(賛成22:反対1)
それしかない! 日本に住んでみると大多数の人が良心的で正直で礼儀正しく、きれいである! 近隣諸国間の争いは歴史の中で日常的なものであり、日本の侵略も同じだと思います! 私たちは感情的に日本に対するのではなく、批判的に評価し、彼らの長所を学び、私たちの強さを伸ばすのに邁進しなければならない! 私たちの国力が大きくなって、南北が統一されれば、日本の態度は変わる!(賛成9:反対0)
今年の調査で最も良い評価を受けた国は、ドイツだった。日本と同様、第2次大戦の戦犯国だが、ドイツは徹底した反省を続けた国で、日本はそうではない。日本が、ドイツのような態度を取っていないにもかかわらず、ドイツ同様に国際社会で尊敬されているという現実。まさにここに、韓中日の過去史問題の根源があるのではないかと思う。(賛成9:反対0)
日本の粋と味は、世界の人々を魅了させるが、韓国のそれはあまりそうではない。愛国(?)メディアがいくら韓流が世界を震撼させたと叫んでみても9割は誇張である。そして、日本人の礼儀正しさ、整理整頓、正直、責任感は、韓国人が全く及ばないところだ。(賛成8:反対0)
15年間日本に暮らしてみて、学ぶ点が本当に多いです。この人たち、本当にいい人たちです。韓国と中国人だけ例外ですが、世界の人たち皆が日本をほんとうに好きです。私は日本をよく知るようになりましたが、今韓国に行って友人に一言も話しません。「チョ**リ」になったと悪口をよく言われるので。私は誰よりも韓国を愛しているのですが・・・。良いことは学ぶべきです。(賛成4:反対0)
・・・こうして見てみると、それぞれの記事は概してその内容に同調する人たちがコメントを書いているということなんでしょうね。
安易に韓国の(or日本の)世論はこうだと決めてかかると思わぬ落とし穴にはまりそうです。
それでも、「総じて韓国人は日本をこう見ている」という言い方はありえると思いますが、逆にそこから個々の韓国人の日本についての見方を自明であるかのように思い込んではならないということでしょう。
結論は、いつも平凡なことしか書いてないな・・・。
5月31日「朝鮮日報」のヤン・サンフン論説委員が書いた「世界は日本が好きだと言っている(세계인은 日本이 좋다고 한다)」と題したコラムについてです。
原文は→コチラですが、今日「朝鮮日報」(日本版)にも翻訳がアップされていました。(→コチラ。) 日本版では、見出しを「それでも世界から愛される日本」と少し変えて訳しています。(「それでも」とはなんだ!?(笑))
内容はというと、英国BBCが毎年行っている国別評判調査での日本の評価をめぐるものです。
その調査では日本は毎年トップ圏内に入っていて、今年も「政治家による破廉恥な過去史否定」にもかかわらず世界で4番目の高評価であり、ヤン・サンフン氏は「韓国人と中国人による圧倒的な否定的評価がなかったら、日本は今年も、世界で最も人気ある国の座を争っていたかもしれない」と述べています。
続けて彼は人気度1位だったドイツと、日本を比較していますが、「中央日報」のキム・ジン氏とは比較にならないほど冷静な筆致です。
「ドイツに比べると日本には、良心的な過去史反省をしなければ耐えられないという外部環境はないも同然だ」と分析したりもしています。
しかし、ヤン・サンフン氏のコラムの主旨は日本に対する物言いではなく、以下のように「調査対象の17ヵ国の中で10位と12位の間を行ったり来たりしている」韓国の人々に向けて書かれています。
韓国がさらに伸びるということは、もっと強くなるというだけでなく、世界の人々から好かれ、尊敬される国になるということだ。韓国がもっと伸びるということは、礼儀・信義・正直・清潔・規律・遵法・誠実・団結の面で韓国も日本に劣らない国なるということだ。
・・・ということは、それらの点で劣るということを認めているのです。
その具体例として、自身日本を訪れた時、違法駐車を1台も見かけなかったこと、道路に唾を吐く人も、車の外にたばこの吸い殻を投げ捨てる人も、1人としていなかったこと、歩道のブロックがずれている場所も、ほとんど見かけなかったこと、タクシーに乗った際に運転手に電話を渡して別の車の仲間に現在地を伝えるよう頼んだところ、「運転中には電話できないことになっています」と丁重に断ったことをあげています。
私ヌルボ、この記事でも原記事の下段の読者コメントを見てみました。するとキム・ジン氏のコラムと全然フンイキが違うのです。
総数54件のうち、感情ムキダシの日本非難はほとんどなし。
また日本人が喜びそうなコメントに対して「賛成」の数が多いことも、キム・ジン氏のコラムの反応からは信じられないほどです。
以下、主なものを紹介します。
先進国の共通点は、正直、秩序をよく守るという点である。正直ではない社会に対する自身の評価はあまり・・・なのだが、外国の人たちにいい評価を受けられることが期待できるのだろうか? 時折韓国の国家公権力が嘲弄されるニュースに接する外国人は「情けない国」と見下すだろう。・・・問題の核心は正直と秩序だ。(賛成22:反対1)・・・賛成数最多。
日帝36年受難史を耳が痛いほど聞き、日本人を暴悪な連中と思っていたが、初めて日本に行ってみて、きれいな街や丁寧な礼節にむしろその思いが遠のいていった記憶がある。子供の頃から"人のことを先に考えなさい"という家庭教育から彼らの高い公衆道徳心が出てくるという話を聞いて、それがまさに我々の親たちが見習うべき点だと考えた。(賛成22:反対1)
それしかない! 日本に住んでみると大多数の人が良心的で正直で礼儀正しく、きれいである! 近隣諸国間の争いは歴史の中で日常的なものであり、日本の侵略も同じだと思います! 私たちは感情的に日本に対するのではなく、批判的に評価し、彼らの長所を学び、私たちの強さを伸ばすのに邁進しなければならない! 私たちの国力が大きくなって、南北が統一されれば、日本の態度は変わる!(賛成9:反対0)
今年の調査で最も良い評価を受けた国は、ドイツだった。日本と同様、第2次大戦の戦犯国だが、ドイツは徹底した反省を続けた国で、日本はそうではない。日本が、ドイツのような態度を取っていないにもかかわらず、ドイツ同様に国際社会で尊敬されているという現実。まさにここに、韓中日の過去史問題の根源があるのではないかと思う。(賛成9:反対0)
日本の粋と味は、世界の人々を魅了させるが、韓国のそれはあまりそうではない。愛国(?)メディアがいくら韓流が世界を震撼させたと叫んでみても9割は誇張である。そして、日本人の礼儀正しさ、整理整頓、正直、責任感は、韓国人が全く及ばないところだ。(賛成8:反対0)
15年間日本に暮らしてみて、学ぶ点が本当に多いです。この人たち、本当にいい人たちです。韓国と中国人だけ例外ですが、世界の人たち皆が日本をほんとうに好きです。私は日本をよく知るようになりましたが、今韓国に行って友人に一言も話しません。「チョ**リ」になったと悪口をよく言われるので。私は誰よりも韓国を愛しているのですが・・・。良いことは学ぶべきです。(賛成4:反対0)
・・・こうして見てみると、それぞれの記事は概してその内容に同調する人たちがコメントを書いているということなんでしょうね。
安易に韓国の(or日本の)世論はこうだと決めてかかると思わぬ落とし穴にはまりそうです。
それでも、「総じて韓国人は日本をこう見ている」という言い方はありえると思いますが、逆にそこから個々の韓国人の日本についての見方を自明であるかのように思い込んではならないということでしょう。
結論は、いつも平凡なことしか書いてないな・・・。