マイナカードの利活用に暗雲が立ち込めている。
本命のマイナカードの健康保険証化なのだが政府は「今年秋には従来の紙媒体による健康保険証を廃止する」という言わば退路を断って強硬姿勢に打って出たが国民の反応は(昨今の医療現場での利用率を見る限り)低レベルに留まったままだ。
さらに昨日会計検査院が明らかにした調査結果で全国の自治体の行政手続きにおいてマイナカードがほとんど利用されていない実態が浮き彫りになった。
巨費をかけて準備したマイナカードが何故ここまで利活用されないのだろうか。
元々我が国では個人の資産や所得をガラス張りに(公開)することにためらいや拒否反応があった。
この厚い壁を突破するために政府は多額の個人インセンティブを投じてマイナカード・インフラ作りに着手した。
その結果国民の多くはマイナカードを作り金融機関とのひも付を行ったが残念ながら(インセンティブは懐に入れながら)金融資産を始め重要個人情報を開示することの不安感は払しょくされないままだった。
もしこの仮説が正しいとしたら行政手続きのでデジタル化、DX(デジタル・トランスフォーメーション)は頓挫しかねない。
やっぱり政府はマイナカードを利用メリットと安全性について丁寧に説明すべきではなかったか。
説明力という点で今の自民党の面々は概してあまり得意ではないように思う。
ここからは蛇足だがマイナ健康保険証の利用拡大に貢献した医療機関にご褒美としての金銭を進呈するなどは行き過ぎだと思う。
逆に後ろ向きな医療機関について通報を求める仕掛け作りも誤解を生むものだ。
こんなことをやっていたら国民の気持ちはますます離れていくよ。