僕が修理するアンプの殆どは、終段のパワーデバイスがバイポーラ・トランジスタではなく、MOS-FET(電界効果トランジスタ)を使用したものです。その理由は、MOS-FETの繊細さと透明感に惚れているからです。回路がシンプルで音場感に優れるというのもありますが。
しかし、MOS-FETはトランジスタに比べて高価で種類も少なく、コストを重視するメーカー品では絶滅に近い状態でした。DENONのアンプや、高級品メーカーとされるアキュフェーズのパワーアンプに使われる程度。しかし、ここに来てMOS-FETに戻るメーカーが増えてきました。
2000年初頭までMOSを使ってきたパイオニアが、価格は高めですが、伝統のダイレクトエナジーMOSを復活させました→こちら。ダイレクトエナジーMOSとは、熱として消費される無駄が少ないという意味です。要するに、MOSの内部抵抗が小さいから熱にならないでスピーカーを駆動できる。DENONのUHC-MOSと考え方は似ています。
熱が小さいから、ハイパワーでも放熱器を小さく出来るし、結果的にスペースに余裕ができる。メリットが多いですが、音は旧式の発熱の多いタイプに劣ります。また、ダイレクトエナジーMOSはアメリカ製なので、壊れた時に自分で修理できません。
バブル時代にMOS-FETアンプの高級品(MX-2000など)を出したことのあるヤマハも、新しい回路でMOSを投入してきました。パイオニアと同じように、型番はトランジスタアンプのマイナーチェンジですが、どちらも中身は新製品です。
ヤマハの新型MOSアンプの回路は、普通は上下(プラス・マイナス)でコンプリメンタリーを組むMOSの片方だけ使う、準コンプリメンタリーになっています。2SJと2SKの片方しか使わない。自作では金田式アンプなどが有名ですが、昔のヤマハB-1というV-FETアンプも同じでした。今でも、B-1を最高と言う人もいます。
でも、今回のヤマハのMOSアンプは、昔の回路とは違って、自作派には上條アンプとして有名な、上條信一氏のCSPPパワーアンプに近いと思います→上條氏のサイト。CSPPパワーアンプは真空管の回路の応用で、オリジナルはソニーのV-FET 2SK60を使用したものです→こちら。
この上條アンプを、デバイスを取っ替え引っ替えして実験した人がこちら。この中で、日立のMOS-FET 2SK312を使用したものが最高と評価されています。元々は真空管ファンみたいで、真空管を超える音質に戸惑い、素直に評価できていないもどかしさも感じられます。だから真空管ファンはナルシシストだと…(;´Д`)
2SK312を使用したCSPPアンプは、実はソニーのV-FET 2SK79を前段に使っています。この2SK79と日立のMOSの組み合わせは、僕が作らせたオールFETミニアンプと同じです。透明で繊細で切れがあって艷やか。作った人は驚いています。ただ、調整が難しいのがネック。おそらく、僕がコピーした窪田アンプは、2SK79の電流値が適切でなく、それで設計者本人の評価が低かったのだと思います。
上條氏のCSPPアンプに近いのだから、ヤマハのA-S1100やA-S2100の音は期待できます。ただ、ちょっと高いアルネ ( `ハ´)
アンプというものは高いのが当たり前で、自分で作ってみれば高価な理由が分かると思います。中くらいのケースだけで1万円はする。メーカー品は、大量仕入れによって、自作品の半分のコストだとして、利益などを考えたら安いのです。
だから、ローンを組んだりの無理してでも買うものであって、スマホの馬鹿高い料金を考えたら20万円のアンプでも安いもの。そのように考えないと、メーカーに金が回らないから倒産する。経済を回すという考えと神経があるなら、少し無理して新製品を買うのがベスト。僕が修理するからといって、そこを勘違いしないように。勘違いしている人が多すぎる (-_-;)
エフライム工房 平御幸
しかし、MOS-FETはトランジスタに比べて高価で種類も少なく、コストを重視するメーカー品では絶滅に近い状態でした。DENONのアンプや、高級品メーカーとされるアキュフェーズのパワーアンプに使われる程度。しかし、ここに来てMOS-FETに戻るメーカーが増えてきました。
2000年初頭までMOSを使ってきたパイオニアが、価格は高めですが、伝統のダイレクトエナジーMOSを復活させました→こちら。ダイレクトエナジーMOSとは、熱として消費される無駄が少ないという意味です。要するに、MOSの内部抵抗が小さいから熱にならないでスピーカーを駆動できる。DENONのUHC-MOSと考え方は似ています。
熱が小さいから、ハイパワーでも放熱器を小さく出来るし、結果的にスペースに余裕ができる。メリットが多いですが、音は旧式の発熱の多いタイプに劣ります。また、ダイレクトエナジーMOSはアメリカ製なので、壊れた時に自分で修理できません。
バブル時代にMOS-FETアンプの高級品(MX-2000など)を出したことのあるヤマハも、新しい回路でMOSを投入してきました。パイオニアと同じように、型番はトランジスタアンプのマイナーチェンジですが、どちらも中身は新製品です。
ヤマハの新型MOSアンプの回路は、普通は上下(プラス・マイナス)でコンプリメンタリーを組むMOSの片方だけ使う、準コンプリメンタリーになっています。2SJと2SKの片方しか使わない。自作では金田式アンプなどが有名ですが、昔のヤマハB-1というV-FETアンプも同じでした。今でも、B-1を最高と言う人もいます。
でも、今回のヤマハのMOSアンプは、昔の回路とは違って、自作派には上條アンプとして有名な、上條信一氏のCSPPパワーアンプに近いと思います→上條氏のサイト。CSPPパワーアンプは真空管の回路の応用で、オリジナルはソニーのV-FET 2SK60を使用したものです→こちら。
この上條アンプを、デバイスを取っ替え引っ替えして実験した人がこちら。この中で、日立のMOS-FET 2SK312を使用したものが最高と評価されています。元々は真空管ファンみたいで、真空管を超える音質に戸惑い、素直に評価できていないもどかしさも感じられます。だから真空管ファンはナルシシストだと…(;´Д`)
2SK312を使用したCSPPアンプは、実はソニーのV-FET 2SK79を前段に使っています。この2SK79と日立のMOSの組み合わせは、僕が作らせたオールFETミニアンプと同じです。透明で繊細で切れがあって艷やか。作った人は驚いています。ただ、調整が難しいのがネック。おそらく、僕がコピーした窪田アンプは、2SK79の電流値が適切でなく、それで設計者本人の評価が低かったのだと思います。
上條氏のCSPPアンプに近いのだから、ヤマハのA-S1100やA-S2100の音は期待できます。ただ、ちょっと高いアルネ ( `ハ´)
アンプというものは高いのが当たり前で、自分で作ってみれば高価な理由が分かると思います。中くらいのケースだけで1万円はする。メーカー品は、大量仕入れによって、自作品の半分のコストだとして、利益などを考えたら安いのです。
だから、ローンを組んだりの無理してでも買うものであって、スマホの馬鹿高い料金を考えたら20万円のアンプでも安いもの。そのように考えないと、メーカーに金が回らないから倒産する。経済を回すという考えと神経があるなら、少し無理して新製品を買うのがベスト。僕が修理するからといって、そこを勘違いしないように。勘違いしている人が多すぎる (-_-;)
エフライム工房 平御幸
使われなくなったMOS-FETが復活し始めたというお話を興味深く拝見しました。
2SK79と日立のMOSの組み合わせのCSPPというアンプが非常に気になります(^^;)
幸運にもアンプを作らせていただいたときに、小さくてもパーツを組み合わせるとそれなりに値段がすると、確かに思いました。
ローンを組むのが恐ろしいと思ってしまいますが、(((( ;゜Д゜)))
良いものをお金を出して買うという精神が必要ですねorz
先生が設計してくださった2SK79のアンプは、とても気に入っています。
自作したアンプの費用を考えると、メーカー製品の価格も妥当なのだろうと思いました。
価値あるものが無くならないよう、社会のことを考えてお金を使えるようになりたいです。
スマホ料金は安くなって欲しいです。^^;
20万円を5年で割ると一ヶ月では3333円。スマホが毎月7000円から1万円。新聞や酒やタバコをやめれば高級アンプが手に入る理屈です。実売10万円クラスなら千円台。
ローンは消費税アップ前に組むのが賢いのです (-_-;)
ほんとさん( ノ゜Д゜)こんばんわ
最新のアンプは基本的に基盤交換以外の修理不可。スルーホール基板でなくて直付基板なので、ハンダゴテの届かない壊れたパーツに辿り着くには手前のパーツを外さなくてはならないから。
ナッちゃんが修理した某水産大学の配管と同じなのです。壊れかけたらオークション行きです (;^ω^)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150924-00000040-rcdc-cn&pos=1
いつも興味深く読ませて頂いてます。
かつて長岡式でやっていたオーディオを最近再開しました。
アンプは基本的に日立のHMA-9500かmkⅡで修理の参考のためここにたどり着きました。
平先生の知識と技術にいつも感服させられています。
先日たまたまヤマハのB-2を入手しましてV-FETもまた素晴らしいと感じている次第です。
そこでV-FET(SIT)を調べているうちに見つけたのですがこのV-FET(SIT)には国家的な謀略が絡んでいるのですね。
平先生なら当然それについてはご存知でしょうし過去に取り上げられているのかもしれませんがこの問題はいまだに当事者らしき人物がわが国で活動している事を考えてもまた取り上げても良いかと思いました。
V-FETがオーディオ用として出だした当時雑誌などでネガキャンを展開していた人物がいました。
別のブログなどではどこの馬の骨ともわからぬ輩などと揶揄されていましたがこの人物は北朝鮮の工作員のようです。いまだにフリージャーナリストとして北側を擁護する記事など書いてますね。
どうもこのネガキャンが効いたのかV-FETはその後下火になってしまいました。
わが国の宝である西澤教授の発明であるV-FET(SIT)とその発展型のSIサイリスタは世界のエネルギー事情を変える可能性を持った素子でした。
あの国はその辺りをどうしても潰したかったのでしょう。
西澤教授は現在も環境とエネルギーについて壮大な計画をお持ちのようですね。
現在の技術ではどれほどの物かは私にはわかりませんがこんなくだらない輩のせいで素晴らしいV-FETが葬り去られたのなら残念でなりません。
V-FETは本当に使いにくいです。電源コンデンサーに電気が溜まったまま取り付けると、それだけで最大電流が流れて壊れます。ゲート抵抗が切れても壊れる。メーカーの技術者が一々放電作業をするのが嫌で、設計の楽なトランジスタアンプに逃げたのだと思います (-_-;)
V-FETは若松通商でもまだ売っていますが、店頭に並べるとすぐに売れるとか。僕も日曜日にコンプリ2ペア買いました。予定外の買い物で7600円 orz
HMA-9500Ⅱは修理しやすいですが、パーツの確保が難しくなっています。特にバイアス回路のICは豆粒トランジスタが手に入らないし、入ってもペアやコンプリ組が困難。僕のようにディスクリートで組むほうが楽ですけど、やはりトランジスタは入手難です。そろそろHA-7700の修理を再開しないと (;^ω^)
B-2は動作してますが壊れたら大変ですね。
B-1も興味ありますがジャンク品でもべらぼうな値が付きます。
修理のハードルも無茶苦茶高そうなので当分無理ですね。
私もHMA-9500Ⅱのバイアスモジュールはディスクリートで作っておこうと思っていますが、確かにトランジスタの入手には苦労しそうです。
B-2はパワー段が基板から遠くて、それがボトルネックとなっています。HMA-8500と同じです。音はB-3の方が良いですが、こちらはブリッジ用のリレーをパスしないと危険。ブリッジのモノラルアンプで使うのは狂気の沙汰です (;^ω^)
B-1はオールFETだから良いのであって、やはりパーツが手には入らないのでレストア品にも疑いがあります。回路的には自作派の金田アンプと同じなので、音は良くて当たり前。金田式を安物パーツで組み立てたほうが良さそうですけど。