ISIの上にも30x年

映画を見た時の感想を入れときます

2014/03/24 「リンカーン」

2014-03-24 00:00:00 | 日記
リンカーン(2012年米)

リンカーン大統領 (ダニエル・デイ・ルイス)
メアリー 妻(サリー・フィールド)
ロバート 息子(ジョゼフ・ゴードン・レヴィット)
タッド 末弟

スティーブンス 共和党員(トミー・リー・ジョーンズ)
国務長官 (デヴィッド・ストラザーン)
ブレア 共和党の大物(ハル・ホルブルック)
ビルボ (ジェームズ・スペイダー)

 1865年。南北戦争4年目。
リンカーン大統領は奴隷制廃止の法案を通そうと躍起だ。
戦争終結のために法案に賛成するが、
戦争がなければ奴隷制を存続したいと言う者が多いためだ。
リンカーンと同じ共和党員にも、
奴隷制が廃止になれば黒人があふれると慎重意見が多い。
黒人を恋人に持つスティーブンスは、奴隷解放を強硬に進めるべきと言うが、
リンカーンは多方面に気を遣い、なかなか進められない。
議員たちは賛成反対を表明し、奴隷制廃止法案は賛成多数で可決する。
リンカーンは妻と劇を見に行くが、その後撃たれ死亡が確認される。

 と言うわけで、スピルバーグによるリンカーン大統領の映画。
スピルバーグならリンカーンをこの上ない人道主義者として、
その波乱に満ちたエピソードを描くだろうと思ったら、思いっきり裏切られた。
俗っぽい監督なら派手にやりそうなエピソードを、一切排除してきたのだ。
・南北戦争の攻防はほぼ描かれない
・大統領になったいきさつとかは描かれない。最初から大統領
・ゲティスバーグの演説は、セリフには出てくるが、劇的には描かれない
・リンカーンの妻は悪妻とされたが、出番が少なくて、そこらへんは良くわからない
・暗殺は描かれない。殺されたと報告があるだけ
・何より、黒人があまり出てこない。
劇中、リンカーンが何をやったかと言うと、
南北戦争終結より前に、奴隷制を廃止するため、議員たちを取り込もうとする事。
リンカーン率いる北部が奴隷解放を求めて戦争になったと言う印象が強いが、
北部、そしてリンカーンと同じ共和党にも、
奴隷解放には否定的な意見が多かったのだ。
実際は、南北の経済構造が全く異なるため、
どっちが主流になるかで衝突したのだと学生時代に学びました。
そこを予備知識のない観客に見せるには説明不足で、
もう少し見せ方を工夫した方がいい。
それ以前にもう少し見せ場のある映画にした方がいいと思います。
コメント
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