Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

染付 白抜草花文 大皿

2024年01月05日 15時27分12秒 | 古伊万里

 今回は、「染付 白抜草花文 大皿」の紹介です。

 この大皿は、正月2日の日に、ネットショップを覗いていましたら、「あれっ!」と思ったものですから、ついつい注文のクリックをしてしまったわけです(~_~;)

 この大皿は、私が敬遠する、江戸後期の伊万里の大皿なんですが、、、!

 私は、そもそも江戸後期の伊万里にはそれほど興味が無いうえに、大皿は、展示するにも、それを保管するにも、大きなスペースを必要とするので、敬遠しているんです。

 ところが、先月21日に紹介しましたように、先月の20日には「金襴手 花束文 大皿(大鉢?)」を買ってしまい、またまた、今回も、日頃敬遠している江戸後期の伊万里の大皿を買ってしまったわけです(~_~;)

 意に沿わないものが続いてやってきたことになりますね(~_~;)

 まっ、コレクションというのは、そんなものなんでしょうね。それも「縁」ということでしょうか。

 それで、はるばる遠方より「ゆうパック」でやってきて昨日到着した「染付 白抜草花文 大皿」というものは、次のようなものです。

 

 

表面

 

 

表面中心部の拡大

12時や3時の方角にはピンホールが、7~8時の方角には降り物がみられます。

 

 

側面

これだけの大きさとなりますと、やはり、若干の歪みがみられます。

 

 

 これ、なんの変哲も無い、ありきたりの江戸後期の伊万里の大皿ですよね(><)

 しかも、この大皿には、大きな箱まで付随していました。しかも、漆塗りの、普通の大皿に付随しているようなありきたりの箱よりはずっと格上の古い立派な箱でした。これでは、箱は邪魔だからといって捨てるわけにもいきません(><) 箱などなければ、大皿を重ねて保管出来ますから、保管スペースの問題は若干は解決するわけですが、、、。こんな立派な箱が付随していては、保管スペースの問題で、さらに問題を重ねるわけです(><)

 

 

付随していた漆塗りの古い立派な箱

大きさ:40.0cm×40.8cm×13.0cm

 

 

 では、なぜ、日頃敬遠している、こんな何の変哲も無い江戸後期の伊万里の大皿に興味を抱いたかといいますと、それは、この大皿の裏面にあったのです(^_^)

 

 

裏面

 

 

やや斜め上から見た裏面

 

 

高台部分

 

 

 以上の裏面の写真を見て、何故、私がこの大皿に興味を抱いたかが分ったでしょうか、、、?

 それは、この高台内に描かれた(書かれた?)「銘」にありました。

 その部分を、次に、拡大してみます!

 

ジャジャーン!!!

 

 

 

 「黄金鎚 白玉鑿」とあったからです!

 普通、高台内の「銘」には、「大明年製」とか「大明成化年製」といった中国の年号、或いは「富貴長春」といったようなお目出度い文言が使われることが多いわけですね。しかも、文字等知らなかった陶工は、しばしば、「大明」を「太明」と間違い、「「太明年製」とか「太明成化年製」としています。これらは、文字を書き入れたというよりは、単なる文様として描いているわけですね。

 ところが、これはどうでしょう! ちゃんと、「黄金鎚 白玉鑿」となっているではありませんか。しかも、この陶工は、文字を知っていたようで、「鎚(ツチ)」、「鑿(ノミ)」を漢字で正確に表現しています。これは、もう、「銘」を文様として使用していたのではなく、「文字」として書き入れていると言えるわけですね。

 更に、これは、普通見られる年号やお目出度い文言ではなく、卑近な大工道具の「鎚」と「鑿」を、黄金で作られた「鎚」、白玉で作られた「鑿」と表現し、それを「銘」として使用ているのです。

 私は、このような「銘」を初めて見ましたので、「これは珍しい!」と思い、ついつい、日頃敬遠している江戸後期の伊万里の大皿を、先月に引き続きまた買ってしまったということです(~_~;)

 この「珍しい!」という文言に、コレクターは弱いんですよね(^-^*)

 

生 産 地 : 肥前・有田

製作年代: 江戸時代後期(天明・寛政頃)

サ イ ズ : 口径36.5cm 高さ6.5cm 底径18.3cm