火花 読みました。又吉さんの読書量の累積のなせる技しょう。いくら表現の上手い書き手でも、読書に裏打ちされた状況描写を文字にする又吉さんのペンの力は、一朝一夕に成せるものではない。
作家が処女作、あるいは小説の題材に選ぶのは自伝、あるいは自伝に纏わる物語が多いようです。それなら、非凡な、波乱万丈な経歴の持ち主が有利なような気がします。
彼のこの作品も自分自身のお笑い芸人としての初期のころから、先輩芸人との、それこそ掛け合いの会話のお話です。が、その先輩芸人の言を借りて、彼自身の思いを語らせていると感じました。
実際、売れる前のお笑い芸人さんたちは、こんな会話をしているか?イヤー、深すぎますよ。
彼のお笑い世界への志は、十代から持ち続けて、今なお変わらずにいるのは、テレビの画面を通して知っています。10年20年変わらずにいることの肝の据わった生活は、挫折してしまう同輩の多い中、不屈の精神の持ち主なんですね。お笑いが心底好きなんですね。
仮定で、私が適齢期で独身で、彼が目の前のいたら、どうするか・・ 考えるでしょうね、芥川賞受賞前ですよ。 人生の選択を迷っている!!
彼らには信念があるのですね。
彼なら二足草鞋も履ける。もっともっと題材を見つけて、様々な話題を提供してもらう事を希望してやみません。