どんぐり眼日記

昔は日々の日記として、今は見た映画の忘備録として更新しています。

「the brown bunny」

2009年07月31日 | 映画
昨晩、帰りの乗換駅にあるCD屋で煙草よりも安い値段で売っていた中古DVDを数本衝動買い。
「the brown bunny」「13ゴースト」「カンフーハッスル」の3本。どれも見た事が無い映画。
買ったけども見てないDVDがいっぱい他にもあるのにね・・。
今日は自主映画「3人の魔女」の音声作業を進めようと思っていたのだが、なんか集中出来ず、何気なくDVDで
「the brown bunny」を見始める。どんな映画か全く知らなかったんだけど、監督・主演のヴィンセント・ギャロの前作「バッファロー66」という映画が良かったので見てみる事にしたのです。
さて見てみると映像のフィルム的なトーンがとてもいい。粒子は粗く、画は揺れ、ピントもボケた映像も多いのだが、なんか味になっていて好きなトーンだった。そんな訳で何か惹き付けられるものがあり見れました。
が、しかし、だらだらと特に話が展開する訳でもなく何が起きるでもなく時間だけが過ぎてゆきます。
完全に自主映画っぽい映画。時々、絵的に素晴らしい映像はあるが内容的には正直怠くて退屈な映画でした。
なんだろう?この実験映画のような写真集みたいな感じ。こういうのは嫌いじゃないけど一部のデザイナーとかオシャレ人種だけが好むそんな映画か?と思いつつも、なんか知らないけども惹き付けられはしてずっと見てしまったんですけども、その映画のラストに描かれるエピソードで一気にこの映画の見方が変わるというか急に主人公の心と悩みが見えてきて、それはもうなんて言っていいのか分からないけどリアルで切ない物語が伝わってきました。これは久々に衝撃的な程の映画の見方が変わる瞬間でした。「ロストガール」という映画でも映画の見方が変わる瞬間があってあれも良かったんですが、こちらの映画はそれまでの展開があまりにも退屈で何も無かった分だけ逆にそのギャップには驚いたな。映画のほぼ大半は退屈でどうしようもない映画だけどもこのラストで描かれる内容で全てが変わってしまうという奇跡の映画。
詳しくは書きませんが、切なく気持ちの伝わるなんとも言えない良さのある映画でした。
もう一度最初から見るとまた違った見方が出来そうです。が、暫くは見たくはない映画でもあります。
こういう映画作りっていうのもあるんですね。シンプルで退屈だけど力強い映画。嫌いじゃないです。
何か後から心に残る映画でした。

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