「オール・ザ・キングスメン」(2006年米)
ウイリー・スターク 知事(ショーン・ペン)
ジャック・バーデン スタークの腹心(ジュード・ロウ)
ダフィ氏 スタークを起用(ソプラノズの人)
アーウィン判事 (アンソニー・ホプキンス)
アン・スタントン スタークの初恋の女性(ケイト・ウィンスレット)
アダム アンの兄(マーク・ラファロ)
セイディ 病院建設に関係する女性(パトリシア・クラークソン)
起:スタークは知事選に出る。
承:知事になったスタークは、判事の疑惑を調査する。
転:判事の不正を追及する。
結:スタークの疑惑が浮上。弾劾は否決されるが、暗殺される。
スターク知事は、次期大統領と噂されている。
5年前、ニューオリンズ。
出納官のスタークは、ダフィ氏の紹介でバーデンと知り合う。
学校校舎が欠陥工事で火事になり、3人が死亡する騒ぎが発生。
次期市長と噂されるスタークが葬儀に参列するが、市長は次期知事になれると告げる。
スタークは知事選に出馬する事に。
スタークは地方のパーティで演説。
校舎の火事には、汚職が関係していると指摘。
田舎町の人々の為に戦うとして、喝采を受ける。
スタークは大勝利で当選する。
編集長や石油会社、教師たちは投票しなかった。
スタークが富裕層への宣戦布告した為だ。
バーデンは腹心となる。
アーウィン判事に疑惑があると記事になる。
判事は引退した身だと言うが、影響力はある。
バーデンが調べるが、問題は出てこない。
判事は何かを隠していると考えたスタークは、初恋の娘アンの兄アダムに会う。
新病院の院長にと持ち掛けるが、協力する気はないとされる。
バーデンは、判事が法律顧問だった企業の記録を照会。
死亡事故の記事を発見する。
女性は判事の買収を訴えたが、聞き入れられず兄が自殺したと話す。
アンは、アダムに院長の話を勧める。
病院が建設されるが、アダムにはまだ抵抗があるようだ。
バーデンは判事に会う。
知事側に立つつもりはないと言う判事だが、バーデンは手紙を見せる。
だが判事は、25年前の話で、関係者は故人ばかりだと言う。
バーデンは、スタークの仕事に嫌気が差していた。
判事が死んでも、弾劾の可能性はある。
アンはジャックに助けを求める。
知事の為なら何でもする女だと、兄にののしられたのだ。
州の金を隠す為に病院を利用しており、何かがあれば責任を取るのはアダムだ。
スタークの弾劾は否決される。スタークは批判した議員を非難する。
アダムは隠し持った銃でスタークを射殺し、アダムも射殺される。
ダフィが新知事になる事に。
かつては想に燃えていたスタークを思い出し、バーデンは複雑に想うのだった。
と言うわけで、すべての家来でもハンプティダンプティを
塀の上には戻せないと言うマザーグースの詩があって、
大統領の陰謀なんて映画もその文句をもじった題名だが、本作はそのまま題名に拝借。
実はかつてアカデミー賞をとった作品のリメイクだ。
ショーン・ペンは市長候補だったが、
賄賂を受け取らない姿勢が民衆の共感を得て、知事に当選。
民衆の味方であり、富裕層と戦うと言う姿勢を崩した訳ではないのだが、
自らの立ち位置を守るため、いつの間にか強権をふるうように。
弾劾しようとする判事を陥れるため、
部下となった元記者ジュード・ロウに身辺を探らせる。
ロウは判事の不祥事をほじくり出すが、それによって判事は自殺し、
彼が実父だったと知りショックを受ける。
指示したペンもまた、ラストにしっぺ返しを受ける事に。
ハンプティダンプティの例えは、卵が割れたら元には戻せないと言う事だが、
理想に燃えていたはずのペンもロウも、
気がつけば他の権力者と同じ道を歩んでいたと言う訳。
いつ「卵が割れた」のかわからないので、見せ場的には弱い気もするけど、
その「わからなさ」が怖いところなのかな。