Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

古美術品交換会

2023年11月20日 19時16分26秒 | 骨董市など

 今日は、私にとって、定例の、月に1回の古美術品交換会の日でした。

 古美術品交換会の会場は、我が家からは遠く、車で2時間弱かかりますので、朝8時少し過ぎには出発です。

 昨日の骨董市では収穫無しでしたので、今日は、若干、期待を込めての出発ではありました(^-^*)

 しかし、それほどに期待したほどの古伊万里は登場してきませんでしたが、それでも、1点だけ、まぁまぁ、満足出来るものを競り落としてきました。それは、次のようなものです。

 

 

染錦 鳳凰・花籠文 大皿

 

表面

 

 

 とりたてて珍しいとか、優品とかというわけのものではなく、ごくありふれたものです。

 江戸時代に盛んにヨーロッパに輸出され、最近、日本に持ち帰られた、いわゆる「里帰り伊万里」というやつですね。

 ただ、この「里帰り伊万里」、やや厚作りで、手取りが少々重く、シャープさというか、鋭さを感じさせません(~_~;) おそらく、輸出全盛期を過ぎた頃に作られた、粗製乱造品というところでしょうか、、、。

 中国・景徳鎮の輸出が復調してきたことに伴い、伊万里は、価格競争に直面するわけですね。それに対抗するためにコストダウンを図って対処したわけで、その頃に作られたものなのでしょう。

 

 

表面の上半分の拡大写真

 

 

表面の右半分の拡大写真

 

 

表面の下半分の拡大写真

 

 

表面の左半分の拡大写真

 

 

 

側面

歪みも少なく作られており、焼造技術はしっかりとしていたことをうかがわせます。

 

 

 

裏面

裏面は無文で、目跡が5つあります。

裏面には何も描かず、その分、手間を省き、コストダウンを図ったことがうかがえます。

 

 

生 産 地 : 肥前・有田

製作年代: 江戸時代中期

サ イ ズ : 口径27.2cm 高さ4.0cm 底径14.9cm

 

 

 


追 記(令和5年11月22日)

 当ブログでも、この文様によく似た文様が描いてある大皿を、既に、2021年1月21日に紹介しています。それは「染錦 鳳凰花籠文 大皿」です。

 この大皿と2021年1月21日に紹介しました大皿とを比較してみますと、2021年1月21日に紹介しました大皿の方が、造形もしっかりし、文様の描き方も丁寧で、裏面にも文様が描かれたりしていて、上手であることが分ります。

 そうしてみますと、2021年1月21日に紹介しました大皿は、高く売れたため、手抜きなく、一生懸命に作っていた輸出全盛期頃に作られた皿であるように思わるわけですね。

 それに比し、この大皿は、あまり儲からなくなってきたため、かなり手抜きして作られるようになってから作られたもののように思われるわけです。その意味でも、この大皿は、2021年1月21日に紹介しました大皿よりは遅く作られたものなのではないかと思っているわけです。

 そのようなことにも思いをいたして、両大皿を対比してご覧いただければ幸いです。


最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Dr.Kさんへ (遅生)
2023-11-20 19:31:32
輸出伊万里も、時代によって造りが変わっていったのですね。
やはり、後の方では造りが甘くなってくるのですね。

確か、この皿によく似た皿を持っていたはずなのですが見あたりません。
処分したのか、どこかにもぐりこんでいるのか・・・いつものことですが、探してみます(^^;
返信する
Unknown (ころすけ)
2023-11-20 19:43:47
ちょっと勉強不足で元禄あたりのモノだとは思いましたが、国内向けか輸出用かは判りませんでした。ありふれた図柄との事でしたが、9寸近いサイズが有りますから立派なものですね。

やはりプロの交換会だから出てくるのでしょう。
返信する
遅生さんへ (Dr.K)
2023-11-20 20:04:44
>輸出伊万里も、時代によって造りが変わっていったのですね。

うう~ん。これまた、私の独断と偏見で、私が、「そうかな~」と思っただけで、本当のところはわかりません(><)


>やはり、後の方では造りが甘くなってくるのですね。

これも、私の独断と偏見で、多分、「理論的にはそうなるのだろうな~」と思ったところです。


何点か所蔵し、それらを対比しながら、いろいろと推考していくのもコレクションの楽しみ方の一つなのかな~と、勝手に思っております。


この手のものは多いですものね。これに似たものを遅生さんもお持ちでしたか。
是非、探し出して、紹介してください(^_^)
返信する
ころすけさんへ (Dr.K)
2023-11-20 20:20:42
私も、元禄・享保あたりのものかな~とは思いましたが、国内向けなのか輸出用なのかは判りません。
私の経験からすれば、私の独断と偏見にはなりますが、輸出用なのかな~と思ったわけです。
これまでの経験からしますと、この手の文様で、これだけの大きなサイズのものの国内向けの物は見かけないものですから、そう思ったわけでもあります。

さすが、プロの交換会は、素人の交換会とは違いますね。
緊張を強いられますね。油断をしたり、掘り出し根性を出すと騙されますね。
良い物も出てきますが、危険もいっぱいです。
返信する
Dr.kさんへ (酒田の人)
2023-11-21 23:00:16
このタイプの中期古伊万里の典型的な絵柄のお皿ですよね!
成形はしっかりしていますし、九寸というサイズも魅力的です。
昔はこういった品が典型的な色絵の古伊万里だったんでありましょうか
私が伊万里に興味を持ち始めた頃は結構なお値段で売られていました。
そういった意味では一枚は欲しい品ですが、ウチにはありません・・・。
ドクターさん見立てのように、輸出手だと私も思います。
返信する
酒田の人さんへ (Dr.K)
2023-11-22 09:28:07
この皿につきまして、中期古伊万里の典型的な絵柄の皿のように書きましたが、当ブログで過去に紹介しましたこの手の皿を探してみましたら、2021年1月21日に紹介しました「染錦 鳳凰花籠文 大皿」1枚だけのようです(この大皿のタイトルの「色絵」を「染錦」に変更しました。)。
案外、買っていなかったようです(~_~;)
この手のものは、以前は高かったんですよね。それで、ついつい、買えないで、見ているだけだったのかもしれません(><)

最近では、この手も、かなり安くなりましたね。
でも、比較しますと、2021年1月21日に紹介しました「染錦 鳳凰花籠文 大皿」の方が上手のようですね。
やはり、安くなったとはいえ、この手の上手のものは、暴落はしていないようですね。
それでも、以前よりはだいぶ安くなりましたから、チャンスがあったら、是非、手に入れてください(^_^)

酒田の人さんも、これは輸出手と思われますか。
ご賛同、ありがとうございます。
返信する
Unknown (pada)
2023-11-22 09:52:49
padaも同じく、これら、染錦は外貨獲得用の輸出伊万里と思います。個人的にはギンギンギラギラは当時の日本では受け入れられにくかったかとも?勿論柿右衛門もですが!
時が変わって、明治になって良さが見直されたかもです。今でも高いですが、昔は無茶高かったですね。
返信する
padaさんへ (Dr.K)
2023-11-22 10:50:28
この手の伊万里は、よく見かけたな~と思いましたが、当ブログでざっと確認してみましたところ、過去に、2021年1月21日に「染錦 鳳凰花籠文 大皿」として1枚だけ紹介していたにすぎないようです(~_~;)
昔は、この手は高かったですものね。
実際には、高くて買えず、見ているだけ~だったのですね(><)
でも、かつての古伊万里ブームの頃よりは、だいぶ安くなりました。

padaさんも、「これら、染錦は外貨獲得用の輸出伊万里と思います」か。
ご賛同、ありがとうございます(^-^*)
返信する

コメントを投稿