薔薇を「そうび」と読んでみる。
新鮮に耳に響いた。
薔薇の気分のままに
薔薇をそうびと読んでみる
その繰り返しの音韻が次元を超え
木霊のように亀裂を往来する
のだ
豊かなイマージュが
そうびの花びらの積み重なりが
山並が
山脈となって連峰となり
やがてきみの前に屹立する
のだ
薔薇の花びらが幾重にも折り重なる
と
きみは覆われて
影すら寄せ付けなくなっていき
深く沈潜する
沈潜し
閉じ込められてしまうのだ
きみよ
出でよと叫ぶのだが
きみはもはやこの世の存在ではなく
一個の自意識過剰となって
誰も触れられない資産化してしまう
薔薇から抽出されるエキスの芳しい
香りが
味覚を刺激し続け
触覚を退化させてしまう
だがしかし
知覚だけは研ぎ澄まされていき
君のイマージュだけが洗練されていく
洗練され苦しめ
静謐の正座
に
貶めていくのだ
きみよ
そうびのエキスだけを残すな
その甘いうなじを
実在させるべきである
と
覚醒させてしまおう
麻痺することのない
美しき口づけで
ぼくは空想にいぜんとして囚われているのだろうか。
薔薇は少しも実態化せず、ぼくを悩ませるのである。
ぼくはやはりその匂いに促され、追い続けるだろう。
薔薇を「そうび」と読んでみる。
薔薇の気分のままに追い求め続けるだろう。
谷崎潤一郎の「痴人の愛」の世界のように・・・。
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荒野人
新鮮に耳に響いた。
薔薇の気分のままに
薔薇をそうびと読んでみる
その繰り返しの音韻が次元を超え
木霊のように亀裂を往来する
のだ
豊かなイマージュが
そうびの花びらの積み重なりが
山並が
山脈となって連峰となり
やがてきみの前に屹立する
のだ
薔薇の花びらが幾重にも折り重なる
と
きみは覆われて
影すら寄せ付けなくなっていき
深く沈潜する
沈潜し
閉じ込められてしまうのだ
きみよ
出でよと叫ぶのだが
きみはもはやこの世の存在ではなく
一個の自意識過剰となって
誰も触れられない資産化してしまう
薔薇から抽出されるエキスの芳しい
香りが
味覚を刺激し続け
触覚を退化させてしまう
だがしかし
知覚だけは研ぎ澄まされていき
君のイマージュだけが洗練されていく
洗練され苦しめ
静謐の正座
に
貶めていくのだ
きみよ
そうびのエキスだけを残すな
その甘いうなじを
実在させるべきである
と
覚醒させてしまおう
麻痺することのない
美しき口づけで
ぼくは空想にいぜんとして囚われているのだろうか。
薔薇は少しも実態化せず、ぼくを悩ませるのである。
ぼくはやはりその匂いに促され、追い続けるだろう。
薔薇を「そうび」と読んでみる。
薔薇の気分のままに追い求め続けるだろう。
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