エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

薔薇物語

2010年06月03日 | 日記
バラが人類の歴史に登場するのは古代バビロニアの『ギルガメシュ叙事詩』である。
この詩の中には、バラの棘について触れた箇所があり古今東西バラの棘は争点であることが分かるのである。



「アウグスルイーゼ」である。
アウグスチヌスと言う固有名詞が想起される呼び方、名称である。

古代ギリシア・ローマでは、バラは愛の女神アプロディテもしくはヴィーナスと関係づけられたのである。



「エバーゴールド」である。

いつの世も、香りを愛好され香油も作られた。
プトレマイオス朝エジプトの女王クレオパトラはバラを愛好し、ユリウス・カエサルを歓待したときもふんだんにバラの花や香油を使用したと伝えられている。



クレオパトラと同様にバラを愛した人物に、暴君として知られるローマ帝国第5代皇帝ネロがいる。
彼が、お気に入りの貴族たちを招いて開いた宴会では、庭園の池にバラが浮かべられ、バラ水が噴き出す噴水があり、部屋はもちろんバラで飾られ、皇帝が合図をすると天井からバラが降り注ぎ、料理にももちろんバラの花が使われていたと伝えられる。

夢のような宴会である。



「キュラミア」である。

この薔薇はアッラーである。
イスラム世界では白バラはムハンマドを表し、赤バラが唯一神アッラーを表すとされたのである。

いま注目されている「薔薇エッセンス」という概念がある。
朝陽が昇る前にバラの花を摘み、それを浄水に浮かべておく。
すると、薔薇からエキスが水に溶け出すというものだ。



「レミーマルタン」である。
バッカスが喜びそうな命名である。

薔薇を愛するという行為は、濃密であるのかもしれない。

なんという芳(かぐわ)しい所作(しょさ)であろうか。
そうした行為を楽しむ女性を愛したいものである。






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