福音歳時記 1月28日 聖トマス・アクィナス司祭教会博士記念日
超自然なる聖体賛歌造りたるトマス博士の信知を想ふ
日本語版の新しい聖務日課「教会の祈り」では1月28日をトマス・アクイナスの記念日とし、「読書」としてhttps://inori.catholic.jp/doc/show/3/2025/01/28
聖トマス・アクィナス司祭の『使徒信経講解』を第二朗読で読む。
「神学大全」や「対異教徒大全」の著者としてだけでなく、トマスが司祭であって、聖書の釈義もしていたことを記念しているわけであるが、私は、トマスが、聖体賛歌 Tantum Ergo をはじめとする賛美歌の作者でもあったことを強調しておきたい。
トマスは当時最先端の哲学であったアリストテレスの注解を通じて自然なる理性の働きを学び、擬ディオニシウスの注釈を通じて、一者から発出して一者へと帰還する新プラトン主義の形而上学を学んだが、それ以上に重んじたのは、ギリシャ思想に欠けていたキリスト教信仰の「神秘」であった。彼の明晰判明なる一切の言説は、この神秘への配慮なくしては理解されないだろう。
トマスの聖体賛歌はグレゴリオ聖歌で歌われるのが伝統的であるが、そのほかにも、チェザレ・フランクによる「天使のパンPanis Angelicus」もよく演奏される。
古き時代のカトリックの聖体拝領では、今日では「私たちの日ごとのパンを今日もください」 と唱えている「主の祈り」を、マタイ傳6-11のラテン語訳「panem nostrum supersubstantialem da nobis hodie (我等の超自然的な麺麭を今日も与へ賜へ」と唱えていたことに由来している。「天使のパン」とは、自然的な糧である日常的なパンではなく、聖体として拝領する超自然的なパンのことである。
Tantum Ergo Sacramentum