福音歳時記 キング牧師記念日
眞實は夢にこそあれ一月のキング牧師に捧ぐ月曜
キング牧師は1963年にリンカーン記念堂の前で「私には夢がある」という言葉で知られる演説を行い、人種差別の撤廃と各人種の協和という高邁な理想を訴えた。彼は、ガンジーから学んだ非暴力不服従運動を展開したが、1968年に狂信者によって狙撃され、39歳の若さで帰天した。
米国では、キング牧師の誕生日(1929年1月15日)に近い1月の第3月曜日がキング牧師記念日として祝日に定められている。彼はプロテスタントのバプテスト派の牧師であったが、その理想は人種や宗派の違いを超えて多くの人々の共感を呼んだ。
教皇フランシスは2018年の記念日にキング牧師の末娘、バーニス・キング牧師にメッセージを寄せ「キング牧師が非暴力と平和という手段を通して追求した共通善の実現や、すべての人の間の調和と平等という夢を妨げる、社会の不正義・分裂・対立が、今日の世界に拡大している」と述べている。
社会の不正義・分裂・対立に苦しむ現代世界に対して、キング牧師の言葉に含まれる眞實の重さは依然として変わらない。